ツアーのトップ
米国式 「予約代行」 と 日本式 「仕入れ販売」の違いは?


 「仕入れ販売」 とは、日本の旅行業界などに見られるビジネススタイルで、ホテルの部屋や航空便の座席をあらかじめまとめて大量に安く仕入れ、それに利益を乗せて販売する方式です。この方式はさらに、商品 (ホテルの客室や航空便の座席) を実際に仕入れてしまうケースと、仕入ワクの権利だけを購入 (行使) する場合など形態はさまざまです。しかしいずれの場合でも 「安く仕入れて利益を乗せて販売する」 ということに変わりありません。
 一方、アメリカの旅行業界などに広く定着しているビジネス形態は 「コミッション制による予約代行」 です。これは、お客様が希望するホテルやフライトの予約を代行するというだけの単純な業務で、客室や座席を仕入れてきて利益を乗せて販売するわけではありません。ただ単にお客様に代わって予約を入れてさしあげるだけのサービスです。つまり、商品そのものの売買には関わりませんので、「仕入れ」 も 「売り」 も発生しません。当然お客様との間での金銭の授受も発生しません。したがって 「売買による利益」 というものも存在しないことになり、その代わりホテルや航空会社からコミッション (取扱手数料) を受け取り、会社を運営することになります。
 もちろん日米の業界のすべてがこのような 2つのスタイルにハッキリ別れているわけではありませんが、おおむねこのようなカタチになっているということと、日米間でそのような違いが存在しているということをお伝えしておきます。

 では、これらのビジネス形態の違いは代理店および消費者にとってどのような違いが生じてくるのかをご説明します。
 まず旅行代理店にとってですが、「仕入れ販売方式」 の場合、まず最初に航空券などを大量に仕入れるための運転資金を必要とします。仕入れてしまわない場合においても、購入枠の約束を航空会社などにしなければなりません。したがってこの 「仕入れ販売方式」 の場合、売れ残ってしまった際の在庫リスクや、枠を消化しきれなかった場合の信用損失といったデメリットがあります。メリットは販売価格を自由に設定でき、利益を大きく確保することも可能ということです。
 一方、米国型 「コミッション制による予約代行」 の場合、売値を自身で決めるわけではありませんので利益を自由にコントロールしにくいという反面、在庫リスクや資金的な負担が少ないというメリットがあります。また、在庫商品を売るわけではないためお客様の希望の商品を取り次ぐことが可能になります。つまりどんなホテルでもどんな航空会社でも、お客様が希望する限りそれらを取り扱うことができる、ということです。

 次に消費者側にとっての違いですが、「仕入れ販売方式」 のメリットは、格安な料金でチケットが売りに出されることがあるということです。欠点は、相手 (旅行代理店) が在庫している商品しか売ってもらえないということです。つまり希望の航空会社を指定したり、希望のフライト時刻を指定したりすることがむずかしくなります。また、先に代金の払い込みを要求されることも大きなデメリットで、キャンセルの場合の条件も厳しくなる傾向にあります。
 一方、「コミッション制による予約代行」 の場合はその逆で、希望の通りのフライトを手配してもらえ (もちろん空席があればの話ですが)、また、代金も直接旅行代理店へ支払う必要がありませんので、キャンセルの条件なども総じてゆるく設定されているというメリットがあります。また、「仕入れ販売方式」 の代理店が 「満席」 と言ったフライト (本当に 「満席」 なのではなく、在庫がないだけの場合が多い) の予約が取れたりすることがしばしばあるのも 「コミッション制による予約代行」 の特徴です。欠点としては、価格が原則としてホテルや航空会社が指定する 「定価」 に硬直化されやすいため、特に安いわけではないということです。


 ツアーのトップページに戻る