新型コロナウイルスの感染拡大により、3月18日以降、ラスベガスのカジノホテルのすべてが強制閉鎖されていたが、このたびネバダ州政府が規制を一部解除したため、6月4日、ストリップ地区にある主要カジノホテル約30軒のうちの半数ほどが再オープンを果たした。
それでも宿泊施設とカジノ、それに一部のレストランなどがオープンしたにとどまり、ナイトクラブやシアターはまだ営業再開には至っておらず、かつてと同じ状態での運営に戻ったわけではない。
また、カジノ内は感染防止の目的から、スロットマシンは一台おきに使用制限、ブラックジャックなどのテーブルゲームも着席可能人数を大幅に減らすなど、これまでの様子とは大きく異なる運営となっている。
今週は、そんな営業再開日の様子をベラージオホテルから写真でレポートしてみたい。
なお、当サイトではその日、スタッフの事情により現場での撮影ができなかったため、以下の写真はすべて HIS ラスベガス支店の厚意により提供されたものであることと、このページの最後に同社の特別企画「#ふたたび美しい世界へ」を掲載させていただいていることを合わせてお伝えしておきたい。
6月4日 午前10時にドアがオープンすると、スタッフがずらりと並び、「Welcome back!」と訪問者を笑顔で歓迎。といっても規則によりスタッフはマスク着用となっているため、笑顔の半分しか見ることができない。
宿泊者はフロントロビーで体温チェック。アメリカで使われている温度の単位は華氏(F°)で、100.4 度(摂氏だと 38.0度)以上だと別室にて再度精密測定となり、それでも高熱だと判断された場合は医療機関へ。
体温チェックをするなら宿泊者以外も対象にしないと意味がないようにも思えるが、現時点ではカジノやレストランだけを利用する者は検温の対象外となっている。
この日はメディアが大挙して押し寄せていた。それほどラスベガスにとっては節目となるビッグニュースということだろう。
ロビーにはマスクと手袋、それに消毒用のアルコールが用意されていた。宿泊客以外も利用可能。ちなみにマスク着用は強制ではないが、写真からも読み取れるとおり、Strongly Encourage(強く奨励)とのこと。
スマホによるチェックインを説明するボード。部屋のカギもスマホで代用可能、つまりスマホをかざすだけで部屋のドアを開けることができるとのこと。
人と人との接触を極力避けるために、今後は世界中のホテルでスマホによるチェックインが主流になるものと思われる。なお現在のベラージオにおいては、従来どおりの対面型のチェックインも可能。
マスクや手袋が用意されているスタンド。(MGM RESORTS と表示されているが、この写真は MGMグランドホテルではなく、ベラージオホテル内のカジノ。どちらのホテルも同社の運営)
スリーカードポーカー(Three Card Poker)のテーブル。通常は6人まで着席可能だが、今は3人まで。この写真では見づらいが、感染防止のため、ディーラーとプレーヤー、そしてプレーヤーとプレーヤーの間は透明な板で仕切られている。
ブラックジャックテーブルも同様に3人まで。人と人がふれ合う機会を減らす工夫や努力は、感染リスクの軽減という意味では良いことではあるが、なにやら冷たい感じがしないでもなく、楽しさや盛り上がりが半減しそうなところが難点。
イスなど客がふれる部分はスタッフがひんぱんに消毒することになっている。テーブル上にも消毒用のボトルが置かれていることがわかる。
ビデオポーカーが設置されているバーカウンター。稼働しているのは1台おきで、ここでも各席の両側が透明な板で仕切られている。
消毒済みであることを知らせる表示。どこへ行っても消毒、消毒と言われてしまうと、常に緊張感が付きまとい、いつものカジノの雰囲気ではないのが残念。
ソーシャルディスタンスは6フィート(約180cm)以上が奨励されているため、スロットマシンは1台おきに運用停止。イスも取り除かれている。
「このマシンはあなたの安全のために運用停止中」と示されたスロットマシン。
ベラージオホテルの前庭にある人気の噴水ショーも、6フィート離れるように足元に立ち位置が示されている。
ベラージオホテルの正面玄関への進入路にある横断歩道の信号の押しボタンは膝で押せるようになっている。
以上、ベラージオからの写真レポートはここまでとし、ここからは HIS社のオンライン体験企画第2弾に関するインフォマーシャル。
このラスベガス大全の 1203号でも取り上げた ZOOM(世界的に人気のオンライン会議アプリ)によるゴールデンウィークの “みんな集まれ企画” こと「#うちで過ごそう”」はおかげさまで好評のうちに終了。
そしてこのたび HIS社はその第2弾として「#ふたたび美しい世界へ」と題する企画を発表した。
(「#うちで過ごそう”」では参加希望者が多すぎ、参加できないといった不便が生じてしまいましたこと、深くお詫び申し上げます)
「#うちで過ごそう”」も「#ふたたび美しい世界へ」も ZOOM によるオンライン体験企画であることに変わりはないが、趣旨が少々異なっており、前者は、旅行へ行きたくても行けないステイホームを余儀なくされている人たちを支援するための無料企画、後者は、少しずつ普通の生活に戻りつつあるものの、まだ仕事ができない状況に置かれている旅行業界の従事者たちをサポートするための有料企画で、ラスベガスはもちろんのこと全米各都市からの現場スタッフならではの実体験に基づく貴重な話や意見交換、さらには写真や動画での情報収集や疑似体験旅行などが可能。
たとえば、シルク・ドゥ・ソレイユの「KA」で準主役を演じる現役パフォーマー高橋典子さんがライブ出演し、ステージの裏側に隠された秘話や苦労話を語ってくれる セミナー など、興味深いオンライン体験企画が多数用意されている。
旅行業界やエンターテインメント業界の従事者たちが仕事や生活を維持できなければ、旅行者を迎え入れることもできないので、ぜひサポートして頂ければ幸いだ。
40本以上の体験企画が用意されているその「#ふたたび美しい世界へ」は こちらをクリックまたはタップ。
最後に、一連の企画とは別に、前回の「#うちで過ごそう”」では最前線で新型コロナウイルスと戦っている方々を応援するための動画を公開したが、今回はその後継バージョンとして、スポーツ業界やショービジネス業界なども含めた広い意味での観光・エンターテインメント業界が置かれた厳しい現状と、それに対する HIS社の決意などを伝える動画を公開したので、そちらもご覧いただければ幸いだ。(以下が全世界に向けて発信されている英語でのその動画、日本語字幕付き)
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コメント(3件)
こんにちは。
ホテルのポーカールームはオープンしていますか?
ホイットニーまさな 様
ベラージオとシーザーズパレスのポーカールームが 6月18日からオープンするそうです。
ホイットニーまさな 様
ラスベガス大全をご閲覧いただきありがとうございます。
さてさっそくご質問の件ですが、先週の段階ではオープンしていないようでした。