解体されたホテルの跡地では瓦礫の撤去作業
2024年10月9日の深夜に爆破解体されたカジノホテル「トロピカーナ」の跡地では、新たな野球場の建設にむけて瓦礫(がれき)の撤去作業がおこなわれています。
爆破解体後、夜が明けて目にした瓦礫はヤシオリ作戦で倒れたシン・ゴジラのような姿。瓦礫は途方もない量でした。
約1ヶ月が経過した 11月5日時点でも大きな瓦礫が残っているのが確認できましたが、11月10日には一番大きな瓦礫の山はフェンス越しでは見えない量にまで減っています。作業が早い!
瓦礫の撤去を完了したあと、整地をおこない、2025年第2四半期に、本拠地をカリフォルニア州オークランドからネバダ州ラスベガスに移転する予定のメジャーリーグ野球(MLB)”アスレチックス” のための新球場の建設が始まります。2028年のシーズンが始まるまでに完成する予定。
球場と同時にホテルも建てるようで、トロピカーナを運営していた Bally’s Corporation によると、球場のまわりに3棟3000室のカジノホテルをつくるとのこと。ただし最初はそのうちの一部だけを建設すると話しています。
ちなみに爆破解体の場面の動画をご覧になりたい方は こちら。
解体跡地の周辺は歩行者通行禁止
工事にともない建設予定地周辺は歩行者が通れないようになっています。
ラスベガス大通りに面したトロピカーナホテルの跡地側、およびトロピカーナ通りの Ocean Drive より西の跡地側は歩道が閉鎖されています。
なお Ocean Drive の MGMグランド ~ トロピカーナホテル跡の横断歩道は利用可能ですが、MGMグランド ~ トロピカーナホテル跡、およびエクスカリバーホテル ~ トロピカーナホテル跡の歩道橋は利用できません。
(※ Ocean Drive は以前トロピカーナホテルへの入口があった道路)
野球場のサイズ、最大から最小へ
ラスベガスに新たにつくられる野球場は 3万3000人収容。現在 MLB で最も小さなクリーブランド・ガーディアンズのスタジアムより 1800人も少なく、MLBで最小の球場になる予定です。
今シーズンまでオークランドでアスレチックスがホーム球場としていた「オークランド・コロシアム」は収容人数 5万6700人で、MLBの球場としては最大でした。
しかし、ここ10年間のアスレチックスの1試合あたりの平均観客数は多い年で2万人。そのことを考えると新球場くらいの大きさでちょうどよいのかもしれません。
ラスベガスに移転することで人気が爆発し、チケット完売が続くという事態になればよいのですが。
参考までに、アメリカン・リーグ西地区に所属する今シーズンのオークランド・アスレチックスの成績は、大谷選手が昨年まで所属していたエンゼルスが最下位で、その次に悪い下から2番目という残念な結果に終わりました。ラスベガスの住民としては、2028年に当地にやって来るまでに強いチームになっていてほしいものです。
オークランドは全米屈指の危険な街
これは余談になりますが、サンフランシスコに隣接しているカリフォルニア州オークランドでは長年にわたって犯罪が絶えず、非常に危険な街として知られています。
ウィキペディアに「Crime in Oakland, California」(カリフォルニア州オークランドの犯罪)という項目があリ、その中には「the most dangerous large cities in the United States」(アメリカで最も危険な大都市)との記載があるほどですので、アスレチックスとしてはオークランドを出てラスベガスに移転することは正しい選択だったと言えるのかもしれません。
移転の準備が着々とすすむ
2028年からラスベガスに移籍予定のアスレチックス球団は、このたび終わったばかりの2024年シーズンを最後に、早くもオークランドに別れを告げており、来シーズン 2025年からの3年間はカリフォルニア州サクラメントの Sutter Health Park が仮のホーム球場となる予定です。
同球場はサンフランシスコ・ジャイアンツ傘下の3Aチーム “サクラメント・リバー・キャッツ” がホームとしているため、2チームで共有することになります。
その引っ越しにともない、球団名から “オークランド” がはずれ “アスレチックス” が正式名称になり、次に球団名に都市名が付くのはラスベガスに移転後で、”ラスベガス・アスレチックス” というチーム名になる予定。
ちなみにラスベガスにはアスレチックス傘下の3Aチーム “アビエイターズ” がホームチームとして存在していますので、ラスベガスに新スタジアムが完成するまでアビエーターズの球場を共有するという計画がありましたが、なぜか実現しませんでした。
この理由について球団側は明言していません。複雑な事情がからんでいそうです。
元ミラージュホテルでも工事が
8月のこのコーナーでもミラージュを取り上げましたが、そのときの記事から変わった点は下記のとおり。
外から見ただけでは違いはほとんどわかりませんが、火山ショーの山の解体が終わり、ラグーン(火山ショーをおこなっていた池)も埋め立てられました。
ドーム状の屋根はそのままですが、カジノに彩りをそえていた熱帯の植物はもはや存在していません。
ラスべガス大通りにかかっていた “Mirage” のアーチ型サインのうち南側にあったものは取り除かれ、8月中旬にネオンミュージアムに運ばれました。
11月21日から23日まで開催されるカーレースの F1グランプリに備え、すでに工事用フェンスが Hard Rock のサインで覆われています。
お知らせ:
今週の記事はここまでですが、このたびラスべガス大全は、当地の人気サイト びばラスべガス との提携を始めました。びばラスベガスでは最新のショート・ニュースなどをひんぱんに公開しておりますので、ぜひそちらもご覧ください。ちなみに今週のこの週刊ラスべガスニュースも びばラスベガスとのコラボ記事 です。さらなる新企画が ラスべガス大全フォーラム に掲載されています!