今週は、恒例となった感のあるチャイニーズ・ニューイヤーの話題。
大晦日のカウントダウン花火大会で年が明けてから早くも1ヶ月が過ぎた今、当地ラスベガスにはもう1回新年がやって来る。チャイニーズ・ニューイヤーこと、旧暦の正月「春節」だ。
二十四節気のひとつ「雨水」の直前の新月の日のことで、今年は中国の日付で 2月10日がその元日に当たる。
(ただし西経115度のラスベガスにおける天文学上の新月は当地時間の1月9日の15時20分ごろ)
春節を祝う文化圏ではこの時期に一週間程度の休暇を取ることが多く、またチャイニーズ系の人たちはギャンブル好きということもあり、中国、香港、台湾などから大挙してラスベガスにやって来る。言うまでもなく在米チャイニーズも例外ではない。
当然のことながら各カジノにとってこの時期は重要なかき入れ時で、チャイニーズ系のハイローラー(高額の賭け金でプレーするギャンブラー)を顧客に持つ高級カジノホテルは彼らの受け入れに余念がなく、ロビーなどを赤やゴールドといった春節カラーやその年の干支など縁起物で派手に飾る。今年の干支はもちろん辰(竜または龍)だ。
と、ここまで書いてきたが、すでにコロナ騒動が完全に終わっているにも関わらず(コロナ感染が世の中から完全に消えたわけではないが、観光客の数という意味ではコロナ前かそれ以上の数に戻っている)、春節に関する街の中の様子はコロナ前とはかなり様相が異なっている。
ハッキリ言って各カジノホテルの気合の入れ方が以前ほどではなく、総じておとなしいという印象だ。以前なら派手な縁起物で飾られていた正面玄関やフロントロビーなどにそれがなかったりする。肌感覚としては半分くらいに減ってしまった感じか。
なぜ減ってしまったのか。中国の景気後退による訪問者数の減少が原因なのか、それとも中国からの出国手続などがコロナ前のようには戻っていないためか、米中間のフライトの本数が減ったままなのか、理由はよくわからない。
そもそも台湾など他の地域からの訪問者や在米チャイニーズの存在も大きかったことを考えると中国本土だけに原因を求めるのは無理があるかもしれない。やはり各カジノホテルが費用対効果などを見直して経費節約に向かったのかもしれない。
はたまた今年のスーパーボウル(アメリカ中が盛り上がるアメフトの優勝決定戦)がベガスで開催されることになっており、その日が2月11日であることから各カジノホテルは旧正月どころではないのか。
いずれにせよ、そんな中でも今年も旧正月の装飾に力を入れているカジノが少なからず存在しており、かなり大掛かりな「竜」の姿なども散見できるのでその様子を写真で紹介してみたい。
写真は以上ここまで。コロナ前と比べると旧正月の装飾に力を入れているホテルがかなり減ってきていることはたしかで、その原因が何であるのかはハッキリしないが、繁華街を歩いている観光客の中にアジア系と思われる人の姿が以前よりも少ないように見受けられる(気のせいかもしれないが)。ラスベガスのカジノ業界から見たチャイニーズ系の顧客に対するマーケティング戦略などに何らかの変化が生じてきているのかもしれない。
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