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ラスベガスのゴルフ場に関する一般知識


 * ラスベガスのゴルフ場は異常に高い?!
 * なぜ高いのか?
 * ラスベガスは全米屈指のゴルフ天国
 * 新旧の交代が異常なまでに激しい
 * 複雑な料金体系
 * 予約システム
 * 9月は 2週間クローズ
 * 冬期のフロスト・ディレイ
 * スタート時と終了時の日米の習慣の違い
 * プレーにおける日米の習慣の違い
 * 服装のルール
 * カート利用における 90度ルール
 * チップと小銭
 * その他


[ ラスベガスのゴルフ場は異常に高い?! ]TOP ▲
  総じて物価が安いラスベガス。そして日本よりもゴルフのプレー費が安いことで知られるアメリカ。当然のことながらだれもがラスベガスのゴルフ場は 「超安い」 と考えてしまいがちだ。
 ところがなんとラスベガスのゴルフ場は全米でもかなり高い。ちなみにアメリカの普通の都市におけるグリーンフィーの相場が $40〜$60 であるのに対して、ここラスベガスのそれは $100〜$200 となっている (季節や曜日によってかなり幅があるが)。昨今のデフレ気味の日本の経済状況を考えると、もはやラスベガスでのゴルフは日本よりも高いといった感じすらある。 (ただし、地元民割引が適用される地元民は、運転免許証などを提示すると半額程度になることが多い)
 それでもリーマンショック以降の需要の低迷で、ここ数年はグリーンフィーが低下傾向にあるのも事実。また、日本からの観光客にとっては、円ドルの換算レートによっても割高感や割安感は変わってくるので、グリーンフィーの相場観を単純に語ることはむずかしい。


[ なぜ高いのか? ]TOP ▲
  結論から先に言ってしまえば需要と供給のバランスということになる。つまり、それだけ高い料金を支払ってでもプレーをしたいという者がたくさんいるということだ (少なくともリーマンショック以前は)。
 ホテルの料金やレンタカーの料金を見るまでもなく、ここラスベガスでは何ごとにおいても 「定価」 というシステムよりも 「市価」、つまりその日その日の需給バランスで価格が決まるシステムを好む傾向にある。まさに経済学の教科書に出てくる市場原理そのものといった感じだが、その結果、ゴルフ場のプレー費までもが生鮮食料品のごとく日々変動する。$200 以上したグリーンフィーが翌日には $50 などということがあり得るのがラスベガスで、ひどい場合は午前と午後のスタートで料金が倍も違うこともある。
 いずれにせよグリーンフィーが総じて高いということは、旺盛な需要が価格をつり上げているということに他ならず、つまりラスベガスでは慢性的にゴルフ場が不足しているということになる。その一方で、経営状態が良くないコースは閉鎖を余儀なくされ、消えていっているコースが少なからず存在しているのも事実 (たとえば、The Falls など)。
 もう一つラスベガスのグリーンフィーが高い理由として、コース維持における水の問題がある。ラスベガスは砂漠性気候のため、雨に頼れない分だけ水を人工的に散布しなければならず、その分、コストが高くなるというわけだ。(水の単価自体は他州に比べ著しく高いというわけではないが、乾燥しているため水の消費量が非常に多くなってしまいがち)
 さらにまったく別の理由として、他の都市に比べ地元民ゴルファーと観光客ゴルファーの比率の違いもある。当然のことながらラスベガスでは観光客ゴルファーの比率が相対的に高い。ラスベガスを訪れる観光客の大部分は海外からの訪問者ではなく全米各地に住む一般アメリカ人だが、彼らの多くは、雪などで冬季にはプレーできない地域 (五大湖周辺地域など) に住んでおり、ラスベガスでのゴルフを非常に楽しみにしている。また観光客であるがゆえに彼らは地元民に比べ旅行気分になっている分だけ高いグリーンフィーでも受け入れてしまいがちだ。
 そのような理由からラスベガスのゴルフコースのグリーンフィーは一般の都市に比べて高い。それでも、その分コースのレベルも高く、実際にプレーしてみると料金に見合っただけの満足感を得られるのがラスベガスでのゴルフの特徴だ。コースのレベルが高い理由は、一般市民ゴルファーを相手としている他の都市のコースと異なり、ラスベガスではゴルファー自身が始めからリゾート気分を求めているため、コース側にも高いレベルが要求されているからだ。
 何ごとにおいても華やかでゴージャスさが求められているラスベガスでは、ゴルフコースもゴージャスでなければならない、ということのようである。


[ ラスベガスは全米屈指のゴルフ天国 ]TOP ▲
  以上のような理由から、ラスベガスはカリフォルニア州のパームスプリングス、アリゾナ州のフェニックス周辺、ノースカロライナ州、サウスカロライナ州、およびフロリダ州オーランド周辺などと並ぶ全米屈指のリゾート型の "ゴルフ天国" となっている。
 これらの地域に共通していることは、「夏は非常に暑い」 ということだろう。パームスプリングスとオーランドはもともと寒い地域に住む人たちの 「避寒リゾート地」 として発展してきたため暑くて当たり前だが、ラスベガスも偶然これらの都市に負けず劣らず夏は暑い。それでも湿度が非常に低く、また、やや高地 (海抜 600m 以上) にあるため真夏でも早朝などはかなりすがすがしくプレーを楽しむことができる。したがってラスベガスでのゴルフ環境は、蚊が多くジメジメしたオーランドなどよりも遙かに恵まれていると言ってよいだろう。


[ 新旧の交代が異常なまでに激しい ]TOP ▲
  一般にどこの都市においても名門コースとそうでないコースがあるが、基本的に名門コースはいつまでたっても名門コースだ。一方、ラスベガスでは、競争による新旧の交代が激しく、次から次へと登場するゴージャスな新設コースの前に名門コースもその名を失っていく。かつては PGAツアーの桧舞台となっていた現 Las Vegas National などはその典型だが、Dunes や Desert Inn など、街の変貌と共にやむなく姿を消していったコースも少なくない。また、ひところ会員制の名門コースだった Spanish Trail が準パブリックコースになったり、カジノの上客しかプレーが許されていなかった Cascata が一般に開放されたり、状況は常に変化している。

[ 複雑な料金体系 ]TOP ▲
  需要と供給のバランスで料金が大きく変動していることは先に述べたが、一般的に春と秋の週末が一番高く、猛暑が厳しい真夏の平日の午後からのスタートが一番安い。冬は寒さがそれほど厳しくないためシーズンオフということにはならず (シカゴやニューヨークなど凍結でゴルフができない地域から多数の避寒ゴルファーがラスベガスにやって来るため需要は旺盛) あまり安くならないが、全米各地がクリスマス準備などで忙しい 12月だけは観光客が激減するためか、真夏並みの安い料金がオファーされることがある。
 また真夏は、涼しい午前中のスタートに比べ、気温が上昇する午後からのスタートは人気がないため、真夏の時期に限り午前と午後で料金に大きく差を付けているコースも少なくない。結果として、同じコースでも、「秋の週末 $250、真夏の平日の午後スタート $40」 などといったことが実際に起こり得るのがラスベガスのゴルフ事情だ。
 なお、多くのコースでは、土地や労働力を供給している地元に利益を還元するためか、需要を掘り起こしたいためか、「地元民割引」 を導入している。そのようなコースでは、地元民であることさえ証明できれば (運転免許証などを提示するのが一般的)、割引料金でのプレーが可能だ。


[ 予約システム ]TOP ▲
  一般的にはプレー日の 2週間前から予約を受け付けているコースが多いが、1ヶ月前や 3ヶ月前といったコースも少なくない。
 なお、予約の際、多くのコースでは、クレジットカード番号をコース側に申し出てキャンセル保証を入れる必要がある。つまりクレジットカード番号を提示しない限り予約は取れないことになる (もちろん例外もある)。
 もう一つ知っておきたいことは、日本でもいえることだが、3名に満たない人数での予約に関してだ。ゴルフコース側としては、それぞれのスタート時間を効率よく使いたいため、予約の受付は原則として 「4名様もしくは3名様」 と決めているところが多い。したがって、2人で予約をしようとすると受け付けてもらえず、「空いているスタート時間に入れてあげますので、とりあえず現地に来てください」 ということになりやすい。一人でのプレーの場合、かなり高い確率で、その方法でプレーできる。なぜなら、3人組の予約が必ずいくつか存在しているからだ。では2人の場合どうなるか。2人の場合は必ずしもプレーできるとは限らないことになるが、わざわざタクシーやレンタカーで現地に行ってからプレーできないことがわかるのも時間の無駄なので、2人の場合は、当日の朝、ゴルフ場側に電話をして確認するようにしたい。2人の事前予約を受け付けていないコースでも、当日であれば、2人でも予約を受け付けてくれる場合が少なくない。
 蛇足ながら、予約時に必ず必要となる "スタート時間" という言葉は、アメリカでは "Tee Time" という (日本でも最近は使われているようだが)。お茶の時間を聞かれているわけではないので間違わないように。
 なお、自分で予約するのがめんどくさいという者は、予約、送迎、チェックインなどがすべてパッケージになった日本語ツアーも用意されているので、それらを利用すると便利だが (詳しくは [ツアー] セクションを参照のこと)、自分でレンタカーを利用して行くよりはかなり割高になってしまうことは否めない。

[ 9月は 2週間クローズ ]TOP ▲
  夏の高温、日射過多、低湿度、やせた土壌など、ラスベガス特有の自然環境を背景に、在ラスベガスの各ゴルフコースは 8月末から 10月の初旬にかけて (ほとんどの場合が 9月)、ほぼ例外なく約 2週間ほど営業を停止する。いわゆる "Over Seed Close" と呼ばれる種まきなどのためのクローズだ。このクローズ期間中に、グリーンのみならずウェアウェーなども含めたすべての芝を新たに再生させる。
 在ラスベガスのそれぞれのコースが少しずつ時期をずらして行なうため、すべてのコースが休み、ということにはならないが、9月中旬などは約半数のコースが休みとなるため、この時期にラスベガスでゴルフを予定している者は注意が必要だ。なお、Over Seed Close の直後は芝が十分に生えそろっていないことを嫌うゴルファーも多いが、逆に、「痛んだ場所が完璧に修復され、一年中で最もコースコンディションが良い時期」 との声もあるので、コースコンディションを理由にあえてこの時期を避ける必要はないだろう。

[ 冬期のフロスト・ディレイ ]TOP ▲
  「灼熱の砂漠気候」 というイメージがあるラスベガスの冬は、それほど寒くないようにも思われたりするが、実際にはそうでもなく、早朝の気温が氷点下になることは、しばしばある。
 そのような日、つまり霜が降りるほど寒い日は、当日の朝、「フロスト・ディレイ」 (frost delay) というものが宣言され、凍った芝生が解けるまで、プレーを始めることはできない。
 この場合、その日に予約されていたスタート時間は、すべてうしろにずらされる。たとえば 2時間のフロスト・ディレイになった場合、8時に予約していた者のスタートは 10時、9時の者は 11時ということになる。
 午後のスタート時間だった者は、日没が心配されるスタートになってしまうこともありえるわけだが、その場合、キャンセルしても、キャンセル料は取られないのが一般的だ (事前にグリーンフィーを払い込んである場合は、支払い時に使用したクレジットカードに返金されるのが普通)。
 フロスト・ディレイは、当日の朝になるまでわからないので、気温がかなり低いと感じた場合は、ゴルフコースに出向く前に電話をして状況を確認したほうがよいが、電話が殺到して現場が混乱しているのか、電話に出てもらえないことが少なくない。その場合、とにかく現場に出向くしかない。
 ちなみに、フロスト・ディレイが行われる理由は、凍った状態の芝生の上を歩くと、芝生の葉が折れその部分の細胞が破壊され、葉が死んでしまうからとされている。

[ スタート時と終了時の日米の習慣の違い ]TOP ▲
  アメリカのゴルフコースにおいては、各自がめいめいにそれぞれ一台の自家用車で到着することを前提として施設が設計されているためか、各プレーヤーのためのロッカーなどはないのが普通だ (あくまでもパブリックコースの話)。つまり各プレーヤーは、日本のようにロッカールームでゴルフシューズに履き替えたりすることはせずに、駐車場で履き替えそのままティーグラウンドへ向かう (もちろんその前にグリーンフィーを支払わなければならないが)。もちろんメンバーコースのメンバーは個人用のロッカーを持っているが、それでも全員がロッカーを使うわけではない。つまりビジターはもちろんのこと、メンバーも 「自分の車のトランクがロッカー」 という者が多い。
 日本からの観光客ゴルファーもレンタカーを利用する限り、このアメリカ方式に従って駐車場でシューズに履き替えればよいことになるが、タクシー利用者の場合は、なかなかそうもいかない。
 ではどうすればよいか。ロッカーがないゴルフコースの場合 (パブリックコースでは多くの場合、無いと考えた方がよい)、2つの方法が考えられる。ひとつは、ホテルを出る際にゴルフシューズに履き替えてしまう方法。もうひとつは、ゴルフ場に到着後、どこか適当な場所でシューズに履き替え、それまで履いていた靴はキャディバッグにしまっておくという方法だ (レンタルクラブの場合でもそれでかまわない)。
 前者の方法でも、行き帰りにどこかに立ち寄る予定がなければ、ソフトスパイクである限り特に歩きづらいなどの不便はないはずで、また後者の場合でも、キャディバッグをかついで歩くわけではないので (電動カートに乗せるので)、重いこともないだろう。
 さてプレー終了後だが、パブリックコースの場合、日本と違い一般的には入浴の習慣が無い。シャワールーム程度の施設はあるが、利用する者はほとんどいないと考えたほうがよい。5分や 10分で自宅に帰れるアメリカのゴルファーにとって、ゴルフ場で風呂に入る必要はないというわけだ。ということで日本からのゴルファーも風呂に入ることができないので、着替えを持っていっても着替える場所に困ってしまったりするのが現実。シャワーを浴びたい場合は、ただちにホテルへ戻ることを考えたほうがいいだろう。

[ プレーにおける日米の習慣の違い ]TOP ▲
  アメリカでのゴルフプレーにおいて日本と一番大きくちがう点は 18ホールを一気にプレーするということだろう。つまり日本のようにハーフ 9ホールで休憩することはない。したがって、ランチタイムがないため、空腹が耐え難いという者は、あらかじめ朝食を十分に摂っておく必要がある。それでも 9番ホールのグリーンから 10番ホールのティーへ向かう途中などに簡単な売店があり、そこでサンドイッチやホットドッグ程度のものを買うことができるようになっている場合が多い (その場合、ゆっくり食べていると後続の組に追いつかれてしまうので注意が必要)。また、コース内を巡回しているスナックカートでも、ドリンク類以外にサンドイッチなどを売っている場合があるので、それらを利用するとよいだろう。いずれにせよ、ゆっくり座って食べている時間はなく、カート内に持ち込んでプレーしながら食べるカタチになるので、日本のような休憩時間はないと考えた方がよい。
 もう一つ日本と異なる習慣は、ショートホールでのプレーだ。日本では、グリーンに乗ったあと、後続の組に打たせることが少なくないが、アメリカでは、よほど前がつかえている場合を除き、そのようなことはめったにしない。仮に前がつかえていたとしても、よほど特殊な状況でない限り、さっさとプレーを終え次のホールへ進むべきだろう。
 また、自分の視界に入っている他の組のプレーヤーがナイスショットをしてナイスオンしても、日本と違いなぜか拍手を送る習慣はないので静かにしておいた方がよい。(お互いが至近距離にいる場合、"グッドショット" などと声をかけることはよくあるが)
 あとこれはどうでもよいことだが、アメリカのコースでは、オナーを決めるためのクジ引きの棒が 1番ホールのティーグラウンドに用意されていない。ジャンケンで決めるという習慣もない。4人が集まり誰かひとりがティーペッグを投げ上げて決めるのが普通だ。落下したティーペッグの先端が向いた位置に立っている者がオナーということになる。もしくは、各プレーヤーが自分のボールを差し出し、それをまとめて誰かひとりが軽く投げ、ボールが落ちた位置の距離の順にオナーを決めるという方法もあるが、あまり一般的ではない。アメリカ人と一緒にプレーすることになった場合、これらの方法がとられるので覚えておくとよいだろう。

[ 服装のルール ]TOP ▲
  ほとんどのコースが "襟無しのシャツとジーパンはダメ" を服装の条件としているので、Tシャツなどで現場へ行ってしまうとプロショップで高いゴルフシャツを買わされることになりかねないので注意が必要だ。なお、半ズボンはOK、というか、暑い夏に長ズボンでプレーしている者はまずいないので、暑い季節 (ラスベガスではおおむね 5月から9月) にプレーする者は必ず半ズボンをはくようにしたい。長ズボンではカッコ悪いというよりも、自分自身が暑すぎてつらい思いをすることになる。日本ではおとなの半ズボン姿はあまり見かけないが、ラスベガスではゴルフ場に限らず、街の中でも真夏はほとんどの者が半ズボンなので、ゴルフをやらない場合でも夏場はそれを持参したい。
 なお、かなり昔、高級コースでは、「半ズボンの場合はハイソックス着用」 といったルールがあったが、今はそのようなルールは完全に消滅している。短いソックスでなんらかまわない。

[ カート利用における 90度ルール ]TOP ▲
  超高級コースを除き、アメリカのゴルフプレーにおいてキャディーが付くことはほとんど無い。つまり各自が電動カートに乗りプレーすることになる (安い市民コースを除き、ラスベガスのコースでは、電動カート代はグリーンフィーに含まれている)。そしてこの電動カートの走行に関して次の 3つのルールが用意されており、コースによって、また、天候によって、その日に採用されるルールが異なるので注意が必要だ。(日本のゴルフ場で見られる4人乗りのカートはなく、すべて2人乗り。またカートが無線で自動走行するような軌道が用意されているわけではないので、ハンドル、アクセル、ブレーキ、すべて人間が操作する必要あり)
 [自由にフェアウェーの走行が可能]、[フェアウェーだけは 90度ルール]、[常にカート道だけ] がその 3つで、通常 [90度ルール] が採用されることが多い。また、雨が降った翌日などはフェアウェーを痛めやすいため [常にカート道] になる。晴れの日でも [自由にフェアウェー] が採用されることは意外と少なかったりする。
 さてその 90度ルールだが、英語で "90 degree rule" と呼ばれるこの規則は、「フェアウェーにある自分のボールへ向かう際は、電動カートでのフェアウェー内の走行距離を最小限にするよう、まずはカート道を走行し、ボールに最も近い真横の位置に到達してから、そのカート道に対して 90度の角度でフェアウェー内に入れ」 というルールだ。つまり、ティーショットをしたあと、いきなりボールに向かってフェアウェー内をまっすぐに走行してはいけない。それをやってしまうと、みんなが同じような場所を走行するため、ティーグラウンドとフェアウェー間の特定の位置の芝生がすぐに痛んでしまう。なおこのルールは原則としてセカンドショット以降も同じだ。
 その日にどのルールが採用されているかは、カートの車体のどこか、スタート小屋、1番ホールのティー付近、などに書かれているのが普通だが、もしわからなければクラブハウスでチェックインの際に聞けばよい。
 あと注意したいこととして、その日のルールが [自由にフェアウェー] もしくは [90度] になっていても、特定のホールだけ [常にカート道] になっていたりすることがしばしばあるので気を付けたい (芝生が傷んでいるホールやショートホールでよく見かけられる)。その場合、ティーグラウンド付近のカート道の脇に [Cart path only] もしくは [Keep on cart path] などと表示されている。

[ チップと小銭 ]TOP ▲
  日本人にとってはわずらわしいチップの話だが、ゴルフ場においてもチップが必要なケースがある。スナックカートで飲み物などを買う際と、18ホール終了時だ。
 ドリンクなどを販売するためのスナックカートがコース内を巡回していることは先に述べたが、そこで何かを買う際は 100ドル紙幣ではなく、5ドル札や 10ドル札、大きくても 20ドル札を用意しておく必要がある。また、半端の釣り銭なども含めて 1〜2ドルはチップとして渡すのが普通なので (全部の代金が 2ドルの時にチップを 2ドルも渡す必要はないが、4人分のドリンクを買えばすぐに 10ドル程度になってしまうので、そのような場合はそれなりのチップが必要)、1ドル紙幣は欠かせない。
 また、18ホール終了時にクラブハウス前にカートで戻ると、ほとんどの場合、そこにはゴルフ場側のスタッフが待機しており、汚れたクラブをふいてくれたり、ゴルフバッグを駐車場まで運んでくれたりする。運んでもわらなくても、クラブをふいてもらった場合はゴルファーひとりにつき 1〜2ドルのチップを渡す習慣になっているので、ここでも小銭が必要となる。
 なお、キャディー付きのコースの場合 (ラスベガスにまったくないわけではない)、プレーヤーひとりにつきキャディーに 50ドル程度渡すのが相場だ。日本的な感覚では高すぎるようにも思えるが、キャディーには固定給がないのと、キャディーが付くコースは超高級なので、その程度の金銭感覚の持ち主がプレーする、と考えればよいだろう。
 ゴルフ終了後も、タクシー利用の場合はさらに運転手へのチップが必要なので (運賃の 15〜20%)、細かい紙幣はできるだけ多く持っていくようにしたい。
 ちなみに1ドルや5ドル紙幣の調達は、宿泊ホテルのカジノ内に BILL BREAKER と呼ばれる両替マシン (銀行のATMのようなマシン) がたくさん設置されているので、それを使えば簡単だ。わざわざ日本から調達していく必要はない。そのマシンに高額の紙幣を挿入すれば、小額の紙幣になって出てくる。もちろん手数料などはなく、だれでも24時間自由に使える。

[ その他 ]TOP ▲
  ● どんなスポーツにおいても安全は第一だ。人がいる方向へ打ってしまった場合は大声を出して叫ぶ必要がある。その時の声は日本もアメリカも同じで 「フォー!」 (Fore) でよい。全員で叫ぼう。(Fore は辞書にも載っているゴルフ用語で、ほぼ万国共通)
 万一、前の組に打ち込んでしまった場合は、次のホールで "I am very sorry about last hole." (「先ほどのホールではすみませんでした」) などと言って素直に謝罪する必要がある。まず大部分の人は 「気にしないでいいよ」 などと言って笑顔で許してくれるが、同じことを二度やるとケンカになるので注意が必要だ。

 ● アメリカでは、ほぼすべてのゴルフコースに立派な練習場 (Driving Range) があるので、早めに現地へ到着してウォーミングアップをするとよいだろう。練習ボールはグリーンフィーに含まれている場合と、別料金で買い求めなければならない場合がある。前者の場合は、練習場の各打席にボールが山積みされているのですぐにわかる (勝手に打ってかまわない)。後者の場合は所定の場所 (ゴルフ場によって異なる) で買い求めることになるが、料金はおおむね5ドル前後。なお、練習マットからではなくて、自然の芝生の上から打てるようになっていることも多く、その場合、ドライバーショットの練習をしたい者はティーをたくさん持っていく必要があるので忘れないように (受付やスタート小屋にティーが無料で山積みされている場合も少なくない)。

 ● 先ほど 「ショートホールで後続の組に打たせる習慣はない」 と書いたが、ショートホールに限らず、遅い組が後続の組をパスする習慣はある。特に自分たちの組が 3人もしくは 4人で、後続の組が 2人の場合、追いつかれたらパスしてもらうよう申し出るのが当然のマナーだ。
(じつはマナーという以前に、かつては USGAルールの第一章の "コース上の先行権" の項で、「特別の取り決めがなければ、2球でプレーする組は3球や4球でプレーする組に優先し、パスすることが認められるべきである。また、3球や4球でプレーする組は2球でプレーする組にパスするよう促すべきである」 とハッキリ明記されていた。現在は、プレーヤーの人数ではなく、「プレーのペースが速い組が優先されるべき」 に改定された)
 パスしてもらう場所としては、ティーグラウンドなどが普通で、後続の到着を待ってパスを申し出ればよいだろう。Please go ahead. などと言えばわかってもらえる。

 ● グリーンまでの距離を示す標識は、日本と同様 100ヤード、150ヤード、200ヤードのマーク (ディスク状のもので 100 が赤、150 が白、200 が青、が一般的) がフェアウェーの中央に埋められているか、フェアウェーの両サイドにそれを示す石や植木などが存在している。また、カート道の路面にもペイント表示で示されていることが多い。さらに任意の地点からグリーンまでの距離がフェアウェー内に点在する散水用のスプリンクラーヘッドに示されていることもある。その場合、そのスプリンクラーヘッドに距離がひとつだけ記載されていればそれはグリーンの中央までの距離で、3つ示されていればグリーン中央までの距離に加え、グリーン手前のエッジまでの距離とグリーン奥のエッジまでの距離を示していることになる。なお最近は、GPS による測定値が電動カート内のディスプレイに示されることも多くなってきた。スマートフォンに、距離測定用のGPSアプリをインストールしておくのもよいかもしれない。

 ● ショットの際に切り取った芝生は元に戻しておくか、カートに搭載してあるタネ入りの砂 (ビールの大ビン程度のプラスチック製のケースに入っている) で必ず目土しておくこと。

 ● 日本と同様、アメリカでも金属スパイクはすでに過去のものとなっており、その種のシューズを見かけることはほとんどないが、念のためあえて書いておくと、多くのゴルフコースが金属スパイクでのラウンドを禁止している。したがって、シューズはソフトスパイクでなければならない。なお、レンタルクラブはどこのコースにもあるが、一般的にレンタルシューズはないので、日本から持参しない場合は、コース内のショップなどで買う必要がある。スニーカーなどでのプレーは可能。

 ● 日本からわざわざクラブを持参するのは大変なので、レンタルクラブの利用も大いにけっこうだが、その料金は意外と高く $50〜$70 が相場となっている。

 ● 日本のゴルフ場のようにホールの途中に売店があることはまれだ。なおトイレは必ず途中にある。ただ、浮浪者などに勝手に使われないようにしているためか (ラスベガスのゴルフ場周辺に浮浪者が多いというわけではないが)、トイレ施設へ入るドアにカギがかかっていることが少なくない。その場合は、電動カートのキーで開くようになっているのが一般的なので覚えておくと便利だ。

 ● フェアウェーなどでボールを動かしてもよいといういわゆる "6インチリプレースルール" はアメリカでは一般的ではない。もともと USGA の公式ルールにもないので、そういう下品な行為はなるべく避けるようにしたい。ただ、アメリカでも、コンペなどではなく、遊びでプレーしている場合は、6インチどころか 1メートルぐらい勝手に動かしている者も少なくない。

 ● 日本で言うところの "前進4打" はアメリカではあまり一般的ではないが、まったくないわけではない。その場合の "次のショットの場所" のことは "Drop Area" といい、それなりの表示があるのが普通で、その Drop Area からは前進3打となるのが一般的。詳しくはスコアカードのローカルルールを参照のこと。

 ● 日本では、数十センチ以下の短いパットのことを "オーケーボール" もしくはただ単に "オーケー" などというが、アメリカでは一般に 「このパットは私にください」、つまり gimme ( = give me) ということで、 "ギミーパット" や "ギミーボール" もしくはただ単に "ギミー" というので、アメリカ人とプレーすることになった場合は覚えておこう。これを知らないと意外と意味が通じないことがある。
 英語の話が出たついでに言うならば、ティーグラウンド、ピン、ナイスショット は、まったく通じないこともないが、一般的にはそれぞれ、ティーボックス(tee box)、フラッグスティック(flagstick)、グッドショット(good shot) または ビューティフルショット(beautiful shot) という。「ナイスオン」 は和製英語なので通じない。「グッドショット」でいい。

 ● レンタカーがない場合、交通手段はタクシーが最も一般的だが、帰りのタクシーに関しては、クラブハウスの現場スタッフに申し出れば呼んでもらえる。もっとも、最近はタクシーよりも圧倒的に早くやって来てくれるウーバー(Uber) や リフト(Lyft) を使う人が増えてきているので、現場スタッフにタクシーをたのんでも、ウーバーやリフトを使うように言われてしまうことが少なくない。

 ● ショートホールのティーグラウンド脇に、数千ドルの数字が並ぶ看板を持った者が暇そうに立っていることがある。これは "Hole-in-One Challenge" などと呼ばれているもので、掛け金 (5ドルまたは 10ドルが一般的) を払って参加し、見事ホールインワンを達成すると、そこに記載されている賞金や賞品をもらえるというお遊びだ。ゴルフ場とは無関係に行なわれている一種のチャリティー行為だったりして、掛け金の一部が賞金に、残りがチャリティーに回されることが多いようだが、現場で公的な伝票処理がなされているわけでも、第三者が見ているわけでもないので、かなりの部分がそのオジサンのポケットに入ってしまったりしているとの噂もある (ゴルフコースがプロショップの商品券などをくれるようになっている場合はその限りでは)。もちろん参加する必要も義務もまったくないが、参加してもかまわない。ただ、ホールインワン達成時にどのような方法で賞金が支払われるかは、あいにくその達成現場に遭遇したことがないためラスベガス大全としては情報を持ち合わせていない。ちなみにこの種のオジサンは暑さが厳しい真夏よりも季節がよい春や秋に出没する傾向にある。


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