ラスベガスの繁華街といえば華やかな巨大カジノホテルが建ち並ぶ目抜き通り「ストリップ」。今そのストリップ沿いの景色が激変している。
F1レース「Las Vegas Grand Prix 2023」が 11月16、17、18日に開催されることになっており、それのための準備が進められているからだ。
レースで使用されるコースの中にストリップが含まれているため、通常であれば普通に歩けるホテル街の歩道に観客席が設置されるなど、景色が変わるだけでなく通行不能の場所も増えてきている。
したがって今ラスベガスを訪問すると不便を強いられること間違いなしなので注意が必要だ。
不便になっている一例を上げると、観客席の影響でラスベガスを代表する観光スポット「ベラージオホテルの噴水ショー」もまともに見ることができない。レースの現場を見下ろすことができるロケーションのレストランなどもレース当日は特別営業になったりするようだ。
レースで使用されるストリップの具体的な区間はトレジャーアイランドホテルやパラッツォホテルがあるところの交差点から、コスモポリタンホテルとアリアホテルの間の交差点まで。
南北に長いストリップ全体からするとごく一部の区間ではあるが、その区間こそがホテル街の中心地となっているため体感的にはストリップのほぼすべてがF1モードになっているように感じられる。
参考までに、歩道橋からの景色も通常とは大きく変わってしまっていることを付け加えておきたい。
通常であれば、歩道橋の上からガラスのフェンス越しにストリップの景色を眺めることができるが、現在はほとんど何も見えないように視界がブロックされている。(その様子も以下の写真で)
レース観戦で歩道橋上に群衆が立ち止まったりすると圧死事故などにもなりかねないので安全上の理由もあるだろうが、「観戦したければ有料の席を買ってね」という主催者側の事情もあるようだ。
ちなみに観戦チケットの料金は、レースの曜日、スタンドがある区間、立ち席か座席か、食事やドリンクなどが付くかどうかなどによって大きく異なっているわけだが、人気がない区間の立ち席でも200ドル前後、良い条件の席は日米間の航空券よりも高かったりするので庶民でも手が届くような値段で買えると思わないほうがよい。
そんな高級な観戦スタンドが並ぶ現在のストリップ地区の様子を写真で撮ってきたので、今週から来週にかけてラスベガス訪問を計画している読者は参考にして頂ければ幸いだ。
なお最後に余談になるが、今回のF1開催の時期を意図的にねらったと思われるストライキが計画されているので、それにも触れておきたい。
ホテルの従業員などが関わる組合(Culinary Local 226)によるストライキで、労使間の交渉の期限が今週の金曜日(11月10日)と報道されている。
この組合は、日本でしばしば見られる個別の職場による企業内組合ではなく、MGM、シーザーズ、ウィンなどの在ラスベガスの主要ホテルを横断的に相手にしている巨大かつ最強の組合とされているため、もし賃上げ交渉がまとまらず実際にストライキに突入することになるとF1への影響は避けられない。
たぶん今日、明日にも何らかの結論が出るように思えるが、はたしてどうなることか。F1というビッグイベントとは別にこの問題からも目が離せない。
(以下の写真の掲載順は北側のエリアから南側への順)
今週の記事はここまで。
- 関連カテゴリー