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WYNN GOLF CLUB




コース名   WYNN GOLF CLUB
住所   3145 LAS VEGAS BOULEVARD LAS VEGAS, NV 89109
電話   877-321-9966
アクセス   ウィンラスベガスの敷地内。多くの主要ホテルから徒歩でアクセス可能。

 2005年春のウィンラスベガスの開業と同時にオープンしているので、すでにかなり経過しているが、とにかくこのコースに関しては情報が少ない。「曜日や季節に関係なく 500ドル」 というグリーンフィーの高さゆえ、プレー経験者が絶対的に少ないという事情もあるが、「ゴルフ雑誌などに書かれたくない」 (ウィン氏のポリシーを代弁してくれた現場スタッフの弁) というポリシーの存在も、情報が少ない理由のひとつだ。ちなみにコースレートも スロープレート も謎に包まれたままで (というか存在しない)、USGA (全米ゴルフ協会) に査定の申請すらしていないという。

 あれこれ謎は多いものの、ロケーションだけは周知の事実で、それはもちろんウィンラスベガスの敷地内。つまり客室棟の目の前にあり、宿泊客は徒歩でアクセス可能だ。というか、宿泊者しかプレーできない。(右写真は高層階の客室から見た様子。クリックで拡大表示)
 このウィンゴルフクラブの前身は、かの有名なデザートインカントリークラブで、それを改良して造られたのがこのコースというわけだが、その設計者は、コースデザイナー界の大御所 トム・ファジオ氏だ。
 名門デザートインをファジオ氏が改造したとなると、デザートインを知る者にとっては、どこをどのように改造したのか大いに気になるところだが、結論から先に言ってしまえば、デザートイン時代のおもかげはほとんどない。ホールの順番、池の位置、バンカー、高低差、すべてにおいて変っており、まったく別のコースと考えるべきだろう。

 デザートイン時代と最も大きく異なっている部分は、なんといっても高低差。これは、ただ単に打ち上げや打ち下ろしが増えたという意味ではなく、フェアウェーのいたるところにうねりやコブがあり、アンジュレーションに富んでいるということ。
 結果的に、総じてフラットだったデザートインに比べ、斜面からのショットが増え、それなりのテクニックが要求されるようになった。(左写真ではそのことがわかりにくいが、実際にはかなりアンジュレーションがある)
 また、木が非常に多いのも特徴で、広葉樹や針葉樹がごく普通に存在していることには驚かされる。一般的に、砂漠地帯ラスベガスのコースで 「木」 といえば、ヤシの木かサボテンのたぐいが常識なので、この木に関しては、「かなりラスベガスらしくないコース」 といってよいだろう。
 美しさの点ではどうかというと、前半の 9ホールはやや平凡なホールも散見されるが、後半は池、木、バンカー、コブなどが絶妙に配置されており、極めて非凡な美しいコースに仕上がっている。

 ではプレーする価値があるのかどうか。グリーンフィーが決して安くないので、それはだれもが気にするところだが、その答は非常にむずかしい。ゴルフに対する価値観や懐具合などによって意見が大きく分かれるからだ。
 あえて目安的なものを示唆するならば、ラスベガスのゴルフコースで何度かプレーしたことがある者はプレーしてみる価値がありそうだが、そうでない者は別のコースにしておいたがよいかもしれない。
 理由は、アップダウンや木が多いというこのコースの特徴は、日本では決して珍しいことではないからだ。せっかくラスベガスでプレーするならば、砂漠と一体となった広大なバンカーや、南国情緒あふれるヤシの木に囲まれたコースの方が非日常的なスリルや興奮を味わえるだろう。
 一方、ラスベガスの他のコースを知り尽くした者にとっては、日本のコースとこのコースの似て非なるところや、さらにはラスベガスにおけるこのコースの非凡なところがよくわかり、新たな発見や感動があるはずだ。
 いずれにせよ、ウィンラスベガスに宿泊しないことには予約すらできないので、他のホテルに泊ることが確定している者は、あれこれ悩むだけ時間の無駄だ。

 その他の気づいた点をいくつか紹介していきたい。冒頭でコースレートやスロープレートがないことにふれたが、その理由を現場スタッフに質問してみたところ、「ここは競技用のコースではなく、ゴージャスな雰囲気を味わってもらうためのリゾートコースなので、コースレートなど必要ない」 とのこと。たしかにここのクラブハウスには、スコアを入力してハンデを算出するための端末機すらない。どうやらそのへんのことはすべてウィン氏のポリシーらしく、ここでのプレーにおいては、スポーツ感覚を持ち込んで欲しくないようだ。そういえばシャドークリーク (かつてウィン氏とファジオ氏がミラージホテル時代に手がけたコース) もそのようなポリシーだった。
 あとこれはどうでもいいようなことだが、何もかもがゴージャスなこのコースにおいて、練習場だけ非常に貧弱なのが残念だ。日本ならともかく、アメリカで 10ヤード先にネットが張ってある練習場 (←クリックで写真表示) など見たことがない。ウィン氏にいわせれば、「ここは楽しくプレーしに来るところで、練習に来るところではない」 といったところか。
 その他の部分においても、このコースの哲学というか、ヘンなこだわりが散見される。まずコース内の案内が非常に不親切ということ。どんなゴルフ場にでもある各ホールの案内板がティーグラウンドにない。「5番ホール、386ヤード、Par 4」 といったあの看板だが、それがない。
 また、フェアウェーにグリーンまでの距離を示すものがほとんどなく、さらにスコアカードも非常に不親切で、コースレイアウトやホールごとの図解などがまったく記載されていない。
 英国の伝統的なメンバーコースなどではそういった不親切も珍しくないが (メンバーはコースを知り尽くしているので案内不要)、アメリカでは極めてまれだ。ようするに、「キャディーがいるからそのような案内は不要。わからないことがあったらキャディーに聞け」 ということらしい。ちなみにこのコースでは、キャディーを付けることが義務となっている。たしかにキャディーはよく働いてくれ、携帯レーザー測定器を使って旗までの距離をそのつど測ってくれる。

 ということで、案内標識やスコアカードの貧弱さにはガッカリさせられるが、コースの管理はすばらしく、コンデションは抜群だ。利用者が少ないということも、芝生が美しく保たれている理由のひとつではあろうが、とにかくしっかり管理されている。
 どこのホールも美しいが、圧巻はやはり 18番ホールだろう (写真右)。ゴージャスな滝付きの池に囲まれたグリーンと、フェアウェーに沿って左手に見える巨大なホテル棟とのコントラストはこのコースならではの絶景だ。ちなみにホールアウト後、その滝の裏側 (水のすぐうしろ) を通ってクラブハウスに戻るようになっており、そこの通過はアトラクション的な要素が感じられおもしろい。

 ショートホールが 5つ、ロングホールが 3つで、パーの合計は 70。ティーは 3つで、うしろからチャンピオンティー 7042yd、バックティー 6938yd、フォワードティー 6464yd となっているが、チャンピオンとバックに差がほとんど無いのは理解に苦しむ。詳しくはその "貧弱" なスコアカードを参照のこと。
 予約はフリーダイヤル 877-321-9966 まで。グリーンフィーは前述の通り 500ドル、それにキャディーへのチップがプレーヤー1人につき 50〜100ドル必要。
 「利用者が少ないゴルフ場よりも、客室棟を増築した方が儲かる」 そんな土地の有効利用論が株主や経営陣の中から出てきているのも事実で、このゴルフコースの運命もあと数年という噂もある。興味がある者はなるべく早い時期にプレーしておいた方がよいかもしれない。


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