巨大オートバイの代名詞、ハーレーダビッドソン。そのテーマショップともいえる Las Vegas Harley-Davidson が、先月マンダレイベイ・ホテルの南約1km ほどの場所にオープンした。(写真上)
この施設、オートバイそのものと同様にとにかく巨大で、フロア面積はなんと約6000平方メートルというから恐れいる。
もちろんテーマショップといってもロゴグッズなどを扱う単なるギフトショップではない。保守部品、アクセサリー、ヘルメット、ブーツなどはもちろんのこと、修理、点検、安全運転のためのアカデミー、試乗コース、そして観光都市ラスベガスらしく車両のレンタルサービス、さらには新車の販売もおこなっている。
ディーラーも兼ねているのであれば広くて当然といえなくもないが、四輪車の一般カーディーラーよりも広いとなれば、やはりすごいと言わざるをえない。
そこまで大規模だとハーレー社直営の施設のようにも思えてしまうが、実態はさにあらず。
地元実業家による運営で、企業形態としてはフランチャイジー、つまり全世界に数ある独立系ディーラーの一店にすぎない。とはいえ、2200万ドル(約25億円)をつぎ込んだというから意気込みは半端ではなく、たぶん世界最大規模のハーレーディーラーといってよいのではないか。
ちなみにその地元実業家、共同オーナーと一緒にこれまでもネバダ州とユタ州でハーレーのディーラーを手がけてきているので、ハーレーに関わるのは今回が初めてというわけではない。
さて、日本からの一般観光客にとってこの施設はどのような存在として考えればよいのか。
新車販売や修理部門などは関係ないはずなので、注目はレンタル部門ということになりそうだが、日本ではいわゆる「二輪車離れ」が騒がれて久しい。
日本自動車工業会の発表によると、ここ数年の日本国内における二輪車の年間販売台数は40万台前後。329万台売れた 1982年のピーク時の8分の1に激減しているという。
そのピーク時に運転していたライダーたちはすでに中高年かそれ以上の年齢。そんな彼らを除けば、ここの読者のマジョリティーは修理部品の購入などはもちろんのこと、ハーレーのレンタルもまったく興味無し、もしくは資格無し、と想像できる。(レンタルには日本の大型二輪免許証と国際運転免許証の提示が必要)
ならばこの Las Vegas Harley-Davidson は大多数の日本人観光客にとって無用の長物かというと、そんなことはない。ラスベガス屈指の「みやげ物用のショッピングスポット」として、新名所になる可能性を秘めているからだ。
Tシャツ、帽子、マグカップ、マウスパッドなどのありきたりアイテムから、ハンドバッグ、スーツケース、子供服まで、ロゴ入りギフトグッズの範囲は非常に広く、価格も決して高くない。
ひと昔前、ハードロック・ホテル内のギフトショップが注目され(現在も存在している)、市内観光ツアーの定番コースとして数多くの日本人観光客が訪れていたことがあったが、内容的にも品数的にもこちらのほうが訪問価値があるように思える。
特に Tシャツは種類が豊富であるばかりか、そのほとんどにおいてロゴに加えて Las Vegas という文字も含まれているので、他の都市のハーレーショップのグッズと差別化でき、ラスベガスらしいみやげを探しているときには重宝するはずだ。
ただ欠点もある。大型二輪車という製品の性格上、どうしても男性向けグッズにかたよりがちで、ハンドバッグなどはあるものの、女性向けの商品は非常に少ない。
結論としては、みやげを渡す相手が男性の場合、ショッピングスポットとして足を運んでみる価値が十分にあるが、そうでない場合は大きな期待はできないかも、ということになりそうだ。
さて実際に行くとなると気になるのは立地条件。冒頭でもふれた通り、マンダレイベイ・ホテルから南へ1km ということは、ストリップ地区の中心街からはかなり遠い。
(写真はハーレー側からマンダレイベイ方向を見たところ。写真の右半分がハーレーの駐車場、左端の金色の建物がマンダレイベイ。近くに見えるが1km ほどある)
同ホテルの滞在者以外にとって徒歩でのアクセスは現実的ではなく、バスかタクシーもしくはレンタカー利用ということになる。
ただしバスの場合、ホテル街から乗車可能な路線(SDX もしくは DEUCE)のバス停がハーレーの近くにはなく、結局マンダレイベイ(もしくはフォーシーズンズ)のバス停で下車して約1km 歩くしかない。(ハーレーのすぐ目の前にもバス停は存在しているが、それは別の路線 104 のためのもので、SDX や DEUCE の車両は原則として停車しない)
なお、顧客の利便を兼ねて、午前9時から午後3時まで、ストリップ地区の4ヶ所のホテル(ストラトスフィア、ミラージ、バリーズ、MGMグランド)とこのハーレーの間に無料シャトルバスを運行されているが、予定通りに運行されていないのと、いつ中止になってもおかしくないほど利用者が少ないので、とりあえずこのシャトルの存在は意識しないほうがよい。
どの交通手段で行くにせよ、絶対に知っておいたほうがよいことがある。それは、このハーレーが、かの有名な「Welcome to Fabulous Las Vegas」のサイン(写真。この週刊ラスベガスニュース第600号に関連記事あり)のすぐ目の前にあるということ。
つまり、それを見に行ったついでにハーレーに、もしくはその逆にハーレーのついでにサインに立ち寄ることができる。ちなみにそのサインは 2009年、米国内務省により、国家歴史登録財 (National Register of Historic Places)に認定され、写真撮影に長蛇の列ができるほど人気が高い。ハーレーまで行ってこのサインを見ない理由はないので、必ず立ち寄るようにしたい。
さて最後は、大型二輪免許を持つライダーのためのレンタル情報。(写真は、全米の地図が大きく壁に描かれたレンタル部門のカウンター)
レンタルできる条件は免許証やクレジットカードのほか、バイク用のロングパンツおよびブーツを着用していること。ヘルメットとレインウェアは追加料金無しで貸してもらえる。
気になる料金は Road King、Ultra Classic、Heritage Softail、Street Glide、Fat Boy が 24時間 $165、4時間 $100、Sportster がそれらよりもやや安く、逆に3輪の Trike はやや高い。
ただしこれら料金は需給バランスによって変動する可能性があり固定的なものではなく、また保険は別なので、どのような保険に加入するかによって最終的な料金は大きく変わってくる。税金も含まれていない。ゴーグルと手袋も別料金だ。
レンタル部門の営業時間は曜日に関係なく午前7時から午後7時まで、飲み物などを買えるコンビニ部門は午前7時から午後9時まで、ディーラー部門やギフトショップなどメイン施設は午前8時から午後9時まで。
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