ツアーのトップ
"特上" の寿司をたのんだつもりが "並" に?!


 グランドキャニオンツアーを催行している航空会社は複数あり、その内容はピンからキリまでだ。料金的にも $250 〜 $340 ぐらいの幅がある。ようするに一流ツアーと三流ツアーでは料金が大きく異なる。
 ところが、旅行代理店のパンフレットなどを見ていると 「Gキャニオンツアー $320、予定利用航空会社 A航空、B航空または C航空」 などと書かれており、予約時に航空会社が決定しないばかりか、なぜか複数の航空会社を取り扱っているにもかかわらず料金はすべて均一だ。
 航空会社名をまったく明かさない代理店も存在している中、それを公開すること自体大いにけっこうなことだが、グレードの高い A航空を利用しようが 二流の B航空を利用しようが料金がまったく同じ、というのはおかしな話だ。

 旅行代理店にとっての仕入れコストは A航空、B航空、C航空それぞれすべて違うはずで (同じだったら談合になってしまう)、それも多少の違いではなく、かなり違う場合が少なくない。(最近は、格安の King 航空が廃業し、業界全体の統合が進んだため、以前ほどは格差がなくなってきているが、それでも LAS VEGAS 500 AIR TOURS などは今でも単発機のみでの運行している)
 であるならば、「A航空は $340、B航空は $300、C航空は $250」 のように書くのが本筋ではないだろうか。
 同じ旅行代理店が日米間の国際線航空券を売る際には、「デルタ航空 7万円、日本航空 9万円、ユナイテッド航空 8万円」 などとちゃんと別料金制を導入している。なぜグランドキャニオンツアーだけが 「内容が異なるにもかかわらず均一料金」 でなければならないのか。この不条理をグルメツアーにたとえるならば、「このグルメツアーの料金は $50 です。出される料理は寿司の特上、上、中、並のいずれかです」 と言っているようなものだ。

 これは、日本人観光客がグランドキャニオンツアーに関して何の知識も持っていないということを、うまく利用されていることに他ならない。事実それらパンフレットに記載されている航空会社とその料金を分析してみると、仕入れコストが一番高い航空会社に合わせて料金が決められていることがわかる。しかし実際には一番安い航空会社になることも多々あり、前述のグルメツアーにたとえるならば、「特上」 の料金を徴収しておきながら、「並」 も出しているということになる。

 ちなみに、グランドキャニオンへ飛行機を運航させている航空会社間のグレードの差は、日米間を飛ぶ国際線の航空会社の差よりも大きかったりする。たとえば前述の LAS VEGAS 500 AIR 航空は、単発機で、なおかつパイロットの数は一人という条件で運行している。(もちろんこの航空会社を、日本のまともな旅行代理店が使用することはまずありえないが)
 国際線の場合、どこの航空会社を選ぼうが機材はほとんど同じで、違いはせいぜい機齢や座席の幅や座席配置程度。また乗務員の数も各社似たり寄ったりで機内食やサービスの内容も大同小異といったところだろう。
 ところがグランドキャニオンツアーの航空会社の場合、けっこう幅がある。単発機か双発機かはもちろんのこと、パイロットの数、さらには機材に関しては数人乗りのセスナから、130人以上が乗れるボーイング737型機 (ビジョン航空が 2013年8月から定期便として導入) まで、内容はバラエティーに富んでいる。これら多種多様なグランドキャニオンツアーを十把一絡げに均一料金で売るのはおかしな話である。


ツアーのトップページに戻る