【今週号は、ミスターベガスに代わって ミスベガスが執筆を担当しています】
約2ヶ月前のこのコーナー(バックナンバー735号)で取り上げたバーレスクの話題が予想以上に好評だったため、今週は、フラミンゴホテル内に開校した「バーレスク大学」を紹介してみたい。
エンターテイメント・シティーと言われるラスベガスでは、毎晩さまざまなバーレスク系のショーが行われており、そこでは数多くのショーガールたちがセクシーなパフォーマンスを繰り広げている。
そんな彼女たちの麗しい容姿やダンスに目を奪われるのは決して男性だけではない。女性にとっても美しいショーガールたちはとても魅惑的で興味津々だ。
このほど由緒あるフラミンゴホテルの小劇場「バグジー・キャバレー」で、実際にバーレスクショーに出演しているショーガールたちが、じきじきに化粧法やダンスの振付けを手ほどきしてくれるというバーレスク大学「X Burlesque University」(以下 XBU) が開校した。
University などという大げさな名前が付いているが、もちろん本物の大学ではない。
あくまでもパロディー的な企画で、入学試験はもちろんのこと、難解な講義があるわけでもなく、楽しく気楽な75分間を過ごせば、だれでも入学した当日に卒業証書をもらうことができるというお遊び学園だ。
そんなクラスを受けるだけで女子力アップのチャンスとあらば受講しない手はないとだれもが考えるのか、この不景気な時期に毎回生徒がいるというから驚く。以下は実際に入学してみた潜入ルポだ。
取材日の生徒数は16名。若い人、自称若い人、昔若い人など年齢はさまざまだが、もちろん全員が女性だ。
会場内は男子禁制のため、入口でボーイフレンドや配偶者と「しばしの別れの抱擁」をかわしている生徒もいれば、友人どうしでわいわい登校(?)してくるグループもいる。
この日の講師は、化粧担当のメイクアップ・アーティストと、この会場で毎晩10時に開演しているショー「X BURLESQUE」の人気ダンサー Smithy さん (写真の中央)。カナダ出身の彼女はこのショーに出演して2年になるそうだ。
はじめに「XBU Student Agreement」と題する契約書(写真)にサインをさせられる。
その内容は「このクラスに参加している間に、もしケガや何か事故が発生しても、それは生徒の自己責任なので訴えたりしません」といったもので、これは契約社会アメリカにおける儀式と考えればよく、この受講が特に危険という意味ではない。
ということで、この契約書をあまり真剣に考える必要はないが、重要なことがひとつ。
それは署名欄とは別に用意されている「Print Name」という欄に自分の名前を記入する際、読み取りやすいきれいなローマ字で書くこと。
なぜなら受講後に受け取る卒業証書に記載される名前は、この契約書から写されるからだ。
契約書への署名が終わると、いよいよ講義の開始。
まずは、つけまつ毛と口紅が配られ、つけまつ毛から始めることになる。
「つけまつ毛は目尻から目頭にむけて付けていくとやりやすい」、「つまようじを使うと便利」などいろいろ秘訣を教えてくれる。
もし自分で装着できなくても講師がアシストしてくれるので心配無用だ。講師の言葉はもちろん英語だが、日本で「目ぢからアイメイク」が流行しているためか、日本人のほうが取り扱いに慣れているようで、アシストを必要とするのはむしろアメリカ人のほうかもしれない。
つけまつ毛が終了したら口紅を唇と頬にも付け、唇の上にラメをのせてメイクは終了となる。
なおこの授業では、ファンデーションやアイシャドーなどは使わないので、それらが必要であれば、あらかじめ自分で化粧をしておくとよいだろう。
特に次のステップで写真撮影があるので、この段階で自分の化粧品を使って完璧に仕上げておくようにしたい。
写真撮影では、X Burlesque University と印刷された記念写真を一人につき一枚撮ってくれる。
単独で撮影しても、友人と一緒に撮影してもかまわない。
たとえば、友人と2名で撮影する場合は、2回(2枚)撮影してもらい、出来上がった写真を二人で1枚ずつ分けることも可能だ。
せっかくなので、おもいっきりセクシーなポーズで決めるようにしたい。
なお、撮影してくれる写真はひとり1枚だけだが、自分のカメラを使っての撮影は自由にできる。
撮影が終わったら、次は簡単な振付の練習だ。
飛んだり跳ねたり、体力を必要とするようなダンスは特に無い。また、ポールダンスはむずかしすぎるためか、残念ながらこの講義に含まれていない。
ここで習うのは、足を斜め前に出して歩く気取った感じのステップや、腰を怪しげにくねらせるしぐさ、さらにピンクの羽毛を肩からさりげなくはずしたり、それを再び肩にセクシーに巻きつけたりする動作など。
ちなみに、「ダンスをするときに一番大切なことは何でしょう?」との問に対する答えは、「常に自信をもってステップを踏むこと」だそうだ。
短い振り付けを覚えたら、毎晩バーレスクショーが行われている本物のステージを使い、音楽に合わせてショーガールになった気分で踊ってみることになるが(写真)、なかなか Smithy さんのようにセクシーには踊れない。
それでも今までに気付かなかった自分を引き出すことができれば、受講の甲斐があったというもの。
最後に卒業証書を受け取り、XBU の卒業生となる。あとは、全員が友達になった気分で写真を撮り合う楽しいひとときだ。
会場のバグジーキャバレーの場所は、フラミンゴホテルのカジノフロアのほぼ中央。
講義は午後3時から約75分間。日程は流動的のようだが、現時点では木、金、土の週3日のみ開校。
チケットは $34.95 + TAX で、同ホテルのフロントロビー近くにあるボックスオフィスにて購入可能。