本日 3月17日は “緑の日” こと、セントパトリックスデー。アイルランドの祭事で、街中がテーマカラーの緑一色に染まる日だ。
ここラスベガスでもアイリッシュ・パブなどを中心に、緑の服装をした人たちが集まり夜遅くまでワイワイ盛り上がる。いや、盛り上がるハズだった。
(例年のラスベガスにおけるこの日の様子を知りたい場合は こちら をクリックまたはタップ)
そんな楽しい日が、まさかの「ラスベガス最後の日」になってしまった。
新型コロナウイルス騒動により、ほぼすべてのカジノホテルが本日もしくは明日を最後に営業を打ち切ることになったのである。
いつかは復活するはずなので「最後の日」という表現は適切ではないかもしれないが、20年以上に渡り、この街を日本に宣伝しようとしてきた立場の者としては、まさに「この世の終わり」ともいえる衝撃で、もはや驚きや悲しみを言葉ではあらわすことはできない。
ここ一週間、当サイト内の スポットニュース で、日々悪い方向へ変わりゆくこの街の悲愴な様子を伝えてきたが、昨日までは、すべてのカジノホテルが閉鎖するというほどのひどい状況ではなかった。
ところがたった一日で事態は一転。「閉鎖はしない」と頑張ってきたホテルも力尽きてしまった。
国や州、そして WHO(世界保健機関)や CDC(疾病対策センター)などから、人が集まる業態のビジネスは即刻中止にすべきとの勧告が出たこともあり、やむを得ないといってしまえばそれまでだが、膨大な数の失業者のことを考えると本当に気の毒であると同時に末恐ろしい。
収入が途絶え、食べることすら困難になる者が続出した場合(というか、続出まちがいなし)、暴動などが発生する恐れもあり、とにかく一刻も早く事態が終息することを願うばかりだ。
ちなみに各カジノホテル側は、その閉鎖期間を「2週間」もしくは「3月末まで」などとしているところが多いが、当局側からの勧告が「最低でも2週間は自粛すべき」から「4週間」に変わり、さらに「8週間は営業禁止」、「非常事態宣言」などとなってきているため、ラスベガスに再び活気が戻ってくるようになるのは、早くても5月中旬以降と思われる。
なにせ相手は目に見えないウイルス。この街の復活がいつになるかの議論や予想は困難を極めるので意味がない。
復活がいつになるにせよ、たとえ1日でも1週間でも、この街からカジノ、ナイトショー、クラブ、コンベンションが消える日など、だれが想像できただろうか。
しかしそんな前代未聞の事態が現実のものとなってしまった。もちろん夜が明けない夜はないし、出口のないトンネルもない。悲観しすぎることもないだろうが、とりあえずこの事態に直面したばかりの今は残念すぎ、何をどのように書けばよいのかわからないので、現時点の様子を写真でお伝えすることとして、今週の記事を終わりとしたい。(写真 45枚、以下に続く)
正面玄関前の車寄せ。明かりが消され、真っ暗であることが見て取れる。
その正面玄関はすでに閉鎖されており、入館することはできない。ガラスが明るく見えるのは背景が反射しているためで、実際の館内は真っ暗。
玄関前に置かれた、閉鎖を告げるメッセージ。再開の予定などに関してはウェブサイトを見るように、とのことだが、ちなみにこのホテルは MGM Resorts 社が運営。
カジノ内にあるスポーツブック。ゴルフのマスターズ・トーナメントの優勝者を当てる賭けなどのチケットの払い戻しに関するルールなどを質問しようと現場に行ってみたものの、すでに完全に閉鎖されており、スタッフは不在。(ちなみにマスターズ・トーナメントは無期延期に)
ストリップ大通りに面した Paris ホテル。この歩道に面した人気のフレンチレストラン Mon Ami Gabi のテラス席はいつも賑わっていることで知られるが、今日ばかりは閑古鳥。歩道を歩く人もまばら。
カジノはすでに営業を打ち切っており、プレーすることはできない。
Paris ホテル内のレストラン街。いつもはたくさんの人が往来しているのが普通だが、もはや人影はほとんどない。大部分の店はすでに営業を打ち切っている。
Cromwell ホテル内のカジノ。すでに営業は終了しているため、スロットマシンの画面には何も表示されていない。カジノ内に散見される人物は客ではなくスタッフ。
FLAMINGO ホテル内のカジノ。こちらもすでに営業を打ち切っているが、ごくわずかだけ一般客の出入りも見られた。
食べ放題のバフェ。こちらもすでにクローズ。もはや館内で食事をできる場所はほとんどない。翌日にはすべての店が閉店になる予定。
LINQ ホテルに隣接するプロムナード内で営業中のメキシカンレストラン。客はほとんどゼロ。セントパトリックスデーにちなんだ緑のTシャツなどの販売がむなしい。
人がまばらなプロムナード。これだけ人が少ないと、せっかくの緑の衣装もむなしい。奥に見えるのは世界一の巨大観覧車「High Roller」。
休演が確定しているナイトショー「TAPE FACE」の宣伝を掲示する広告塔。
カジノチップの片付け作業中のブラックジャックテーブル。立っているのは、盗難に遭わないように見守る警備スタッフ。
昨日までの喧騒がウソのような誰もいない静まり返ったカジノフロア。
コスメの大型ショップ SEPHORA もすでに閉店。
緑の衣装をまとい VENETIAN ホテルの前庭を歩く人たち。どことなく寂しげ。
数日前からカジノ内に掲示されていた新型コロナ感染予防のためのメッセージ。プレーヤー同士が接近しずぎないよう、ブラックジャックやルーレットのテーブルでは最大3人までに制限しているとのこと。しかしこのメッセージも、カジノの閉鎖が決まった今となっては意味がない。
だれもいないスポーツブック。賭けの対象となるスポーツ自体が開催されていないため、だれもいないことは仕方がないが、人影のない空間にスポーツ映像を流し続けられると、なぜか寂しさが倍増。
片付け作業をしているカジノディーラーもどことなく寂しげ。
ここのホテルにおいては、ブラックジャックテーブルのカジノチップは、トレイごと取り外して片付けているようだ。
ほとんどだれもいない正面玄関前に並ぶタクシーの列。明日からドライバーたちの仕事はどうなるのか。他人事ながら気になってしまう。
ナイトショーのディスカウントチケットを販売するブース。開催しているショーが存在しないので閉店も当然か。
人気の大型ショッピングモール FORUM SHOPS。入口に貼られたメッセージを見て、閉鎖と思い込み、入場をあきらめた緑の帽子の観光客。が、しかし、実は閉鎖を告げるメッセージではなく、営業時間短縮の案内だった。したがって、この日はまだ入場可能。
モール内に入ることは可能だったが、オープンしている店はまばらで、人影もほとんど無し。
人工の空の色はときどき変わることになっているはずだが、客がいないからか、変わる気配はなかった。
モール自体は本日までオープンしていることになっていたものの、ルイ・ヴィトンは商品をすべて片付けてしまっていた。
GUCCI も同様、店内に商品を見ることはできない。
ロブスター料理で有名な PALMS。閉店しているように見えるが、なんと営業中だった。画面左奥にかすかに見えるバーテンダーの前で1組のカップルが食事をしていた。
フードコート内のほとんどの店は営業を打ち切っていた。手前に見える4人、右奥に小さく見える2人は食事をしているわけではない。
スロットマシンの画面には、小さく「OUT OF SERVICE」の文字が。
人気カリスマシェフの店 Gordon Ramsay Pub & Grill もクローズ。
昨日までは「我々は営業を続ける」と強気の発言をしていたカジノであったが、あえなく閉館。写真内に見える人物は客ではなくすべてカジノのスタッフ。
BELLAGIO ホテルの北側にある歩道橋直結の入口。すでに閉鎖されており、館内に入ることはできない。
噴水ショーの会場となっている池の前の歩道。いつもなら多くの人で賑わっているが、今日ばかりは人影もまばら。もちろん噴水ショーはおこなわれていない。
日没後の写真ではあるが、すでに宿泊者がいないため、客室の窓はすべて真っ暗。
ベガスで結婚式を挙げたと思われるの新婚カップルとカメラマン。良き思い出となるべき日が、こんなことに。気の毒すぎ、ベガス在住者としては申しわけない気持ちを禁じえない。
カジノはすでに営業終了。派手な館内装飾がむなしさを増幅している感じ。
高級ブランド店ばかりが軒を並べるリッチなショッピングモール「CRYSTALS」の南側の出入口。清掃スタッフがドアを拭いていたが、明日から閉館。
すでに人影はなし。立派な装飾アートの存在がむなしさを倍増。
モール自体はまだオープンしていたものの、FENDI の店内には何もない。
ストリップ大通りから ARIA ホテルへの進入路。本来なら混雑する夕刻の時間帯だが、人も車両も見当たらない。
MGM GRAND の巨大広告塔。「再会を歓迎する」と書かれたメッセージが何とも寂しい。
イタリアをテーマにした飲食街 EATALY はすでに閉鎖されており、進入不可。
世界に冠たる目抜き通り「THE STRIP」。こんな光景、だれが想像できただろうか。
閲覧お疲れさまでした。写真は以上です。いつかはこの騒動が終息し、また活気あるベガスがすぐに戻ってくることを信じて終わりとしますが、読者の皆様からも、これまでのラスベガスでの楽しい思い出や、今後へ向けた期待や訪問計画など、以下のコメント欄、もしくはフォーラムに、ご意見ご感想を投稿していただければ幸いです。
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コメント(34件)
いつも貴重な情報ありがとうございます。
私は3月17日に日本を出発する予定でしたが、ベラッジオが閉鎖されると連絡が有り、急遽取りやめました。
今年は毎月行く予定でしたので、とても残念です。
私もラスベガスが大好きで大全様の更新を毎週楽しみにしています。フォーラムも毎日のように覗きに行きコメントを見てはラスベガスを恋しく思い次回の訪問の参考にさせていただいてました。
ラスベガスがあるから仕事を頑張れているので大全様には感謝しかありません。
写真を見てショックを受けています。今はまだ心に余裕がないのですがもう少ししたらフォーラムで次回はどこへ行きたいとか何が食べたいとか皆さんのオススメとかを語り合えたらなと思いました。皆様どうぞお気をつけになってください。大全様これからも応援しております。
落ち着いたらすぐにでも予約します!1日でも早く終息しますようにお祈りしてます。
いつも楽しく拝見しております。
息をしていないラスベガスの姿を見るのが、とても心苦しいです。
そしてラスベガスで働く多くの、本当に多くの人の事を思うと心配でなりません。
しかしベガスは世界一のエンターテイメントシティ。自体が終息し運営が再開した際には、これまで以上に賑やかになると信じています。もちろん、私もまた遊びに行きます。
日本から、1日でも早い復活を願っています。
毎年ラスベガスに行っています。4回行った年もある。停電しても、カジノは営業していたのに。私の故郷が!信じられないけど、現実でしょう。再開を祈る!
ウィンの担当カジノホストから連絡がありました。しばらく会えないが、再開され次第オファーを出すので、ぜひまた来てほしいとのこと。
しかし、再開されたとき再びアレックスに会えるのだろうか、心配でならない。
いつかは収束すると信じていますが、余りの光景に涙が出そうです。ベガスに通いだして20数年、思い出を積み重ねてきた街のこんな光景を見るなんて・・・ 担当ホストのメッセージが切なかったけど、こんなになってるとは知りませんでした。 このフォーラムにもどれだけお世話になってきたことか!! こんな風に感謝を述べるようにはなりたくなかったです。 でも、必ず必ず夜が明けます。 その時にこの街に貢献できるように私も頑張って生き残ります!! だから大全さんも頑張ってください!! 人種差別の話も聞きます。 どうぞ、心身共に気を付けられてください。
年に二回は、ラスベガスに行くことが、定番です。5月の末に、予約済みでした。いつになるか気になり、サイトを覗いています。ラスベガスほど魅力的な街はありません。
いつも楽しく拝見しております。
以前のような賑やかなラスベガスが一刻も早く戻ってきますように·····そして、また楽しく旅行ができれば嬉しいです。
管理人様も、どうぞお気を落とされませぬように、お身体にはお気をつけ下さい。
こんなラスベガス見たことないです。
数回行きましたが平日・休日関係なく24時間キラキラしてるのに・・。
なんかこの現状を見ると恐怖のあまり涙が出そうになりました。
また行きたい!!と思ってるので、いつかまた前のようなラスベガスに戻りますように・・!!
あとオー・カーももう一度見たい!!