つい1ヶ月半ほど前、予算に限りのある卒業旅行などの読者に向けて、「ランチ全品5ドル」という格安レストランを紹介したばかりだが、今週はその逆、10連休で航空運賃が異常に高いという今年のゴールデンウイークにラスベガス旅行を計画しているリッチ層向けに、おしゃれな高級サンデー・ブランチを紹介してみたい。
場所は、前庭に広大な湖を持つことで知られるラスベガス屈指のラグジュアリーホテル、ベラージオの中。店の名前は LAGO。
独創的なイタリア料理、スペイン料理、地中海料理などで名を馳せた人気シェフ、ジュリアン・セラーノ氏が監修する高級レストランで、この店が日曜日限定のサンデー・ブランチを始めた。
ラスベガスでサンデー・ブランチといえば、多くの場合、食べ放題だが、ここでは食べ放題ではなく、着席したままで料理を楽しめる定額制の選択式コースメニューになっており(デザートだけは食べ放題)、その定額料金は 38ドル。
最高級レベルというこの店の格を考えると、それほど高くないようにも思えるが、飲み物は別料金なので(たとえばコーヒーや紅茶は $5.00、オレンジジュースは $6.50、カクテル類は $10 以上)、税やチップを入れると 60ドル近くになってしまい、予算重視派にとっては気軽に行けるようなブランチではない。
とはいえ、今回はリッチ層向けの話題提供ということで、料金の高さは無視して話を進めてみたい。
店の名前 LAGO はイタリア語やスペイン語で湖。そしてベラージオホテルといえば噴水ショーで、同ホテルが誇るこの大規模なアトラクションは、もはやラスベガスを代表する人気ナンバーワンの観光スポットといっても過言ではない。
ベガスリピーターならすでにお気づきのことと思われるが、この店の特徴はなんといってもその噴水ショーを間近に見ることができるということ。
ダイニングルームでブランチを楽しみながら噴水ショーを鑑賞できるその贅沢な時間と空間は、この店が料理以外に提供する大いなる付加価値といってもよく、その価値が料金に含まれていると考えれば、ひとり 60ドルでもぜんぜん高くはないはずだ。
ちなみに噴水ショーが演じられる際、屋外の現場に流れている音楽と同じ曲が、ダイニングルーム内でも同時に聴けるようになっていることはいうまでもない。
さて気になる料理について。席に案内され着席すると、まずは飲み物を聞かれ、メニューを渡されるので、コーヒー、紅茶、ミモザなど希望の飲み物を告げたあと、メニューに目を通すことになる。
メニューには、たくさんの料理名が英語あるいはイタリア語で書かれており、なにやらむずかしそうにも見えるが、よく見ると第1コースと第2コースから選ぶだけになっているので、日本人にとっても簡単でわかりやすい。
それぞれのコースに11種類の料理が記載されており、その中から一品ずつ選ぶことになる。以下がそのリストだ。(原文のまま)
【FIRST COURSE】
◎ SHREDDED SALMON SALAD
(apples|candied walnuts|baby greens)
◎ ANTIPASTO MISTO
(burrata|prosciutto|salame|olives|bell peppers)
◎ BRUSCHETTA CACIO E PEPE
(scrambled eggs|peppered cheese)
◎ DUCK AND POLENTA
(braised pulled duck meat|cheesy soft polenta)
◎ STEEL CUT OATS GRANOLA PARFAIT
(coconut milk|fruit|cinnamon)
◎ CAESAR SALAD
(roasted chicken|hard boiled eggs)
◎ QUINOA SALAD
(grapefruit|dates|almonds|arugula|yogurt dressing)
◎ RICOTTA CAULIFLOWER CROSTINI
(figs|pata negra)
◎ RAVIOLONE
(egg yolk|truffle ricotta|truffle butter sauce)
◎ QUAIL EGGS AND SMOKED SALMON
(capers|chives|shallots)
◎ LOBSTER BENEDICT (additional $8)
(Hollandaise sauce|English muffin)
【SECOND COURSE】
◎ EGGPLANT PARMESAN
(poached egg)
◎ ITALIAN BURGER
(pork sausage patty|fried egg)
◎ NONNA’S FRITTATA
(mozzarella|vegetables|baked eggs)
◎ APPLE CHICKEN SAUSAGE WAFFLE
(Dijon mustard|apples)
◎ PIZZETTA
(guanciale|ricotta|egg yolks)
◎ KUROBUTA PORK RIBS
(saba glaze|coleslaw)
◎ LASAGNA
(meat sauce|poached egg)
◎ STEAK AND EGG
(4oz.beef tenderloin|hash brown potatoes)
◎ EGGS AND BACON
(potatoes|applewood smoked bacon)
◎ POLLO AND AVOCADO
(scrambled eggs|tear drop tomatoes|chicken)
◎ BASIL AVOCADO MULTIGRAIN TOAST
(scrambled eggs|smoked bacon)
(第1コースの LOBSTER BENEDICT だけは追加料金として別途 8ドルが加算される)
コースメニューといえども食べるのはたった2皿だけということになるわけだが、「これで 38ドルは高い」などと思う者は、リッチな読者の中にはいないはず。一方、「これだけでたりるの?」と思う読者はいるかもしれない。
しかしその心配は無用。見かけによらずかなり量があったりして、2皿でも十分に満腹になるからだ。
そもそも始めから自動的に配られるパンが非常に美味しく、ついついそれを食べすぎてしまいがち。たぶん多くの人は、1コース目の料理が運ばれてくる前に完全な空腹状態ではなくなっているはずだ。
仮にそれでも物足りなかった場合、第3のコースという名目で食べ放題のデザートが待っている。スイーツ類のみならず、フルーツも豊富なので、好きなだけ食べればよい。
(デザートだけは自分で陳列台まで取りに行く必要あり。下の写真は各自で自由に盛り付けてみたところ)
サンデー・ブランチ自体の営業時間は 10:30~14:30。日曜日最初の噴水ショーが始まるのは 11:00 で、その後は 30分おきに演じられる。
(土曜日は 12:00 がその日の最初、平日は 15:00 がその日の最初となっているが、日曜日だけはこのブランチに配慮したのか 11:00 から始まる)
したがって、1回でも多く鑑賞したい場合は 10:45 までの予約スポットを確保するようにするとよいだろう。
予約なしでも入れないことはないが、待たされることがあるので予約は絶対にしておくべき。電話やネットでも可能だが、前日までに LAGO の受付まで出向き、店の雰囲気などを確認してから予約するとよい。もちろんベラージオの宿泊客以外でも予約可能。
(下の写真はストリップ大通りに面した場所にある広告塔。右奥の背景はコスモポリタンホテル)
お一人様用のカウンター席もあるが、窓からやや離れた位置にあるので噴水ショーを見にくいのが難点。
店内に入って右奥に屋外セクションもあるが、気温が快適とは限らないばかりか、直射日光が当たったり、さらには風向きによっては噴水のしぶきが料理にかかったりすることもあるので、このセクションを選ぶ際は気象条件などをよく考えてからにしたほうがよい。
強風など悪天候で噴水ショーが行われないこともあるので、噴水ショーの鑑賞が必須条件としてこの店の利用を考えている場合は要注意。
以下は今回の訪問で食べてみた各種料理など。