下の写真は、ラスベガスを代表する無料アトラクション、ミラージホテルの火山のショー。
本物の火を使うことはもちろんのこと、手の込んだ照明技術も駆使し、さらに大音響も伴った演出は迫力満点だ。
当然のことながらそれを楽しむためには、無料であるがゆえに場所取りが必要になってくるわけだが、最近は以前に比べて現場の状況がややきびしくなってきている。
最前列、つまり手すりがある付近から見れば、この写真のような臨場感あふれる演出を楽しむことができるが、上演時刻の 30分程度前に現場に行っても、必ずしも良い場所を確保できるとは限らない。
理由は、今年の春から上演回数が半分程度に減ってしまったため、現場の混雑度が増しているからだ。また昨今の中国からの観光客の急増も影響しているかもしれない。特に週末の 8:00pm の上演はかなり混雑するので、そのタイミングでしか行けない場合は早めに行くなど、それなりの対策が必要だ。
ちなみに上演スケジュールは毎日 8:00pm と 9:00pm。金曜日と土曜日は 10:00pm も加わる。
現場は歩道からの立ち見となるため、劇場のフロアのような傾斜がなく、最前列にいない限り、背が低い人はよく見えない。
特に低い位置での演出、つまり水面からの噴火や火山から流れ出る溶岩流などはまったくダメだ。だからといって 30分以上も前から並ぶのは、これからの寒い季節、非常につらい。
そんなときにおすすめなのが、ストリップ大通りを隔てて火山ショーの向かい側にあるファミリーレストラン「デニーズ」だ。上の写真のように、ドラッグストア「ウォルグリーンズ」の2階に位置しており、テラス席が用意されているので、そこからならば、だれにもじゃまされることなくゆっくり火山ショーを楽しむことができる。
ちなみにこのデニーズ、最近オープンしたというわけではない。現在の姿に新装オープンしたのは約1年前。
しかし不覚にも、これまでこの場所が火山ショーの絶好の鑑賞スポットであることに気づいていなかった。たまたま 11月15日に開催されたラスベガスマラソンの取材の際にこのテラスを使わせてもらうことになり気づいたという次第。
上の写真が、このデニーズのテラスから火山側を見たときの様子だ。この写真に写っている群衆の大部分は火山ショーの見学者ではなく、ランナーの応援やマラソンの見学なので、通常のときの様相とは大きく異なっているが、火山がよく見えるという位置関係に変わりはない。
上の写真は、店内側から見た窓際付近の様子。この日はたまたまマラソンという特別な事情があったため、テラス席は一般のダイニング用には使用されていなかったが、通常は使える。
さらにうれしいことにこのデニーズは24時間営業で、総じて混んでいない。特に 10:00pm の部の上演なら、かなりの確率で火山が見える良い席を確保できるようだ。
火山の話はそのへんにして、デニーズそのものに関して簡単にふれておきたい。
全米に約1700店あるうちの約1500店が、各オーナーに経営を任せているフランチャイズ店、約200店が本社による直営店で、この店は直営店。
メニューは一般の郊外店とほぼ同じだが、店内の様子はかなり異なっており、テラス席、そして一般のブース席以外にもスポーツバーのようなセクションもある。スポーツの試合を実況中継しているテレビに向かったカウンター席は、一人客の需要を満たすばかりか、スポーツの試合にお金を賭けている人にも最適だ。
料金的な部分においても、この店の存在は知っておいて損はないだろう。(写真は、テラス席からシーザーズ・パレス側を見下ろしたところ)
カリスマシェフの名前を冠した高級レストランなどがひしめくストリップ地区は飲食費の高さで悪名高いが、このデニーズは総じて安い。
ファミリーレストランなので当たり前といってしまえばそれまでだが、各ホテルのフードコート内にあるファーストフード店と比べてもかなり良心的な価格設定となっている。
たとえば、料理は各店でその内容が異なるので価格の比較には不向きだが、ビールはまったく同じ商品なので料金設定の指標になりやすい。
そのビールの価格で比較すると、バドワイザーやミラーなどアメリカの国産ブランドの小ビンがデニーズでは $4.50、フードコート内のファーストフード店の相場は $7 前後。
高級レストランでも $8 前後なので、ファーストフード店が高すぎるといえなくもないが、とにかくデニーズの安さが突出していることがわかる。サイドオーダーのフライドポテトに至っては、たったの $2.99 だ。家賃が非常に高いはずなのに、郊外店とほとんど変わらない価格設定はありがたい。
そのようなわけで、火山ショーという景色もさることながら、料金的な部分においてもこの店は利用価値がある。また24時間営業のため、時差ボケなどで深夜に空腹を満たしたくなった際にも便利だ。(写真は、ストリップ大通りの歩道からこの店の入口に向かうエスカレーターと階段)
最後に、火山を見る際に視覚的な部分においてはなんら問題はないが、火山の炎から伝わってくる放射熱による臨場感などは現場近くに遠くおよばないので、そういった部分も体感してみたいという場合は、やはり現場の最前列を確保すべきだろう。
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