西海岸で圧倒的な人気を誇り、熱狂的なファンが多いとされる「IN-N-OUT BURGER」。
その人気に迫る勢いのハンバーガーチェーン店「FIVE GUYS BURGERS and FRIES」が、ラスベガスで存在感を増してきている。
ただ、すでに市内には3店舗あるものの、どこも車がないとアクセスに不便なところばかりだった。
このほどようやくストリップ地区に近いプレミアム・アウトレット・サウスの並びにもこの店がオープンしたので紹介してみたい。
FIVE GUYS は 1986年、夫婦と息子4人がワシントンDC近郊で、持ち帰り専門のハンバーガー店を創業したのが始まり。父親と息子たち、男5人なので 5 guys だという。
2002年から全国展開を始め、現在はアメリカとカナダに 950店舗以上を持つまでに急成長。
東海岸での人気の程は、店内に貼られた雑誌や新聞記事のコピー(写真)だけでなく、ドリンクのカップにまで「No.1獲得」、「ベストに選出」といった文字が踊っていることでも確認できる。
それらの称賛コメントに混じり、その日使用しているジャガイモの生産農場名も壁に掲示され、さらにそのすぐ脇にはそのジャガイモの袋がインテリアの一部であるかのように積み上げられているところがこの店の特徴だ(写真)。
創業当時、倉庫がなく店に置いたことの名残りだそうだが、「フライドポテトは冷凍ではなく生のジャガイモのまま配送され、店でカットしている新鮮なものです」ということをアピールするねらいもあるようだ。
さらに調理の際は、香りが良いとされるピーナッツオイルを使って揚げているとのことで、その演出にも抜かりがなく、ジャガイモ袋の横には業務用サイズのピーナッツオイルが積み上げられている(写真下)。
食材は冷凍しない、オーダーを受けてから作り始める、といったフレッシュな状態で商品を提供することへのこだわり、さらには店内が赤と白を基調としていること、店員のエプロンの色が赤など、なにかと IN-N-OUT を彷彿とさせる部分が少なくない。
それゆえ、この FIVE GUYS が IN-N-OUT のお膝元カリフォルニア州に進出して以来、どちらがおいしいのか比較されることが多いが、今のところまだ結論は出ていないようだ。
もちろん FIVE GUYS 独自の、ユニークなサービスもいくつか見られる。そのひとつが食べ放題の無料ピーナッツ(写真)。
この店では、注文を受けてから調理を始めるので、出来上がるまでに少し時間を要する。その間、ピーナッツでも食べて待っていてほしいということのようだが、店内のいたる所に置かれ、いつでも自由に食べられるようになっているので、これで満腹になってしまわないよう、食べ過ぎには注意したい。
また、待ち時間が長いためドライバーに不便をかけるという理由で、ドライブスルー販売をやっていないのもこの店独自の方針だ。
最もユニークなサービスは 15種類の無料トッピングの中から好きなものを組み合わせ、バーガーをカスタマイズできるようになっていることだろう。
同様のサービスはバーガーキングの新コンセプト店 Whopper Bar でも見られるので、すでに目新しさを感じないかもしれないが、Whopper Bar では、基本の具材はハンバーガーにあらかじめトッピング済みで、さらに好みで具を加えるようになっているのに対し、こちらの場合、何も含まれていない。
つまりトッピングを頼まないとパンにハンバーグを挟んだだけのものになってしまうので、自分好みのハンバーガーを一から組み立てるという点では、FIVE GUYS の方が作りがいがあるはずだ。
トッピングは Lettuce、Tomatoes、Onion、Grilled Onions、Grilled Mushrooms、Jalapeno Peppers、Green Peppers、Pickles、Relish、Mayo、Ketchup、Mustard、A.1.Steak Sauce、BBQ Sauce、Hot Sauce の中から選ぶ。
考えるのがわずらわしいとか、人気の組み合わせにしたいといった場合は、店側があらかじめチョイスした「Everything」または「All the Way」と呼ばれる組み合わせを選ぶとよいだろう。
どちらも同じもので、内容は Lettuce、Tomatoes、Grilled Onions、Grilled Mushrooms、Pickles、Mayo、Ketchup、Mustard。
メニューはハンバーガー、ホットドッグ、野菜サンドの3種類とポテトとドリンク。
ハンバーガーのバリエーションは Hamburger、Cheeseburger、Bacon Burger、Bacon Cheeseburger の4つと、それぞれのLittle サイズ。
リトルサイズと普通サイズの違いはハンバーガーの大きさではなく、パティの枚数で、リトルは1枚、普通サイズは 2枚入り。
ホットドッグのバリエーションも同じだがサイズは1つ。野菜サンドは、ハンバーガーから単純にパティを抜いたものになり、基本のものとチーズ入りがある。
こちらも1サイズのみ。トッピングはホットドッグと野菜サンドにも入れることが可能。
ポテトは通常の塩味のものと、ややスパイスの効いた Cajun Style の 2種類。サイズは Regular と Large があるが、量は多めで、レギュラーでさえ他の店のラージサイズくらいの量に相当する。
なお、バーガー類とポテト、ドリンクがセットになったメニューは無い。
また、これも創業時からの名残りだと思われるが、店内用のトレイはなく、すべて茶色の袋に入れて渡される。したがって、店内で食べるか持ち帰るかは問われない。
味についてだが、チーズバーガーとホットドッグを Everything で試してみた。
チーズバーガーの外見は、バンズがへたりチーズが溶け出し、美しいものではないが、各地でベストバーガーに選ばれたというだけあって、ジューシー感があり、味のレベルは見かけほど悪くない。男性的な印象を与えるハンバーガーといったところか。
ポテトはやや太めのカットで皮付き。どこか素朴さを感じさせるが、さくさく感があり、こちらも評判通りまずまずの味。
Everything は店のチョイスだけあり、ハンバーガーと黄金のコンビネーションと言った感じ。
どんなトッピングを選んでも、土台となるハンバーガーやホットドッグの味が悪くないので、一定以上のレベルは保たれていると考えてよいのではないか。
ちなみに 2年ほど前、ホワイトハウスに近い店をオバマ大統領が訪れたことは有名で、その時の様子は今でも動画サイトで見ることができるが、大統領が選んだのは、レタス、トマト、ハラペーニョ、マスタードをトッピングしたチーズバーガーとポテトだとされている。
値段はリトルサイズのハンバーガーが $3.79~、レギュラーサイズ $5.39~、ホットドッグ $3.59~、野菜サンド $2.69~、ポテト $2.99~、ドリンク $2.19~。
リトルハンバーガーとポテト、ドリンクの代金は税込みで10ドル近くになり、一般的なチェーン店より高めの価格設定となっている。
競合する IN-N-OUT の同様のセットが半額近い値段だということを考えると、同じくらいのおいしさだと思う人は、気軽に行くことができる IN-N-OUT を選びそうだ。特に女性には、やや小ぶりな IN-N-OUT のバーガーの方が受けるのではないか。
もちろんファイブガイズの方が好きだという人も多く、そのためか、どちらがうまいかという議論は、いつまでたっても尽きないようだ。いずれにしても、消費者にとって選択肢が広がることはありがたい。
営業時間は毎日午前11時~午後10時。場所はプレミアム・アウトレット・サウスと同じ敷地内。
アウトレットの建物内ではなく、ストリップ大通り沿いにレストランやファーストフード店が建ち並ぶ中の南端で(ホテル街から遠い方)、アウトレットの ANNEX の手前にある。
2連結の公営バス SDX の停留所からは徒歩で約10分の位置。遠くからでも目立つような大きな看板は出ていないが、店の外壁の上部にある赤い文字の FIVE GUYS を探すようにすると見つけやすいはずだ。
最後にこれは余談になるが、この店のソフトドリンクのマシンは、フェラーリのデザイナーも関与したとされるコカコーラ社の最新マシン「Coca-Cola Freestyle」。すでに日本でも3台が稼動しているとのことだが、使ったことのない人の方が多いと思われるので簡単に説明しておきたい。
このフリースタイルは、コーラやファンタなど 21種類のベースとなるドリンクから、バニラやチェリーなどそれぞれ1~8種類のフレーバーを選べ、合計で130種類ものドリンクを選択できるようになっている。
それだけでなく、130種類を駆使して自分好みのドリンクにカスタマイズすることも可能。つまり、同じベースドリンクの中から違うフレーバーを組み合わせたり、ベースドリンクを違う種類で組み合わせるなど、カスタマイズの方法に限りは無い。
使いかたは、注ぎ口にある「ICE」レバーを押し氷を入れる。
始めの画面でベースとなるドリンクを選び、次の画面でフレーバーを決め「PUSH」ボタンを押しドリンクを注ぐ。
フレーバー選択画面において左端に表示される「<」を選ぶと、ベースドリンクの画面に戻ることができる。
カスタマイズする場合はよく考えてフレーバーを選ばないと、とんでもない味になるが、それはそれで楽しめるかもしれない。
このマシンは FIVE GUYS の他にも Burger King の一部の店舗など、いくつかのファーストフード店で導入されている。
基本的にファーストフード店に置くようだが、モンテカルロホテル前のアミューズメント施設 World of Coca-Cola、さらにドラッグストア Walgreens のストリップ地区4号店(プラネットハリウッドホテルの南)にも設置されているので、ドリンクだけ試したい場合はこれらの店でも体験可能だ。
なお、日本とアメリカでは製造されている製品が異なるため、ベースとなる飲料にも味に違いがあることを覚えておきたい。
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