11月8日はアメリカの中間選挙の日。4年ごとの大統領選挙の中間、つまり大統領の任期が2年経過した時点で行われることから中間選挙と呼ばれている。
上院議員の3分の1の議席、下院議員の全議席が改選となる重要な選挙であると同時に、ついでにというわけではないが、州知事選や各自治体の長などを選ぶ選挙、さらには各法律の賛否を問う投票も行われたりすることが多い。
したがって全米規模の「選挙の日」(Election Day)ということで政治的にはビッグイベントとなっているが、ここではそんな堅い政治の話をするつもりはないし、そもそも政治を語るほどの知識も情報も持っていない。
というわけで日米の選挙戦の違い、具体的には候補者自身の売り込みやライバル候補に対する批判合戦などに関して当地ラスベガスにおける現状を写真でお届けしてみたい。
「日米の違い」と書いたが、かなり違うようにも見えるし同じようにも見えたりする。たとえば候補者の名前を告知する看板やポスターはどうか。
日本もアメリカもやっていること自体は同じような感じだが、日本の選挙ポスターがA3サイズ(約42cm×30cm)に制限されていたり、公設の掲示板の中の指定された位置に貼らなければならないのと比べると、アメリカの場合はサイズも場所も自由度がかなり大きいように見受けられる。
次は各個人が特定の候補者を応援する場合の看板やポスターについてはどうか。
アメリカの場合、住宅の庭が比較的広いのと道路からの視認性が高いためか、以下のような感じで各個人が自宅の庭にポスターを設置したりすることが多い。
といっても日本でも個人宅や商店などが候補者のポスターを掲示することは許されており実際にそのような光景を目にすることはいくらでもあるので、この部分においては日米に大きな違いはないのかもしれない。
次に郵便物。これはルールの違いからなのか、かなり日米で違うように見受けられる。
選挙戦が始まると以下の写真のようなさまざまな形態の郵便物が各家庭に毎日のように送られてくる。ちなみにテレビやネットでの広告も同様にすさまじく、選挙戦が始まると一般企業の宣伝よりも目立つほどだ。
最後は広告媒体内での主張の内容について。これはもう日米でまったく異なっている。
なんともアメリカらしいというか、自分自身の公約や主張よりも対立候補の悪口のほうが目立つほどで、中には自分の名前よりも敵の名前のほうを大きく書いているポスターもあったりするので(当然「この人には投票するな!」という内容)見ているほうとしてはおもしろい。
日本でも対立候補のことにふれること自体は禁止されていないようだが、アメリカでは敵を叩かなければ損とばかりに相手の欠点を箇条書きに並べて自分の正当性を主張したりするのが一般的で、とにかく「選挙戦 = 批判合戦」といった様相になっている。
日本では品位を重んじる文化があるためか相手の悪口は自身のイメージダウンにつながりかねないが、アメリカでは戦意を見せないと弱虫扱いされてしまい不利になるのかもしれない。いずれにせよそんな日米の違いを以上の写真から感じ取って頂けたら幸いだ。