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KA




ホテル  MGM Grand / 702 - 531 - 2000
スケジュール  7:00pm と 9:30pm
休み  日曜日 と 月曜日
料金  以下の本文中の表を参照 (2015 年 11月 現在の料金)
ドリンク なし 年齢制限 5才以上
英語力 不要 座席指定 指定席

 カナダの人気サーカス団シルク・ドゥ・ソレイユによるアクロバットショー。ラスベガスでの同劇団による定期公演ショーとしてはミスティア、オウ、ズーマニティに次ぐ第4作目。
 その後、LOVE、クリスエンジェル、ビバ・エルビスが登場、すぐにビバ・エルビスがザーカナに置き換わり、そして 2013年5月からマイケル・ジャクソン・ワンが始まったので、現在8つのシルクのショーが定期公演されている。

 オウが水をテーマとしていることや、KA という語感、さらには宣伝広告のデザイン (右写真、クリックで拡大表示) などから、「水の次は火か」 と、火をテーマにしたショーと思いこんでいる者も少なくないようだが、エンディングのシーンで見られる花火を除くと、実際には火はそれほど多く使われていない。
 また、KA の意味も、古代エジプトで信じられてきた 「人間の心に宿るさまざまな魂の総称」 とのことで、「火」 とは特に関係ない。
 であるならば、エジプトがテーマのショーなのかというと、見ている限りそうでもなく、むしろ衣装などは 「アジアを意識した」 (コスチュームデザイナー) というだけのことはあって、エジプトよりも中国をイメージしたような場面が随所で見られる。

 宣伝などでは、「双子の少年と少女の冒険旅行」 というストーリーが強調されているが、実際にはミュージカルのような明確なストーリーの存在を意識しながら観るショーではない。
 シルク側もストーリーの存在を強調する一方で、「アクロバット、マーシャルアーツ、マルチメディア、花火などで "Nature of Duality" を表現した」 と説明しており、ストーリー性のある物語よりも、基本的にはサーカスやアクロバット的なショーと位置付けているようだ。
 事実その Nature of Duality という難解な言葉が象徴するように、実際にショーを観た限りでは、そのストーリーも主張も極めて抽象的で、見る者ひとり一人が自由に解釈すればよいといった感じの内容に仕上がっている。
 もちろん役者がしゃべるシーンはまったくなく (これは、世界中の者が言語の違いを超えて楽しめることを信条とする同劇団のポリシー)、そういった部分においても一般のミュージカルとは明らかに別モノと考えるべきだろう。

 そのようなわけで基本的にはサーカスやアクロバットとして楽しめばよいわけだが、このショーはとにかく舞台設備がすごい。
 ステージの一部が上下する劇場は昔からどこにでもあるが、ステージ全体が上下するどころか、それが斜めになったり宙に浮き上がったり、さらには回転したり垂直に立ってしまったりするというのは、世界中どこを探してもここだけだろう。
 制作費がオウのそれを遙かに上回る 1億 5000万ドル以上というのもうなずける。
 「垂直になるステージ」 と表現しても、それがどのようになされるのか、また、役者はどうやってその垂直の舞台面に張り付いていられるのか説明がむずかしいが、それは観てからのお楽しみということにしたい。

 初期投資が巨額なだけにチケット料金もそれなりに高い。それでも集客という意味での需給バランスがオウに比べて多少ゆるいのか、オウよりもやや安めの価格設定になっている。

公式チケット価格$180.00 $150.00 $130.00 $99.00 $69.00 
LET税 9%$16.20 $13.50 $11.70 $8.91 $6.21 
販売手数料$10.95 $10.95 $10.95 $10.95 $10.95 
最終価格$207.15 $174.45 $152.65 $118.86 $86.16 
( LET とは、Live Entertainment Tax の略で、いわゆる興行税のこと。ラスベガスでの一般の消費税 8.1% とは異なり、 LET が課税される商品に対しては消費税は課税されない)
 なお、「販売手数料」 は、これは買う側としては、気分のいいものではないが、ラスベガスのショーチケットにおいてはほとんどの場合、これが存在しており、シルク・ドゥ・ソレイユも例外ではないので仕方がない。(ショーを実際に行う劇団側と、チケットを販売する部門が別組織になっているため、公式サイトで買っても販売手数料が発生する)

 話はショーの内容に戻って、とにかくこのショーは、技術的な部分において、ソフトではなくハードの主張が強く感じられる特異な存在だ。
 つまりその技術は、舞台設備に秘められたメカトロニクスの結晶となって現れており、最近流行のコンピューターのソフト技術を駆使した音、光、映像などに頼りがちなハイテク演出とはひと味も二味も違っている。
 もちろんこのショーでもソフト的な技術はたくさん使われているが、機械工学のエンジニアがコンピュータープログラマーから主導権を奪い取ったような演出が随所に見られ、ショー本来の原点に帰ったようで観ていて気持がいい。
 観ているほうは気持ちがよくても、「垂直ステージ」 などで演じなければならない役者のリスクを考えると、のんきな気持ちではいられない。ステージ下の奈落が想像を絶するほど深く、そんな環境で激しく動き回る役者は常に死の危険と隣り合わせだ。(実際に、2013年6月29日、公演中に死亡事故が発生している。なお、その事故が発生したシーンは、安全性の確認ができないとのことで、その後カットされていたが、2014年12月から復活することになった)

 メカ重視というわけではないだろうが、オリジナルの音楽はミスティアやオウのそれに比べ、あまり印象に残らない単調なメロディーだ。また、役者ひとり一人のパフォーマンスやその難易度もミスティアやオウの方がまさっているように思えるが、気のせいか。
 もっとも、変則なステージという危険な環境を考えると、動きに制約があるのは当然のことで、ミスティアやオウと同類のアクロバットを期待すること自体に無理があるかもしれない。
 結局は好みの問題ということになってしまうが、大ざっぱに表現するならば、「前衛的なサーカスショーのミスティア」、「華麗なる水上ショーのオウ」、「無法的エロスを追求するズーマニティー」、「メカトロニクスとアクロバットの融合の KA」 といったところか。
 したがって、華麗さを求めるならばオウ、サーカスの技を観たければミスティアということになり、このKAはどのような人に支持されるのか今ひとつわからない部分もあるが、それはそれで謎めいていて良いのかもしれない。

 ところでこのショーに日本のバトントワリングの第一人者・高橋典子さんが出演している。世界バトントワリング選手権ゴールドメダリストという輝かしい実績を持つ彼女は、いわゆる "その他大勢" ではなく、準主役的な立場で登場するから驚きだ。同じ日本人としてうれしい限り。今後のますますの活躍を期待したい。ちなみに彼女は 2011年4月、公演中にアキレス腱を負傷するという事故に遭遇してしまったが、数ヶ月の療養の後、見事にカンバックしている。

 なおこれは余談だが、幕が開く直前にアナウンスされる 「撮影禁止、携帯電話禁止、喫煙禁止」 の告知方法が、この劇団らしく非常におもしろい。ピエロのような役者が、カメラや携帯電話を持っている観客からそれらを取り上げて、ステージの奥で燃えている火の中に投げ込んでしまったり、タバコを吸っている客をステージの上に引っ張り上げ、そのまま奈落の底に突き落としてしまう。もちろんそれらはすべてサクラを利用しての演技だが、なんともこの劇団らしい愉快な演出だ。

 会場は MGMグランド内の KAシアター。広いホテルだが、場所はカジノ内の案内表示にしたがって進めばすぐにわかる。
 そのシアターの脇には公式ギフトショップが併設されており、ショーで使われる衣装やマスクなど、さまざまな商品を買うことができる。
 オウのシアターと違い2階席はなく、すべての座席フロアが同じ平面内に位置しているため、座席の違いによる視野の違いはそれほど大きくない。したがって予算が苦しい場合は、あまり無理して高い席にする必要もないだろう。もちろんステージに近い席の方が迫力があることは言うまでもないので、とことんこのショーの良さを楽しみたい者は、やはり高い席にしておいた方がよいかもしれない。

 チケットはMGMグランドホテルの公式サイト www.mgmgrand.com を通じて買うことができるが、2013年4月から、その公式サイト内の特別なページで割引販売も始めているので (常に割引販売があるとは限らない)、それらを利用するとよいだろう。その割引のページに関しては、このラスベガス大全のトップページ (週刊ラスベガスニュースが掲載されているページ) の一番下のほうにリンクがある。

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