今週は、たまたま先週ラスベガスの空港を利用する機会があり、その際に驚いたというか憤慨したことがあったのでそれを写真で紹介してみたい。
何に驚き憤慨したのか? それは空港名が昔の名前のままで放置されていたことだ。それも来訪者が空港に到着した直後に最初に目にする歓迎の看板などが旧名のままというからあきれて物が言えない。
ラスベガスの空港名は長らく「マッカラン国際空港」(McCarran International Airport)だった。
この名前になったのは1968年なので、半世紀以上もこの名前が定着していたことになる。ちなみにマッカランは政治家の名前だ。
ところがこの名前はよろしくないということで 2021年末に「ハリー・リード国際空港」(Harry Reid International Airport)に変わった。こちらも政治家の名前だ。(マッカランがよろしくない理由は以下に示す別ベージにて説明)
政治家の名前ということは当然のことながらその政治家を支持する者とそうでない者との間で改名に対して意見が分かれたりするのが世の常で、今回の改名に対しても大いにもめた。
マッカランがよろしくないということに対しては大きな異議はなかったが、存命中の政治家ということもあり(現在は故人)ハリー・リードに関して反対論が少なからずあったことは言うまでもない。
観光業界がこの街の経済を支える重要産業であることを考えると、わかりにくい空港名はマイナス要因になることはあってもプラス要因にはならず、改名するのであればシンプルに「ラスベガス国際空港」(Las Vegas International Airport)にすべきという意見が多かったようで、実際に「政治家の名前を使うのはもうやめよう。ラスベガス国際空港にしよう」との署名運動も起こり、31,000人以上の署名が集まったりもした。ちなみに当サイトもそれに署名している。
しかしそんな署名運動もむなしく、リード氏の熱狂的な支持者らの活動により「ハリー・リード国際空港」に改名することが決まってしまった。
当然のことながら改名には空港内の各種表示や看板などはもちろんのこと高速道路などの標識も変更する必要があるわけだが、支持者らは「改名に伴う費用は我々からの寄付でまかなうので税金は使わない」と宣言。
1年半ほどが経過した今はどうか。2021年末の改名後、1年ほど高速道路などの標識が放置されたままだったので支持者らの無責任ぶりが表面化したりもしたが、つい数ヶ月前にやっと標識の変更作業がほぼ完了。
そんな状況でこのたび空港を利用する機会があったので、てっきり空港内の表示なども付け替えられているものと思いきや、現実はさにあらず。
冒頭でも触れたとおり、当地を訪れた観光客などが飛行機を降りて最初に目にする歓迎の看板などが従来のマッカランのままで放置されているではないか。(それを確認したのは先週のことなので現在どうなっているかはわからないが、たぶん今もそのままと思われる)
「ハリー・リード国際空港」への改名にはまったく賛同できないが、改名を決めたからにはやるべきことはさっさとやってもらわなくては困る。
というわけでハリー・リード氏の支持者らへの憤慨の気持ちを込めて現状の様子を以下に写真で紹介して今週の記事を終わりとしたい。
なお、マッカランの名前ではなぜまずかったのか、ハリー・リード氏はどのような人物だったのか、政治家の名称が付いているアメリカの空港はどこか、シンプルで好ましい名前の空港はどこか、世界各地の空港名の現状はどうなっているのか、などについては当サイトの 2021年12月15日号 に掲載してあるのでそちらを参考にされたし。
コメント(1件)
コロナ渦の影響もあって、年に3,4回訪問していたラスベガス、アメリカもまったく行っていないため、あの空港のイメージはいまだにマッカランかラスベガス国際空港という感じです。アメリカらしいことですね。全部無くなるとさみしいような気もします。それにしてもゴミ箱までチェックされるとは、さすが大全さん。