室町時代から江戸時代の武具を集めた「サムライ展」が、ベラージオホテルのアート・ギャラリー BELLAGIO GALLERY OF FINE ART で、始まった。
期間は 11月3日から来年の4月29日までの約6ヶ月間。入館料は税込みで、一般が 18ドル、65歳以上のシニアと学生が 16ドル、ネバダ州在住者も 16ドル、12歳以下は無料。
展示品を貸し出しているのは、Barbier-Mueller ファミリーが運営する美術館で、そこの主人の Gabriel Barbier-Mueller 氏(61歳)はスイス生まれのスイス育ち。
1979年にスイスからテキサス州ダラスに移住し不動産業で財を成すと、趣味が高じて美術品を集めるようになったとのこと。最初のうちはさまざまなジャンルの美術品に興味を示していたが、近年はもっぱら日本の武具、特に攻撃のための武器よりも守りのための鎧と甲が好きで、刀や弓や槍などにはあまり興味がないらしい。
そのようなわけで、展示されている作品の多くは鎧と甲ということになるが、火縄銃、日本刀、戦場で打ち鳴らす陣太鼓など、防具系の以外のものも少なからず展示されている。
作品の数は約50点。数的には決して多くはないが、静かで落ち着いた雰囲気のギャラリー内にうまく配置されており、照明やBGMなども含めて展示のレベルは高く、エンターテインメント都市ラスベガスにありがちな安っぽいイベントではない。
ちなみにこの Barbier-Mueller ファミリーが主催するサムライ展は、ダラスを本拠地としながらも、これまでにフェニックス、デンバー、ロサンゼルス、ボストンなどの全米各地、さらにはカナダ、フランス、チリなどの海外でも開催されており、それなりの数の入場者を集めることに成功しているとのこと。(上の写真は、このイベントの宣伝のためにベラージオホテルのロビーに飾られている馬とサムライ)
実際に、このベラージオホテルのギャラリーで過去に開催された数々の美術展と比べても、入場者の数は多いように見受けられ、アメリカでのサムライという言葉に対する人気の高さがうかがえる。
受付で入館料を支払うと、音声案内のガイドフォンが必要かどうか聞かれる。作品の前に掲示されている番号を入力すると案内が流れてくるようになっているが、言語はあいにく英語のみ。無料なので、とりあえず受け取っておいてもいいが、それぞれの作品の前には番号以外にも詳しく説明が書かれているので(それも英語のみ)、受け取らなくても特に問題はないはずだ。
華やかなナイトショーやカジノがウリのラスベガスに、このような展示会は似合わないかもしれないが、歴史に興味がある人にとってはまたとない機会なので、ぜひ足を運んでみるとよいだろう。開館時刻は午前10時、閉館は午後8時、最終入館は午後7時30分。
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