ラスベガスの空港名が本日から変更、なんと存命中の政治家の名前に

※リード氏は2021年12月28日に死去されました

今日から「ハリー・リード国際空港」に名称変更されたラスベガスの空港の第3ターミナル出発ロビー。

今日から「ハリー・リード国際空港」に名称変更されたラスベガスの空港の第3ターミナル出発ロビー。

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 本日 2021年12月14日、ラスベガス最大の空港の名称が変更になった。(ただし国際機関 IATA が定める空港コードは LAS のままで変更はない)
 今までの名称は「マッカラン国際空港」(McCarran International Airport)。そして本日からの新名称は「ハリー・リード国際空港」(Harry Reid International Airport)。

厳しい警備体制の中で改名セレモニー

 反対意見も多く何かと議論が尽きない今回の名称変更だったが(ちなみに当サイトでは改名に反対。改名するなら「ラスベガス国際空港」が良いと考えていた)、非常に厳しい警備体制の中、本日午前11時から改名セレモニーが同空港内の第3ターミナルで行われ、特にトラブルもなく約40分ほどで無事に終了した。
 意外な場所でのセレモニーだったが、その内容に関してはこのあとの項目でふれるとして、改名されることになった理由、そして新名称に対する問題などを他の都市の空港の命名例と比較しながら以下にレポートしてみたい。(当サイトの過去記事と一部重複する部分あり)

これまでの名称のマッカランについて

 昨日まで半世紀以上に渡って使われてきた名称「マッカラン」、そして今回の新名称「ハリー・リード」、どちらも政治家の名前だ。
 マッカラン氏は地元ネバダ州選出の元上院議員(民主党)で政治以外の分野でも広く活躍。地元に多大なる貢献をした人物として評価されてきた。
 議員として活躍していたのは100年ほど前というから第二次世界大戦前のかなり古い政治家ということになる。
 他界したのは1954年で、空港名に採用されたのは没後14年が経過した1968年。

空港の敷地の南東端。見えていないが奥は滑走路。まだ McCarran のままになってる。(12月14日に撮影)

空港の敷地の南東端。見えていないが奥は滑走路。まだ McCarran のままになってる。(12月14日に撮影)

新たな名称のハリー・リードについて

 ハリー・リード氏はネバダ州議員、ネバダ州副知事、アメリカ合衆国下院議員、上院議員、そして民主党のトップの地位とされる院内総務を歴任した政治家。
 ネバダ州ラスベガスから車で南に1時間ほどのサーチライトと呼ばれる非常に小さな村の貧しい家庭に生まれ、そこから民主党のトップにまで上りつめた立身出世を絵に書いたような人物として名高い。
 今回の名称変更において注目すべき点はその経歴よりも 1939年生まれの82歳で現在も存命ということ。2017年に院内総務を退任してからまだ数年しか経過していない。
 空港の名称に存命の政治家の名前が採用されることは非常に珍しい。が、まったくないわけではなく、このあとの空港リストに2例を掲載しておいた。

第3ターミナルのディスプレイ・モニターは早くも HARRY REID に切り替わっていた。

第3ターミナルのディスプレイ・モニターは早くも HARRY REID に切り替わっていた。

名称変更に至った理由

 長年親しまれてきた「マッカラン」という名称をなにゆえ変更しなければならなかったのか。その理由はなんとも今の時代らしい。
 元総理大臣の森喜朗氏が東京オリンピック直前に「女性がたくさんいる会議は時間がかかる」との発言で世界中から叩かれたことは記憶に新しいが、最近は性差別、人種差別、いじめ、人権などに対する問題意識が年々高まってきており、ちょっとした発言が問題になりやすい。特にアメリカでは人種差別に関しては異常なほど敏感だ。
 そんな中、数年前にアメリカで起こった警察による黒人に対する暴行事件などをきっかけに、「マッカラン氏はユダヤ人を排除するなど人種差別主義者だった」との史実が問題視され始め、改名論が一気に加速。
 そういった流れに対しては異論を挟みにくい風潮にあるためか、改名に対する反対意見はほとんど聞かれず、いつの間にか改名が地元民の総意であるかのようになってしまった。
 もちろん「遠い昔の人物の発言や行動を問題視するのはいかがなものか」といった意見もあったが、人種差別反対という大義のもとでは大きな声になることはなかった。

100年も前のことを指摘されても…

 100年も前の社会が今とは価値観も習慣も常識も大きく異なっていたことは想像に難くない。
 当時の権力者はめかけを何人も持ち、異人種の家政婦を雇うのも当たり前だったと聞く。さらに人種差別的な発言も容認されやすい時代であったことを考えるとマッカラン氏に限らず、遠い昔の発言や行動を指摘され始めたら過去の偉人たちはほとんどがアウトになってしまうのではないか。
 マッカラン氏も墓場の向こうで「100年も前のことを今さら指摘されても…」と嘆いているかもしれない。
 前述の森氏の女性差別発言は今の時代の価値観からすると批難されても仕方がないとしても、100年前のマッカラン氏は少々気の毒に思う。が、それを気の毒と言ってしまうとまた叩かれるのが今の時代。

過去の偉人たちの問題行動

 めかけと言えば、ジョン・F・ケネディ元大統領の浮気グセは有名で、あのマリリンモンローとの不倫は多くの人が知るところ。
 それでもニューヨークの空港の名称になっているから立派としか言いようがない。昔のおおらかだった時代のことは大目に見るということか。それともそのうちマッカラン氏のように名前を取り下げらてしまうのか。
 大統領の名前が出たついでに言うならば、クリントン元大統領のホワイトハウス内での部下との性行為スキャンダルも記憶に新しいが、その種の女性スキャンダルのようなことはなにもアメリカに限ったことではない。
 遠い昔の話になるが、日本も負けてはいない。初代内閣総理大臣の伊藤博文は明治天皇から「少し女遊びを控えてはどうか」と注意されたほどの女好きだったというから豪快だ。
 さらに時代をさかのぼれば、江戸城などの大奥には数え切れないほどの女性が将軍につくしていたとされている。
 どんな時代にもそれぞれ異なる価値観や常識があったはずで、その当時の出来事を今の価値観で評価するのはどうかと思う。将軍のようなヒーローも政治家もすべて悪人になってしまいかねない。

存命の人物で問題はないのか

 話は横道にそれてしまったが、人種差別主義者だったとされるマッカラン氏の名前を取り下げるのは今の時代感覚ではやむを得ないとしても、新名称を「ハリー・リード国際空港」にするのはいかがなものか。実際に改名された今日になっても議論は尽きていないようで、地元メディアではさまざまな意見がまだ飛び交っている。
 たしかにリード氏は院内総務までを歴任し地元にも大いに貢献した偉大な政治家ではあるが、引退してからまだ数年しか経過していない存命の人物。ということは空港名に採用されたあとスキャンダルを起こさないとも限らず(日本でも暴走事故、汚職、脱税など高齢者の不祥事やスキャンダルはあとをたたない)、もしそうなった場合、再度名称変更の必要に迫られてしまう。
 どう考えても存命の人物の名前を使用することは避けたほうが無難で、習慣的にも違和感を禁じえない。

没後であれば珍しいことではない

 没後であれば政治家の名前が付いた空港は珍しいことではない。日本では和や集団を大切にし特定の人物だけを美化することを嫌う傾向にあるのか、あまりなじまないようだが、アメリカを含む諸外国では政治家の名前が公共施設の名称に採用されることはよくある話で、前述のニューヨークのジョン・F・ケネディ空港、パリのシャルルドゴール空港などはその代表例だ。
 また図書館や学校の校舎などの施設、さらには道路名などに著名人や寄付した者の名前が付くことはいくらでもあり、そういった形で地元のヒーローをたたえたい地元民の気持ちもよくわかる。
 ただ、空港のような世界中の人が利用する施設の命名は慎重になったほうがよい。わかりやすさが非常に重要になってくるからだ。

わかりやすさを優先すべき

 そもそもマッカラン空港の時代からも、そして今回の新名称でも、「空港名から都市名を推測できないのは問題」といった議論は根強く存在していた。つまり 「マッカラン国際空港」も「ハリー・リード国際空港」もそれだけでは旅慣れた人以外にとってはどこの空港なのかわかりにくい。
 観光業界がこの街の経済を支える重要産業であることを考えると、わかりにくい空港名はマイナス要因になることはあってもプラス要因にはならない。
 だとするならば改名はシンプルに「ラスベガス国際空港」(Las Vegas International Airport)が自然な流れであり、実際にオンラインによる「政治家の名前を使うのはもうやめよう。ラスベガス国際空港にすべき」との署名運動も起こった。そして 31,000人以上の署名が集まったが、そういった声もむなしく今回の改名に至ってしまった。

改名費用に税金は使わない

 なぜ 「ラスベガス国際空港」 ではなく 「ハリー・リード国際空港」になってしまったのか。それはもちろん熱狂的な支持者がいたからに他ならない。
 改名には空港内の各種表示や看板などはもちろんのこと高速道路などの標識も変更する必要があるわけだが、彼らは「改名に伴う費用は我々からの寄付でまかなうので税金を使うつもりはない」としており、熱意は半端ではないようだ。

まだ McCarran Airport のままになっている高速道路の標識。

まだ McCarran Airport のままになっている高速道路の標識。

 その熱意自体は批判されるべきではないだろうが、はたして今回の改名を喜んでいるラスベガス市民はどれほどいるのか。
 各種選挙における投票結果を見ている限りラスベガス市民の民主党と共和党の支持者数はほぼ半々。民主党支持者の中でも 「ハリー・リード国際空港よりもわかりやすいラスベガス国際空港にすべきだった」と思っている者が相当数いると考えると、喜んでいるのは半数を大きく下回るのではないか。

政治家の空港名は時代遅れ

 決まってしまったことを今さら騒いでも何も変わらないが、仮に半数以上の市民が納得していたとしても、もはやラスベガスに限らず政治家の名前を空港名にすることはやめたほうがよい。必ず反対派、つまりアンチがいるからだ。
 マッカラン氏やリード氏よりもはるかに有名な大統領経験者の名前を冠したワシントンDCの「ロナルド・レーガン・ワシントン・ナショナル空港」や、ヒューストンの「ジョージ・ブッシュ・インターコンチネンタル空港」などでもアンチが少なくないという。
 たまたま本日マッカラン、いやハリー・リード国際空港で働く航空会社勤務の友人から聞いた話だが、黒人女性の搭乗客に「目的地はジョージ・ブッシュ空港でいいですね」と確認すると、「インターコンチネンタル空港です」としっかり訂正されたとのこと。
 ブッシュ元大統領が嫌いな者にとって、自分の街の空港をそんな名前で呼んでもらいたくないという気持ちはわからないでもない。
 いずれにせよ政治家の名前を付けることは支持者たちの自己満足にはなっても万人受けするものではないことは明らか。LGBTなど少数派の人たちにも配慮しなければならなくなった今の時代、不快に思う者が必ずいる政治家の名前を使った空港はもはや時代遅れといってよいだろう。

ユナイテッド航空のチェックインカウンター。頭上のモニターはすでに HARRY REID になっている。

ユナイテッド航空のチェックインカウンター。頭上のモニターはすでに HARRY REID になっている。

寂れた場所での改名セレモニー

 そんな時代遅れの名称変更をついにやってしまったわけだが、本日おこなわれた改名セレモニーの様子を簡単に報告しておきたい。
 実はセレモニー現場の数十メートルほど手前の場所までしか近寄ることが出来なかった。警備が非常に厳重で、テレビ局と新聞社以外は原則取材禁止だったからだ。したがって残念ながらセレモニー自体の写真はない。
 アンチ派などの行動を警戒してのことか、それとも要人が参列するので厳重警備は普通のことなのかよくわからないが、警察犬までもが出動するほどの警備には少々驚いた次第。

セレモニーはこの写真の一番奥に見えるエリアで行われた。右の2人はセキュリティースタッフ。

セレモニーはこの写真の一番奥に見えるエリアで行われた。右の2人はセキュリティースタッフ。

 場所も意外だった。空港内で最もラスベガスらしい場所、つまりカラフルな広告などが壁一面にあり多数のスロットマシンも並ぶ賑やかな第1ターミナルの到着ロビーを予想していたが、そのようなものとは無縁の第3ターミナルの最東端のだれも通ることのない寂れた一画だった。
 警備のしやすさという意味では納得の場所ではあったが、何ごとにおいても派手な演出が好きなラスベガスのセレモニーとしては拍子抜けの感は否めない。BGMなどの音楽も派手な照明などもないまま列席者のスピーチだけが淡々と進められ、短時間のうちにひっそりと終わってしまった。今回の改名が堂々と誇れるものでないことの現れか。
 主役のハリー・リード氏が出席しなかったのも意外で、代わりに長男のローリー・リード氏が代理出席していた。コロナ感染のリスクを避けるためとのことのようだが、高齢であるがゆえに健康状態が心配される。
 その他の出席者はネバダ州知事と空港関係者などほんの数人で、あとはメディア関係者ばかり。少し離れた位置だったのですべてのスピーチをはっきり聞き取れたわけではないが、ありきたりの祝辞がほとんどだった。
 そんななか気になったのは「名称変更には約700万ドル(約8億円)かかるが、10月の時点で集まっている寄付金は約400万ドル(4億5000万円)」という部分。はたして今後その不足分は順調に集まるのだろうか。 

世界各地の空港名の現状

 長々と書いてきたが、参考までにということで、記事を終わりにする前にアメリカや世界各地の空港名の現状を以下に書き出してみた。
 一番理想的なのは、日本のほとんどの空港やアメリカの空港の約半数で見られる都市名だけの単純明快な空港名だ。また、その国やその都市が誇る偉人や芸術家などの名前が付いた空港も親しみが持てるという意味で悪くはない。
 好ましくないのはやはり政治家の名前であることは言うまでもないが、最悪なのは2人の名前が付いてしまった長過ぎる空港名で、そこまでやるとなるともはや支持者たちの自己満足としか思えない。
 今回のハリー・リード国際空港も一部の支持者の自己満足のようにも思えてしまうが、以下のリストからラスベガス以外でも世界にはわかりにくい不便な名前の空港がたくさん存在していることを知って頂ければ幸いだ。

北米都市の政治家の名前が付いた空港

 以下は政治家もしくはそれに準じる人物の名前が付いた北米主要都市の空港。好ましい空港名とは言い難い。
 それにしてもアメリカやカナダは政治家の名前を付けるのがお好きなようだが、あとからもっと偉大な人物が現れた場合はどうするのか。「早いもの勝ち」ということで将来の偉人にはあきらめてもらうしかないのか。
 いや、マッカラン氏のように、すでに空港名になっている者の差別発言などが発覚して取り消される可能性もある。以下に記載した空港名となっている政治家たちの過去を今の倫理基準で調べれば、きっと問題発言や問題行動が続出するにちがいない。

◎ ニューヨーク
ジョン・F・ケネディ国際空港 (JFK)
John F. Kennedy International Airport
ジョン・F・ケネディ大統領が暗殺されたのは1963年11月22日。同年12月24日に空港名に採用。

◎ ボストン
ローガン国際空港 (BOS)
Logan International Airport
ボストン出身の軍人ジェネラル・エドワード・ローレンス・ローガン氏(1939年没)にちなんで 1943年に命名。

◎ ワシントンDC
ワシントン・ダレス国際空港 (IAD)
Washington Dulles International Airport
国務長官ジョン・フォスター・ダレス氏(1959年没)にちなんで 1962年に命名。

◎ ワシントンDC
ロナルド・レーガン・ワシントン・ナショナル空港 (DCA)
Ronald Reagan Washington National Airport
1998年にロナルド・レーガン大統領(2004年没)にちなんで命名。生前に命名された数少ない空港

◎ シカゴ
シカゴ・オヘア国際空港 (ORD)
Chicago O’Hare International Airport
第二次世界大戦時の優秀な軍人パイロットだったエドワード・ヘンリー・オヘア氏(1943年没)にちなんで 1949年に命名。短くて覚えやすいばかりか、あまりにも広く定着してしまっている空港名なので、今さら好ましくないと思っている者は少ないかも知れない。 

◎ アトランタ
ハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港 (ATL)
Hartsfield-Jackson Atlanta International Airport
アトランタ市長だったウィリアム・B・ハーツフィールド氏(1971年没)と、初の黒人市長となったメイナード・ジャクソン氏(2003年没)の2人にちなんでいる。1971年にウィリアム・B・ハーツフィールド・アトランタ国際空港に命名、その後 2003年にハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港に名称変更。どちらの名前も採用しないわけにはいかなくなり、長くなりすぎてしまった不便な名称の典型。

◎ ミルウォーキー
ミルウォーキー・ミッチェル国際空港 (MKE)
Milwaukee Mitchell International Airport
ウィリアム・ミッチェル将軍(1936年没)にちなんで 1941年に命名。

◎ ヒューストン
ジョージ・ブッシュ・インターコンチネンタル空港 (IAH)
George Bush Intercontinental Airport
ジョージ・H・W・ブッシュ大統領(2018年没)にちなんで1997年に命名。生前に命名された数少ない空港

◎ ホノルル
ダニエル・K・イノウエ国際空港 (HNL)
Daniel K.Inouye International Airport
ハワイ州出身の上院議員ダニエル・K・イノウエ氏(2012年没)にちなんで 2017年に命名。

◎ モントリオール
モントリオール・トルドー国際空港 (YUL)
Montreal-Trudeau International Airport
カナダの元首相のピエール・エリオット・トルドー氏(2000年没)にちなんで 2004年に命名。

◎ トロント
トロント・ピアソン国際空港 (YYZ)
Toronto Pearson International Airport
トロント出身のレスター・B・ピアソン元首相(1972年没)にちなんで 1984年に命名。

政治家ではない名前が付いた空港

 以下はアメリカ各地の政治家ではない人物の名前が付いた空港。政治家よりはアンチが少ないはずで、都市名がわかりにくいという問題点はあるものの、好意的に受け入られている可能性が高いと思われる。

◎ オレンジカウンティー (ロサンゼルス郊外)
ジョン・ウェイン空港 (SNA)
John Wayne Airport
1979年にオレンジ郡の住民だった俳優ジョン・ウェイン(1979年没)の死去を機会に 1979年に命名。

◎ ニューオーリンズ
ルイ・アームストロング・ニューオーリンズ国際空港 (MSY)
Louis Armstrong New Orleans International Airport。
ニューオーリンズ出身のジャズミュージシャン、ルイ・アームストロング氏(1971年没)の生誕100周年を記念し 2001年に命名。

◎ ニューアーク
ニューアーク・リバティー国際空港 (EWR)
Newark Liberty International Airport
2001年9月11日に発生した同時多発テロ事件の犠牲者を追悼する意味で「リバティー」の名称が付けられた。

◎ セントルイス
セントルイス・ランバート国際空港 (STL)
St.Louis Lambert International Airport
オリンピックメダリストであり飛行家でもあるアルバート・B・ランバート氏(1946年没)にちなんで 1971年に命名。

◎ フェニックス
フェニックス・スカイハーバー国際空港 (PHX)
Phoenix Sky Harbor International Airport
1928年にシーニック航空のオーナーがこの名前を付けたらしいが、詳しいことは不明。「ヨットハーバー」という言葉があることを考えると、なかなか面白いネーミング。

以下、番外編。

◎ ワルシャワ(ポーランド)
ワルシャワ・ショパン空港 (WAW)
Warsaw Chopin Airport
ポーランドが生んだ偉大なるピアニストにちなんで 2001年に命名。

◎ リバプール(イギリス)
リバプール・ジョン・レノン空港 (LPL)
Liverpool John Lennon Airport
ビートルズのジョンレノンにちなんで 2002年に命名。好き嫌いはあるだろうが、政治家とは異なりアンチは少ないと思われる。

◎ ローマ(イタリア)
レオナルド・ダ・ヴィンチ国際空港 (FCO)
Leonardo da Vinci International Airport
フィウミチーノ空港が正式名称でレオナルド・ダ・ヴィンチ国際空港は愛称だが広く認知されている。政治家とは異なり、この名称にはだれも異論はないだろう。

◎ ピサ(イタリア)
ガリレオ・ガリレイ空港 (PSA)
Galileo Galilei Airport
ピサ国際空港が正式名称でガリレオ・ガリレイ空港は愛称だが、広く認知されている。レオナルド・ダ・ヴィンチ同様、あまりにも偉大なこの科学者はイタリア人の誇りであり、この名称にはだれも異論はないはず。

◎ リオデジャネイロ(ブラジル)
アントニオ・カルロス・ジョビン国際空港 (GIG)
Antonio Carlos Jobim International Airport
ボサノバの世界的な名曲「イパネマの娘」の作曲者にちなみ 1999年に命名。行ったことはないが、空港内ではその名曲が流れているのだろうか。

◎ 鳥取県米子市
米子鬼太郎空港 (YGJ)
正式名称は美保飛行場。2010年から採用された愛称だが、すでにかなり定着している。

◎ 鳥取県鳥取市
鳥取砂丘コナン空港 (TTJ)
正式名称は鳥取空港。2015年から採用された愛称だが、すでに認知度は高い。

北米主要都市の地名だけの空港

 単純明快でどこの都市の空港かすぐにわかり非常に好ましい空港名。シアトルやミネアポリスのように近隣の2つの都市名が採用されている空港もあるが、わかりやすいことに変わりはなく悪い名称ではない。ラスベガスの空港もこのようにありたいものだが、今回の名称変更では残念な結果に。

◎ ロサンゼルス国際空港 (LAX)
Los Angeles International Airport

◎ サンフランシスコ国際空港 (SFO)
San Francisco International Airport

◎ デンバー国際空港 (DEN)
Denver International Airport

◎ シアトル・タコマ国際空港 (SEA)
Seattle-Tacoma International Airport

◎ ミネアポリス・セントポール国際空港 (MSP)
Minneapolis-Saint Paul International Airport

◎ フィラデルフィア国際空港 (PHL)
Philadelphia International Airport

◎ ボルチモア・ワシントン国際空港 (BWI)
Baltimore Washington International Airport

◎ ピッツバーグ国際空港 (PIT)
Pittsburgh International Airport

◎ マイアミ国際空港 (MIA)
Miami International Airport

◎ インディアナポリス国際空港 (IND)
Indianapolis International Airport

◎ タンパ国際空港 (TPA)
Tampa International Airport

◎ ソルトレイクシティ国際空港 (SLC)
(Salt Lake City International Airport

◎ ポートランド国際空港 (PDX)
Portland International Airport

◎ サンディエゴ国際空港 (SAN)
San Diego International Airport

◎ バンクーバー国際空港 (YVR)
Vancouver International Airport

◎ オーランド国際空港  (MCO)
Orlando International Airport

◎ メンフィス国際空港 (MEN)
Memphis International Airport

◎ ナッシュビル国際空港 (BNA)
Nashville International Airport

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コメント(4件)

  1. 早く行きたい より:

    一時的なチャーター便でなく、ラスベガスに日本からの直行便ができたら。名称は何にしてもらっても結構です!

  2. マサ より:

    ノーマン・ヨシオ・ミネタ国際空港=サンノゼ国際空港は?

  3. ミミコ より:

    ラスベガス国際空港に一票入れます。
    直行便にも一票。

  4. ひろかず より:

    フェニックス・スカイ・ハーバー国際空港は粋な名前だと思います

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