先週のこのコーナーで「ラスベガスでは新型コロナの新規感染者の減少を受け、昨年の3月以来続いてきた感染防止に関するさまざまな対策や規制が 2021年6月1日からほぼ全面的に解除されることになった」と書いたばかりだが、本日アメリカ時間の6月1日、今後日米間を移動する者にとって非常に重要な通達が在サンフランシスコ日本国総領事館から入ってきた。日本への入国に関する変更だ。

　もちろんラスベガス側での規制解除に関しては何ら変更はない。あくまでも日本側の話で、結論から先に書くならば、今までよりも日本への入国が厳しくなる。
　変更点だけを簡単に書くと、今までは入国時に空港で PCR検査を受け陰性であれば帰宅できたが（検査結果は１時間ほどで出る）、今後は 陰性であっても空港近くの所定の場所で3日間待機しなければならない。
　領事館から知らされた内容（外務省や厚生労働省が 6月1日付けで発表した通達）をそのまま書き出すと以下のようになる。

「検疫所長の指定する場所（検疫所が確保する宿泊施設に限る）で３日間待機いただき、入国後３日目に改めて検査を受けていただくことになります」

　当然のことながらこの新ルールの対象となる国や地域が指定されているわけだが、残念なことにアメリカも含まれており、そしてその表記は単に「米国」となっているのではなく州ごとに指定されているので注意が必要だ。つまり該当しない州もある。
　該当州は アイオワ州、アイダホ州、アリゾナ州、オクラホマ州、オレゴン州、カリフォルニア州、コネチカット州、コロラド州、デラウェア州、ニューヨーク州、ネバダ州、ネブラスカ州、メイン州、モンタナ州、ロードアイランド州の 15州。

　米国50州のうちの15州ということで州の数としては 3分の1以下ではあるが、その15州の中に日本人が訪問しそうな代表的な４都市、ロサンゼルス、サンフランシスコ、ニューヨーク、ラスベガスが含まれているので影響を受ける人はかなり多くなりそうだ。
　ちなみにこれらの州の位置的な分布に関してだが、五大湖周辺と南東部の州が含まれていないものの、全体としては東西および中央部などに広く分散しているところが興味深い。

　なお、日本へ入国する者がアメリカのどの州に滞在していたのかをどうやって調べるのか不明な点があるばかりか、州の滞在定義なども通達内の説明ではよくわからない。
　たとえば、該当しない州に長期滞在していた者がロサンゼルス経由のフライトで帰国した場合はどうなるのか。オリンピック選手の扱いも気になる。領事館に問い合わせてみたい。

　とりあえずそんなところだが、今回の日本側からの発表は流動的というか揺れ動いているようにも見受けられる。
　というのも同日（6月1日）に発表された通達の中でも変更があったり、５月中にも何度か変更されているからだ。（コロナの状況が変われば変更するのは当然ではあるが）
　さらに文章表現もわかりにくい部分が多々あったりするので、実際に渡航する際は最新の情報を慎重に読み各自の責任で確認するようにしたい。

　ちなみに今回領事館から知らされた通達は、以下の外務省のページ内にある赤いハイパーリンク（最新の日付のもの）をクリックすることで確認可能。

https://www.anzen.mofa.go.jp/

6月9日に追記：
領事館側から「滞在州」に関する回答がありました。
「14日以内に指定された地域に滞在歴がある方が対象となります。乗り継ぎで空港から出ないのであれば、対象とはなりません。」とのことです。
つまり、該当する州に滞在していない人が、その該当しない州から出発して該当する州の都市（たとえばサンフランシスコやロサンゼルス）を経由して帰国する場合は問題ないようです。