2021年11月8日からアメリカに入国する際のルールが新しくなり、ワクチン接種済であることが入国の必要条件となった。例外を除きすべての国からの外国籍の入国者が対象となっているため、一般の日本人観光客も該当することになる。
これまで求められていた「搭乗前72時間以内の陰性証明」も引き続き必要なため、入国条件は厳しくなったといってよいだろう。
なお、時期をほぼ同じくして日本側の入国ルールも新しくなったようだが、それに関しては今回のこのページではふれないこととする。
ここの読者の中には年末年始にラスベガス旅行を計画しているマニアックなベガスファンも少なくないと思われるので、現時点で確認できている新ルールの注意点などを以下に書き出してみた。
(以下は18歳以上の一般の観光客などに対するルールであり、米国永住権や特殊なビザを保有している者は必ずしもこの限りではない)
出発国の空港(たとえば羽田や成田など)の各航空会社のチェックインカウンターにおいて以下のことが求められる。
◎ CDC(米国疾病予防管理センター)発行の新バージョンの誓約書への署名と提出。
◎ 搭乗前72時間以内の陰性証明の提示。
◎ ワクチン接種済証明の提示。
接種済証明として認められているワクチンの種類は以下の通りで、最後の接種日から14日以上が経過していなければならない。
Pfizer、Moderna、J&J、AstraZeneca、Covaxin、Covishield、BIBP/Sinopharm、Sinovac
チェックインの際に以上のことをすべて満たせない場合は、アメリカ到着時の入国審査で入国拒否されるというよりも、出発便に搭乗できないことになる。各航空会社はアメリカの政府機関ではないが、ルールに関しては非常に厳格だ。
というのも一般的なルールとして、入国できない者を搭乗させてアメリカ側で入国拒否された場合、航空会社の責任においてその者を日本に送還しなければならないばかりか、航空会社のスタッフいわく、出発国のチェックインカウンターで担当した者も社内的に厳しいペナルティーを受けることになるとのこと。
そもそも今回のコロナ関連の必要書類の確認作業は本来であればアメリカ側の入国審査官がやるべき仕事のはずだが、航空会社側の仕事になってしまっているのが現実であることを考えると、チェックイン時の対応が厳格になっているのも無理はない。
さて今回の新ルールで一番気になってくるのは「ワクチン接種済証明」の入手方法だろう。
そこでだれもが思いつくのが、接種時に受け取っている「新型コロナワクチン接種記録書」がそのまま「ワクチン接種済証明」として使えるのではないか、ということ。
結論から先に書くならば、使えないと考えたほうがよい。まだ新ルールが始まったばかりであるのと、CDCが発表しているルールを読むだけでは「絶対に使えない」とは断言しにくい部分もあるが、航空会社側が「新型コロナワクチン接種記録書」を「ワクチン接種済証明」と認めない可能性が極めて高いからだ。
すべての航空会社に確認したわけではないが、今回コンタクトした航空会社のスタッフによると、チェックイン時の確認事項に関する社内通達の必要書類の部分には「in English」となっており、英語で内容が確認できない書類はダメとしている。あいにく「新型コロナワクチン接種記録書」は見出しタイトルに英語が併記されているものの、それ以外の部分はすべて日本語だ。
ちなみにCDCのサイト内には、
If your documents are in a language other than English, you should check with your airline or aircraft operator before travel.
と記載、つまり「英語以外の書類の場合は、事前に航空会社に問い合わせて確認すべき」と書かれており、ダメとも良いとも言わずに航空会社側に判断を任せてしまっているが、トラブルを避けたい航空会社側としてはたぶんダメと言うだろう。
したがって年末年始などにアメリカ旅行を計画している場合は以下の厚生労働省のサイトなどを参考にしながら事前に各市町村の所定の部署に出向くなどしてワクチン接種証明書を取得しておくようにしたい。
www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_certificate.html
なお、健康上の理由でワクチンを接種できない者に対する例外ルールや、過去に陽性になったことがある者に対する回復証明、さらに未成年者や永住権保持者を対象としたルールなどに関しては以下のCDCのサイトに掲載されている。
www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/travelers/proof-of-vaccination.html
最後に当たり前のことではあるが、今後ルールが変わる可能性があるので実際にアメリカ旅行を計画する際は各自の責任において最新の情報を確認するようにしていただきたい。
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