コロナ禍の今の時期、日本からアメリカにやって来る旅行者などほとんどいないとの前提で、ここ数ヶ月はおもに在米の日本人向けに情報を発信してきたが、意外にも年末年始の休暇を利用して当地にやって来るラスベガスファンが多いことに驚かされている今日このごろ。
ほとんどが一般的な観光旅行者ではなく、カジノホストなどからの招待を受けているリピーターのようだが、ここ数日そんな彼らから寄せられてくるのが、アメリカでの出入国時の手続きなどコロナ関連の現状に関する問い合わせだ。
それに関してはすでに何度かこのコーナーで書いてきたとおり、アメリカ側ではコロナ前の平常時と特に大きな変更はなく、PCR検査など無しに普通に入国も出国もできる。
(ただしイギリスなどで騒動になっている変異型ウイルスの広がりにより、今後状況が変わる可能性もあるので、ロサンゼルス、サンフランシスコ、シアトルといった入国空港の公式サイトなどをこまめにチェックしたほうがよい)
むしろ心配すべきはアメリカ側ではなく、日本帰国時に関するルールで、常に注意を払って最新の情報を得るように心がけておく必要がある。
変異型ウイルスの関係で今後めまぐるしく変わる可能性があるが、現時点で知っておくべき重要なことは、厚生労働省が求めている 質問票(←クリックまたはタップで現物を表示)への事前記入だ。
ちなみに虚偽の記入をした場合は、検疫法第36条の規定により、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金を課せられることがあるとのこと。
(なお、この記事は、あくまでも出入国に関する情報を求めている読者に対しての情報提供であり、コロナ禍における海外旅行を奨励するものではない)
その質問票の内容は、帰国便の情報、健康状態、帰国前後の行動、連絡先 など多岐に渡っており非常に長い。もちろん記入にはそれなりの時間がかかる。
とは言っても、日本語で書かれているので特にむずかしいことはないが、事前に記入しておかないとラスベガスの空港から日本へ向かう際にやっかいなことになる可能性があるので要注意だ。
昨日ラスベガス国際空港の現場スタッフに取材して得た情報によると、現在すでに多くの国が、到着者に対して同様の質問票の提出を求めており、それにともない、ラスベガスの空港において各航空会社のスタッフは、国際線搭乗客の目的国が求めている質問票の記入を、その搭乗客が済ませているかどうかを確認することになっているとのこと。
済ませていない者は搭乗を拒否されるというか、システム上、チェックインすらできない。
なぜなら出発者が目的国の質問票の記入を終えるとQRコードがスマートフォンに発行され、そのQRコードを航空会社のスタッフがチェックイン時に読み取り、搭乗が許可されるようになっているからだ。
日本政府はまだ、出発地の航空会社に対して質問票未記入者の搭乗拒否までは求めていないようだが、もし今後求めるようなことになれば、しっかり対応しておかないと出発空港でトラブルことになりかねない。
というのも、未記入者はチェックインカウンターで記入しなければならないことになるわけだが、航空会社のスタッフは原則として質問票の記入を手伝ってくれないからだ。
今どきスマートフォンを持っていない者は非常に少ないと思われるが、年配者などにおいては操作方法がわからず乗り遅れてしまう者があとをたたないという。
スマートフォンでのQRコード管理でだけではなく、質問票の記入内容をプリントしておかないとダメという国もあり、また 72時間以内に発行された陰性証明が必要な国もあるなど、利用客が少ないわりには出発空港の現場は平穏ではないようだ。
こんなひどいケースもあったという。チェックインカウンターでの質問票への記入に時間がかかりすぎて乗り遅れてしまい、結果的に翌日のフライトに変更できたところまではよかったが、せっかく取得しておいた陰性証明が 72時間を超えてしまったため取り直さなければならないという悲劇。
日本政府が今後どのような方針を打ち出してくるかわからないが、そのような悲劇はなんとしてでも避けたいので、帰国時のルールに関しては日々チェックし、細心の注意を払うようにしたい。
以下は現時点における厚生労働省の質問票の中の全設問だ。今後変わる可能性もあるが、参考にして頂ければ幸いだ。
◎ 到着日
◎ 航空会社および便名
◎ 座席番号(当日までわからない場合はどうするのか?)
◎ 氏名
◎ 国籍
◎ 性別
◎ 生年月日
◎ 日本国内の住所(ホテルの場合はホテルの住所)
以下、日本国外の在住者:
◎ 日本からの出国予定日
◎ 日本からの出国空港
◎ 日本からの出国便名
以下、14日以内に:
◎ 滞在した国や地域。
◎ 発熱やせきなどの症状がある人との接触がありましたか。
◎ 感染した患者と接触していますか(可能性がありますか)。
◎ 発熱やせきなどの症状がありましたか。
◎ 現在、体調に異状はありますか。
◎ 異状がある場合、どの症状か下記からすべて選択してください。
発熱、せき、倦怠感、その他
◎ 解熱剤・かぜ薬・痛み止めなどを使用していますか。
◎ 日本到着後14日間の待機場所を入力してください。
自宅以外の場合は、具体的な待機場所を入力してください。
◎ 公共交通機関を使用せず移動する方法を確保していますか。
◎ 日本到着後14日間は、保健所等から電話連絡を行い、皆様の健康状態を確認します。健康状態の確認方法として、LINEアプリ(またはAIによる電話連絡)を用いることも可能です。説明書を確認し、健康確認方法を入力してください。
◎ LINEアプリ(またはAIによる電話連絡)を用いた健康確認に同意しますか。
◎ 健康状態を確認するための、日本国内で通話可能な電話番号を入力してください。
◎ 健康状態の確認等でメールアドレスにご連絡する場合があります。
メールアドレスを入力してください。
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