ラスベガスの目抜き通りといえば巨大カジノホテルが軒を並べる Las Vegas Boulevard。通称 THE STRIP。
　ちなみに STRIP とは細長い帯状の物、もしくは帯状の土地などを意味しており、ネオンの明かりがきらめく南北に長いストリップ大通りを空から見ると、まさに帯状になっていることからこのように呼ばれるようになったのだとか。当然のことながら「ストリップ劇場」のストリップとはなんら関係ない。
　なお日本の旅行ガイドブックなどでは「ラスベガス大通り」と称されることもあるようだが、ここでは「ストリップ大通り」と表記することとする。

　意味や表記のことはともかく、このストリップ大通りがとにかくすごいのである。何がすごいのか。それは規模、具体的には車線の数だ。
　ニューヨークの五番街、パリのシャンゼリゼ通り、香港のネイザンロード、シンガポールのオーチャードロードなど世界に冠たる大通りはたくさんあるが、それらは知名度ではまさっていても車線の数ではストリップ大通りに及ばない。

MGMグランドホテル前の交差点。ここは片側８車線。

　ストリップ大通りでは片側５車線、６車線は当たり前で、交差点付近では右左折レーンなども加わり７車線、８車線という場所もあったりする。
　共産国家のモニュメント的なエリアや工業地帯の産業道路などならいざ知らず、繁華街の目抜き通りで片側８車線というのはかなり珍しいのではないか。

　ちなみにストリップ大通りとそれを横切るトロピカーナ通りの交差点は、ストリップの北側からそこに進入してくる南行きが８車線、その逆方向からの北行きが７車線、トロピカーナの西行きからの進入が７車線、東行きが７車線、合計２９車線が平面でクロスする（立体交差ではない）巨大交差点として名高い。
（いや実際には名高くはない。本誌がこの記事で名高くして当地の観光スポットの一つに加えたいだけ！）

　近年ほどは動画情報が一般的ではなかった10年ほど前、読者から「ストリップ大通りはすごく広いらしいが、歩行者が簡単に横断できるのか心配」といった質問を受けたことを思い出す。たしかに当時としてはごもっともな心配だろう。
　今なら動画情報を探せば車線の数も歩道橋の存在も簡単に確認できるわけだが、それでもこれから初めてラスベガスを訪問する旅行者にとって、ストリップ大通りの実際の状況はつかみ切れていないのが現実ではないか。
　というわけで改めてストリップ大通りの車線や交通量を動画に収めてみたので、歩行者として横断する際やレンタカーでの走行など、何らかの参考にして頂ければ幸いだ。

　以下、最初の動画が名高くなるかもしれない２９車線がクロスする交差点の様子。信号がどのように切り替わり、４方向からどのように車両が交差点を通過していくかにも注目。そのあとの動画はおまけ。

　その巨大交差点をエクスカリバーホテル方向から見るとこんな感じ。交差するトロピカーナ通りもストリップに負けず劣らず大きな道路であることがわかる。

　世界に冠たる目抜き通りザ・ストリップといえども、いつも渋滞しているわけではない。やはりラスベガスは夜の街。せっかくの８車線も曜日に関係なく午前中はガラガラなことが多い。

　ベラージオホテルの前はストリップ大通りの中でも最も渋滞しやすい地点。３車線が同時に左折して同ホテルへ進入できるようになっているところに注目。

　８車線の交差点で信号待ちする先頭から３台目までの車両はベガスではよく見かける宣伝カー。

「フォーコーナーズ」と呼ばれる交差点はラスベガスの繁華街のど真ん中。左右に走っているのがストリップ大通り。明るい時間帯のためか、まだスムーズに流れている。

　車線が多いのはストリップ大通りだけじゃない。交差する道（サンズアベニュー）も負けてはいない。しっかり片側７車線を確保。途中で画面を横切る宣伝カーにも注目。

　夕刻の時間帯にも関わらず、この日はなぜかすいていたミラージュホテルとベネチアンホテル前の７車線。

　歩道橋の奥に白く見えるものは、かの有名なベラージオホテルの噴水ショー（この動画では約２分）。噴水がどこまで高く上がるかに注目。