今週は、ここの常連読者からは「またか!」と言われそうだが、高級カジノホテル「ベラージオ」にとっても、このラスベガス大全にとっても恒例となった感のあるチャイニーズ・ニューイヤーの話題。
大晦日のカウントダウン花火大会で年が明けてから早くも3週間が過ぎようとしている今、ラスベガスにはもう1回、新年がやって来る。チャイニーズ・ニューイヤーこと、旧暦の正月「春節」だ。
二十四節気のひとつ「雨水」の直前の新月の日のことで、今年は中国の日付で 2月1日がその元日に当たる。
(ただし西経115度のラスベガスにおける天文学上の新月は当地時間の1月31日の22時ごろ)
春節を祝う文化圏ではこの時期に一週間程度の休暇を取ることが多く、またチャイニーズ系の人たちはギャンブル好きということもあり、アメリカ国内はもとより、台湾、香港、中国、そして世界各地から大挙してラスベガスにやって来る。
当然のことながら各カジノにとってこの時期は重要なかき入れ時で、チャイニーズ系のハイローラー(高額でプレーするギャンブラー)を顧客に持つ高級カジノホテルは彼らの受け入れに余念がなく、ロビーなどを赤やゴールドといった春節カラーやその年の干支(今年は寅)など縁起物で派手に飾る。
しかしそれはコロナ前までの話。昨年はコロナ騒動後ということもあり、海外からの集客は期待できないということで例年のような盛り上がりは見られなかった。
それでもラスベガスから比較的近いロサンゼルスやサンフランシスコに大きなチャイニーズ・コミュニティーがあるためか、各カジノホテルはそれなりの期待を込めて縁起物を飾りながらハイローラーを迎えようとしていた。
ところが今年はどうか。その気配はほとんど見られない。もちろんまだ春節まで2週間ほどあるのでこのあと派手な装飾を施すホテルが現れるかも知れないが、現時点では多くのホテルが鳴りを潜めている。
ソーシャルディスタンスなどコロナ規制に関しては昨年よりも緩和されているはずだが、やはりオミクロン株の感染拡大に原因があるのだろうか。
チャイニーズ系の人にしかわからない何か他の理由があるのか。
そのへんの事情などを上海からアメリカに移住して35年という在ベガスの知人にたまたま会う機会があったので、たずねてみたところ、「単純に経済的な理由だと思う。海外からの来客に期待ができないので派手な装飾は予算の無駄と判断したのでは」とのこと。たぶんそうだろう。
というわけで今年の春節の装飾はかなり限定的のようだが、そんな中、やはりベラージオホテルだけは館内にある人気アトラクション施設「Conservatory & Botanical Gardens」(室内植物園)において、恒例の春節をテーマにした派手な装飾を披露してくれている。もちろんテーマはトラだ。
それを以下に写真でまとめてみたので、生で見たいという人は現場に足を運んでみるとよいだろう(といっても海外旅行はまだ現実的ではないので在米の読者に限られるだろうが)。
入場は無料、24時間オープン。今回の春節テーマの展示は3月5日まで。
ちなみに「人面魚」ならぬ干支にちなんだ「トラ面魚」(もちろん実際に泳いでいる本物の魚)と噂されている鯉の写真も含まれているので要チェック!
(下に20枚ほどの小さなサイズの写真が表示されるはずですが、読み込みに時間がかかる場合があります。もし表示されない場合はそのまましばらくお待ちください。各写真はクリックまたはタップで拡大表示)
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