これまでこのコーナーで毎週のように「日本からのアメリカ旅行はまだ現実的ではない」と書いてきたが、意外にも年末年始にラスベガス旅行を計画している読者が少なくないようで、つい先日、「現在の各カジノにおけるコロナ対策を教えてほしい」という問い合わせがあった。
そこでストリップ地区にあるほぼすべての主要ホテルのカジノの現状を、広報部門などへの電話による問い合わせではなく、実際に現場に足を運んで調べてみた。
27ヶ所のカジノで3項目を調査
訪問したカジノホテルは北端に位置するストラット(旧ストラトスフィア)から南端のマンダレイベイまでの27ヶ所。調査日は2021年11月19日。調査した内容は以下の3項目。
1: 手の消毒やマスクに関する対策。
2: マシンゲームにおけるソーシャルディスタンス。
3: テーブルゲームにおけるアクリル板の有無。
ちなみにコロナに関する規制が厳しかった今年の6月ごろまでは、すべてのカジノがマスク着用は言うに及ばず、スロットマシンやビデオポーカーなどのマシンゲームはソーシャルディスタンスを確保するために1台おきに運用を停止(次の写真)、ルーレットやブラックジャックなどのテーブルゲームにおいては客とカジノディーラーの間はもちろんのこと、客同士も一人ひとりがアクリル板で仕切られた状態でプレーするようになっていた(2枚目の写真)。
ほとんどのカジノはコロナ対策なし
そんな状態だったカジノが今はどうなっているのか。結論から先に書くならば、マスクと手の消毒以外の対策はほとんどのカジノが何もしていない。つまりコロナ前の状態に戻っている。
具体的には以下のようになっており、3ヶ所のカジノのテーブルゲームを除き、どこのカジノにおいてもあまり大きな違いはないと考えてよいだろう。
手の消毒やマスクに関する対策
マスクと手の消毒に関しては問題意識が高いようで、どこのカジノでもそれなりの配慮がなされていた。
今回訪問したすべてのカジノにおいて入口や通路など目立つ場所に「マスク着用」を求める注意書きがあり(次の写真)、またほとんどのカジノがマスクを無料で提供。手の消毒も至るところで出来るようになっていた。
マスクの種類に関しては、日本でも広く普及している薄いブルーの不織布製のものがほとんど。
気になるマスクの着用状況については、ルールの告知が徹底されているためか、カジノ内ではほぼすべての人が着用。もちろん着用を忘れている者もたまにいるが、そのままテーブルゲームなどに着席すると現場のディーラーなどから着用を促されることになる。
マシン間のソーシャルディスタンス
前述の通り6月ごろまでは、スロットマシンやビデオポーカーなどマシンゲームでプレーする者同士の距離を保つために1台おきに電源を落とすなど使用できないようになっていたが、現在はすべてのカジノがコロナ前の平常時の状態に戻っている(次の写真)。
つまり、となりのプレーヤーとの間の距離は非常に短く、いわゆるソーシャルディスタンス(奨励距離は6フィート、約180cm以上)はまったく保たれていない。また例外を除き、マシンとマシンの間にアクリル板はない。
テーブルゲームにおけるアクリル板
6月ごろまでアクリル板の設置が当たり前だったルーレット、ブラックジャック、バカラなどのテーブルゲームにおいて、いまだにアクリル板を設置しているカジノはコスモポリタン、ベネチアン、パラッツオの3ホテルだけ。その他のホテルのカジノではすでにアクリル板をすべて撤去済み。
なお、その3ホテルにおいてもすべてのテーブルにアクリル板があるわけではなく、約半数のテーブルにはアクリル板がなかった。今後遅かれ早かれアクリル板はラスベガスから完全に消え去るものと思われる。
ワクチン接種証明のチェックは無し
ワクチン接種証明、いわゆるワクチン・パスポートに関してだが、カジノ施設内への入場においてそれの提示を求められることはなかった。
なお現在アメリカへの入国にはワクチン接種証明が不可欠なので、日本からの観光客はカジノ利用とは無関係にそれを取得しておく必要がある。
街の中でのマスク着用率
ついでなのでカジノ外でのマスク着用にもふれておくと、カジノなど室内空間ではマスク着用が求められているためか、ホテルやショッピングモールなどの出入口付近での着用率はかなり高い。
しかし繁華街などに目を移すと着用者は少数派で、いちいちカウントしたわけではないので正確な数字はわからないが、肌感覚では街中での着用率は2割程度といったところか。
新規感染者数は激減していない
とりあえず現時点における各カジノでのコロナ対策は以上のような状況だが、これを安全と見るか危険と見るか。
それは読者一人ひとりの個人の判断に委ねるとして、確実に言えることはアメリカ全体やラスベガスがあるネバダ州では日本のようには新規感染者数が激減していないということ。
やや減ってきているとはいえ、まだ楽観できるレベルではなく、人口約300万人のネバダ州の新規感染者数は7日間平均で毎日約600人前後で推移している。
年末年始の休暇まであと一ヶ月。日本でもアメリカでも感染状況が今度どのように変化するかまったくわからないが、もしラスベガス旅行を決行する場合は油断することなく安全対策を万全なものにして本場ラスベガスのカジノライフを楽しんで頂ければ幸いだ。
コメント(1件)
情報ありがとう
私も9月の延期から即
予約を8月にして
2022/1/25ラスベガスに行きます❗