今年もまた航空ショーの季節がやってきたので紹介してみたい。
航空ショーとは、ラスベガス郊外にあるネリス空軍基地で毎年秋に開催される Aviation Nation のことで、航空マニア、軍事マニアなどにとっては「垂涎の的」ともいえる恒例のビッグイベント。
今年の開催は 11月12日と13日の2日間。(掲載写真はすべて過去の開催時に撮影されたもの)
ネリス空軍基地は、世界最強といわれているアクロバット飛行隊「サンダーバーズ」の本拠地であると同時に、世界で最も機密性が高い謎の軍事施設「グルームレイク空軍基地」 (通称 エリア51)と非常に緊密な関係にある基地としても知られ、西海岸地区はもとより米国全土の防空戦略の要所となっている。
そんな基地へアクセスできる貴重なチャンスが、この航空ショーで、マニアにとってはもちろんのこと、ラスベガス市民にとっても家族みんなで見に行く地域密着型の恒例行事としてすっかり定着しており、もはや秋の風物詩といった感すらある。
また最近はマニア以外の一般の日本人の間でも知られるようになってきたのか、この時期に合わせてラスベガスにやって来る日本人観光客も少なくない。
このショーではサンダーバーズのアクロバット飛行のほか、新旧さまざまな戦闘機や輸送機の展示、さらには実際に標的を空爆し爆破炎上させるシーンなど(写真)、独自の演出によるデモンストレーション、そして超高性能機「F-22A ラプター」の驚きのデモ飛行なども楽しめる)。
ちなみにラプター(写真)は、アメリカ軍が誇る世界最強の戦闘機とされ、そのあまりにも優れたステルス性能は「軍事バランスを損なう」と、アメリカと敵対する各国が非難するほど評価が高いばかりか、同盟国である日本が次期戦闘機として導入しようとしても、売ってもらえなかったほどの機密性の高いスーパーファイターだ。
昨年までのこのイベントでは、そんなラプターの紙飛行機のようにひらひら舞う自由自在の飛行性能の披露や、アフターバーナーによる加速(高温の排気ガスにさらに燃料を供給して瞬発的なパワーを得る加速)、さらには低空飛行で兵器庫を開けて中を見せてくれるなど(写真上)、航空マニアにとっては夢のようなシーンも見ることができた。たぶん今後の開催においても同様なシーンを見ることができるはずだ。
このイベントはもちろんマニアだけのものではなく、前述の通り家族連れも多く、会場内には屋台スタンド型のファーストフード店や遊戯施設が軒を並べるなど、遊園地さながらの楽しいイベント。
軍事的な知識がなくても誰でも楽しめるので、開催日にラスベガス滞在を予定している者はぜひ足を運んでみるとよいだろう。
12日も13日もプログラムの内容は基本的に同じで(一部異なる部分もあるが)、入場料は無料。
各企業などからの寄付もあるが、日ごろ騒音などで住民に迷惑をかけている軍からの市民サービスという意味合いもあるので、この種のイベントは料金を取らないのが通例だ。
もちろん写真撮影も原則として自由。ただしセキュリティーチェックはある。カメラやビデオは持ち込めるが、危険物は持ち込めない。
会場のネリス空軍基地の場所は、ストリップ地区のホテル街から北東方向に約20km の地点。
行き方としてはレンタカーが一番早くて便利。タクシーは帰路で困る(電話などで呼んでも簡単に来てもらえないので)。
駐車場は、隣接するカーレース場「ラスベガスモータースピードウェー」周辺の場所が指定され、指定された場所以外に駐車することはできない(セキュリティーチェックがあるため)。
また、駐車場から基地までは主催者側が用意するシャトルバス(無料)に乗る必要があり、徒歩などでアクセスすることは原則として禁止。
詳しい情報はネリス空軍基地の公式サイトを参照のこと。なお、値段は安くないが、日本人ガイドが付いた専用ツアーも催行されるので、至れり尽くせりのサービスを望む場合は、その種のツアーに参加するのもひとつの方法だろう。詳細や申し込み方法などに関しては、このラスベガス大全まで問い合わせてほしい。