マスク着用などのコロナ規制が全面解除、かつてのベガスが完全復活!

リゾーツワールドの壁面に描き出された「マスク不要」を告知する巨大メッセージ。

リゾーツワールドの壁面に描き出された「マスク不要」を告知する巨大メッセージ。

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 アメリカで新型コロナが本格的に騒がれ始めたのが 2020年の2月。そしてラスベガスのすべてのカジノホテルが閉鎖され街中が静まり返ってしまったのが翌月の同年3月
 あれからほぼ2年。このたび 2月10日に発表されたネバダ州知事の宣言により、ラスベガスにおけるコロナ規制が全面的に解除された。
 その結果、カジノホテルやナイトショーなどでのマスク着用の義務がなくなり、長かったコロナ騒動がついに終焉を迎え、ほぼコロナ前のラスベガスに戻ったことになる。

 とはいえ、日々の新規感染者数がゼロになったというわけではない。人口約300万人のネバダ州において、まだ千人前後の新規感染者が毎日カウントされているばかりか、無症状のため検査を受けていない潜在的な感染者も相当数いるといわれている。
 さらに症状があっても多くの軽症者は医療機関には行かずに自宅療養が推奨されているためカウントされていない感染者も少なくないだろうというのが専門家の一致した意見だ。

リゾーツワールドの壁面に描き出された「マスク不要」を告知する巨大メッセージ。

リゾーツワールドの壁面に描き出された「マスク不要」を告知する巨大メッセージ。

 それでもコロナ規制が全面的に解除された。その背景には経済の停滞からの早期の脱却などさまざまな事情があったと推測されるが、一番大きな解除理由は2年も続けられてきたコロナ規制に多くの人たちが疲弊し、重症化しにくいとされるオミクロン型を一般的なインフルエンザなどと同等に扱うことに一般市民の同意が得られやすい環境になってきたからと思われる。
 もちろん悲観的な市民のみならず医学の専門家なども含めて早期の規制解除には慎重論も少なくないようだが、すでにネバダ州以外の多くの州でもコロナ規制の全面解除に踏み切っていることを考えると、それが現在の一般的なアメリカ市民の総意と考えてよいだろう。
(補足: 医療施設、レストラン、一般の商店などが独自の方針で利用者にマスク着用を求めることは引き続き可能なため、着用を求められる場所がまったくなくなったわけではない。また空港や航空機内は州ではなく国の管轄で、現時点での情報によると 3月18日までマスク着用が義務付けられている)

 したがって今後よほど大きな変化、たとえば新たな変異株の出現で重症者が急増するといった状況悪化などがない限り、このまま全国的にコロナ前の社会に戻る可能性が高いと思われる。
 この楽観的ともいえるアメリカの規制解除の動きに関しては、日本も参考にすべき部分が多いのではないか。日本ではかなり厳しい規制が継続されているにもかかわらず感染拡大を封じ込めていない現実を直視するならば、「ゼロコロナ」を目指すよりもいわゆる「ウィズコロナ」で社会や経済を平常に近い形で回すほうが得策のようにも思える。が、重症者や家族を亡くした人たちから反論がありそうなので、これ以上の議論は差し控えたい。

マスク着用を求める告知板。2月11日から撤去され今は存在していない。

マスク着用を求める告知板。2月11日に撤去され今は存在していない。

 さて全面解除になって約1週間が経過した今、実際のラスベガスの現場の状況はどのように変わったのかというと、具体的な変化がハッキリ見て取れる。
 まずは各カジノホテルの入口などに設置されていた「マスク着用」を求める告知板(写真上)が撤去され、それが最大の変化といってよいが、実際にマスク着用者の数も激変しているから今回の規制解除の影響は絶大だ。
 正確に数えたわけではないが、肌感覚としてカジノホテルの館内でマスクを着用している者は3割にも満たないのではないか。つまり大半の者は未着用。
 さらに驚くべきことに、不特定多数の者に接することになるカジノディーラーやホテルのさまざまな部署のスタッフの中でも着用していない者がかなり散見される。「ワクチン接種を3回済ませているからオレは感染なんてしない!」と思っているのかもしれないが、それが医学的に正しいのかどうかの議論は別にして、おろかな行動なのか勇気ある行動なのか意見が分かれそうだ。
 ホテルの外、つまり繁華街を歩いている通行人に至っては着用者はたぶん2割以下だろう。

PARK MGM ホテルの前。マスク着用者は少ない。(2022年2月11日)

PARK MGM ホテルの前。マスク着用者は少ない。(2022年2月11日)

 もはやここまで着用者が減ると、コロナ前のアメリカ社会におけるマスクに対するイメージ、つまり「マスクは病人がするもの」といった概念が復活しかねず、結果として「健常者の着用はカッコ悪い」と思われる社会に戻るような気がしないでもないが、マスク着用の自由が脅かされるような風潮は好ましいことではないだろう。
 今後着用率はさらに下がり続けるのか、そして未着用社会で感染再拡大を防ぐことができるのかどうか、そのへんの状況の変化は興味深い部分で慎重に見守る必要がありそうだが、とりあえずコロナ規制が全面的に解除されかつてのベガスが完全復活したことをお伝えして今週のレポートを終わりとしたい。

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コメント(2件)

  1. トラ より:

    いつもお世話になっております。
    今回はいつもより短めなラスベガスニュースでしたが、大変楽しく拝読させていただきました。
    他の読者の方々もそうだと思いますが、毎週タイムリーなラスベガス情報を
    伝えていただけるおかげで、日本にいながら次回のラスベガス旅行を細かに計画することができます。
    今後とも、自分を始め多くのラスベガスファンのためにも、宜しくお願いいたします。

    • ラスベガス大全 より:

      トラ様
      ラスベガス大全をご閲覧いただき誠にありがとうございます。
      また激励のメッセージも感謝にたえません。
      簡単ではございますが、取り急ぎお礼まで。

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