当地ラスベガスのカジノでは、ルーレットやスロットマシンなど一般的なカジノゲームのみならず、スポーツの試合にも賭けられることは多くの人が知るところ。
もちろんその対象となるスポーツは野球、アメフト、バスケなどは言うに及ばずボクシング、ゴルフ、テニス、サッカーなど多岐に渡っているわけだが、今の時期はメジャーリーグ野球の開幕直前なので、今回は野球に焦点を当ててみたい。
開幕後は日々の試合(たとえばドジャース対パドレスなど)の勝敗を予想して当てるのが一般的な賭けだが、今の時期であればシーズン終了時点の結果、たとえば優勝チームやホームラン王などを当てる賭けもある。
そこでこのたび実際のラスベガスのカジノに出向き、日本の野球ファンにとって興味がありそうな賭けの払戻倍率(オッズ)を調べてみた。
出向いたカジノは高級カジノホテルとして名高い「シーザーズ・パレス」。

シーザーズパレスのスポーツブック内に設置されている端末機。このマシンで各種スポーツに賭けることができる。
ちなみに以下に掲載した写真はすべてそのシーザーズパレスの 2月27日時点における端末機の画面だ。
(+230 などの意味は、100ドルを賭けて的中した場合の払戻額を示している。あくまでも倍率の表示であり、必ずしも 100ドル賭けなければならないわけではなく 10ドルでも賭けることが可能)

2025年シーズンのワールドシリーズの覇者を当てる賭けのオッズ。
さてさっそくだが、大谷翔平、山本由伸、佐々木朗希らが所属するロサンゼルス・ドジャースがワールドシリーズで優勝する賭けのオッズは上の写真の通り 2.3倍。
(ドジャースに100ドル賭けて的中した場合、賭けた際の元金も含めれば 330ドルが払い戻されることになる)
ダルビッシュが所属するパドレスは25倍、今永のカブスは28倍。菊池雄星が移籍し大谷の古巣でもあるエンゼルスは150倍と評価が低い。いかにドジャースが大本命と見られているかがわかる。
参考までに、ワールドシリーズの覇者ではなく、ナショナルリーグの優勝チームを当てるオッズは以下の通りで、ほぼドジャースが優勝すると見られているようだ。昨シーズン強かったパドレスはどうしたことか12倍となっている。

ナショナルリーグの優勝チームを当てる賭けのオッズ。ドジャースが圧倒的であることがわかる。
では個人成績はどうか。まずはMVPのオッズから。
以下の写真からわかるとおり、ナショナルリーグのMVPは大谷が一番人気で 1.8倍、アメリカンリーグの一番人気はアーロン・ジャッジの3倍で大谷ほうが評価が高い。
ちなみに大谷の元チームメイトのマイク・トラウトは22倍と人気は今ひとつ。それでも大谷の現在の同僚で昨年のワールドシリーズでも活躍したフリーマンの25倍よりもトラウトのほうが有望視されているところが興味深い。

ナショナルリーグでは大谷がダントツの一番人気。

アメリカンリーグのMVP予想ではやはりアーロン・ジャッジが一番人気。
ホームラン王はどうか。こちらはナショナルリーグ、アメリカンリーグに関係なく、両リーグに渡ってのホームラン王を当てるオッズとなっており、ジャッジが3.5倍で、6倍の大谷よりも大幅に評価が高い。
今シーズンの大谷はピッチャーもやることが予想されているので打席数が減り結果的に打撃成績は昨年ほどは伸びないということか。
それでも10倍以下のオッズの選手は大谷とジャッジしかいないことを考えると大谷の怪物ぶりがうかがえる。

ピッチャーもやることが予想されている大谷が、ジャッジに次ぐ2番手という評価は驚異的。
両リーグに渡っての打点王は大谷もジャッジも仲良く8倍だ。
ピッチャーもやって打席数が減るであろうことを考えると大谷のこの評価は高すぎるようにも思えるが、チームメイトの出塁率や打順の関係で大谷のほうが打点を稼ぐ条件が良いとの読みがあるのか。

打点王では大谷とジャッジが同じ評価。ピッチャーもやることを考えるとジャッジと同じは無理があるかも。
盗塁における大谷の評価は非常に低く、大谷の盗塁王は33倍となっている。
昨シーズンはメジャーリーグ全体で2位の59盗塁を記録したが、今年はピッチングのための体力温存や、ケガをしやすい盗塁には積極的ではないとの判断か。

体力温存とケガを避けることを優先するとなると 33倍という低評価も妥当か。
投手部門も日本の野球ファンにとっては興味深いところだろう。
投手にとっての最高の栄誉とされるサイ・ヤング賞のオッズは以下の通りで、ナショナルリーグでは山本が20倍、千賀が25倍、そして大谷28倍、今永30倍、佐々木33倍と続く。
ダルビッシュはこの写真の画面には表示されていないが 125倍と評価が低い。

ナショナルリーグのサイ・ヤング賞の予想には日本人投手5人の名前が。佐々木朗希は33倍と低評価だ。
なおアメリカンリーグのサイ・ヤング賞は、以下の写真の下部にある「More」のボタンを押して下位の選手を表示させるのをうっかり忘れてしまったため、この写真では上位14人しか表示されていないが、その中に菊池雄星など日本人投手の名前はない。

アメリカンリーグのサイ・ヤング賞候補の上位14人の中に菊池雄星など日本人投手の名前はない。
さて最後に、ルーキー・オブ・ザ・イヤーこと新人王を見てみたい。
なんとこちらは、サイ・ヤング賞では評価が低かった佐々木朗希がナショナルリーグで圧倒的な一番人気となっている。
日本の野球ファンとしては嬉しい評価ではあるものの、ギャンブラーとしては2倍ではオッズ的には美味しい賭けではないようにも思えるが、はたしてこの倍率はどうなのか。
もしこれが妥当な数値だとするならば、佐々木への期待値がいかにすごいことになっているかの現れであり、ぜひ佐々木にはその期待に応えて頑張ってもらいたいものだ。
なおアメリカンリーグの新人王は菅野の22倍が日本人選手としては一番評価が高かった。

ナショナルリーグの新人王は佐々木朗希がダントツの1番人気。
とりあえずそんなところだが、カジノでの評価などを知った上で今シーズンの野球を楽しむのも面白いのではないか。
シーズン終了時に日本人選手がどのような賞を獲得するのか大いに期待しながら各選手の活躍ぶりを見守りたい。