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ウィン ラスベガス




英語名   WYNN LAS VEGAS
住所   3145 LAS VEGAS BOULEVARD LAS VEGAS, NV 89109
電話  702-770-7000 総客室数  2716 室
フリーダイヤル  1-888-320-9966 スイートルーム  351
FAX  702-693-8585 レギュラールーム  $150〜
外貨交換  あり スイートルーム  $250〜
総合評価  

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 ミラージ、トレジャーアイランド、ベラージオなど、現在のラスベガスを代表する大型テーマホテルをクリエイトしたホテル王 Steve Wynn 氏の新たなホテル構想に対して、日本のパチスロ大手アルゼ社(2009年11月からユニバーサル・エンターテインメント社に社名変更) の会長・岡田氏が賛同し巨額を出資して実現した大型高級ホテル。
 総工費は 27億ドルともいわれており、2005年4月の開業の時点では、世界で最も建設コストがかかっているホテルとされる。
 事実上のオーナーである岡田氏の名前はホテル名には含まれていないが、同氏の名前を冠した高級和食レストラン "OKADA" が、2012年2月まで正面玄関脇にあった。(現在は改装工事中で、2012年5月に営業再開の予定だが、店名は変わる模様)
 ちなみに岡田氏およびユニバーサル社側から見たウィンリゾーツ社(このホテルを保有する会社) は、日本の会計規則でいうところの持分法適用関連会社になり、ユニバーサル社が米国子会社などを通じて保有している株式比率は 2012年1月時点で約20%。ウィン氏も長らくほぼ同数の株式を所有していたが、長年連れ添った妻と 2009年に離婚した際、保有株式の半分を妻と分け合ったため、現在はユニバーサル側が圧倒的な筆頭株主となっている。ただ、その前妻も株式を保有したまま取締役として残っており、現在でもウィン氏と前妻を合わせた保有株式数はユニバーサルに迫る。なお、ウィン氏は 2011年、23歳年下の英国籍の女性と再婚したが、その女性は現時点では資本にも経営にも関わっていない。

 資金調達の部分で大きく貢献した岡田氏と、ホテル経営に長けているウィン氏。つまり資本と経営でそれぞれ持ち味を発揮してきたこの二人のコンビは、互いの不足分を補いながら経営を軌道に乗せ、株式公開時の株価を10倍にするなど順風満帆に見えた。ところが近年不仲説がささやかれ始め、2012年1月、とうとう岡田氏が、ウィンリゾーツ社を訴えるという騒動に。
 岡田氏側の主張によると、岡田氏はウィン社側に対して、昨年7月に同社がマカオ大学との間で向こう10年間で10億香港ドル(約100億円)という巨額の寄付を行う契約を交わしたことに関する情報の開示を求めたが、ウイン社側はそれを拒否したという。ちなみに岡田氏は筆頭株主であると同時に取締役でもあり、そのような立場にある岡田氏の要求を無視し、巨額の寄付行為の詳細を開示しないとなると、だれの目にも岡田氏側の主張が正しいように見える。証券取引の当局である米証券取引委員会(SEC)もこれを問題視しており、情報開示を求めている。
 ところがウィン社側によると、「岡田氏は当社の取締役であるにもかかわらず、独自の資金を利用しフィリピンにカジノホテルを建設し始めた。この行為は取締役として不適切」 と、逆に岡田氏側の問題を指摘。ちなみにウィン社はラスベガスのみならずマカオでもカジノホテルを運営しているため、近隣地域といえるフィリピンでの岡田氏のカジノホテルはライバル関係になりかねない。
 結局ウィン社側は 2012年2月、「岡田氏は、フィリピンでのカジノ建設に際して、フィリピンの要人に 11万米ドルの賄賂を贈った」 とし、違法行為をした者はカジノ経営にたずさわることはできないとする規則を理由に、取締役会(岡田氏は欠席)を開き岡田氏を解任。さらに、岡田氏が保有する全株式を、市場価格の約3割引で強制的に買い取ることも決定した。
 岡田氏側は、これらウィン社側の行動に対して全面対決の姿勢を表明。今後法廷で争われることになるわけだが、株主総会の下に位置づけられる取締役会において、筆頭株主の取締役が不在のまま、その取締役に関連する決議が一方的に成立してしまうことに対しては専門家の間でも疑問が出ているばかりか、市場原理を崇拝するアメリカにおいて一方的に価格を決めた株式買取が法的に認められるかどうか、さらに、互いが問題視している争点の金額が、10億香港ドルと11万米ドルで 1000倍以上の開きがあることなど、ウィン側が不利とする声が少なくない。そもそも 10億香港ドルはウィン社の公金、11万米ドルはウィン社とは関係ない岡田氏個人が用意した金で、ことの重要性がまったく異なる。
 その一方で、岡田氏のフィリピンでのライバルホテルの建設は取締役として背任行為と見なされかねず、また規則を杓子定規に解釈すると、フィリピンへの賄賂を論拠とする解任および株式の強制買取が正当化される可能性もあるなど、ウィン側が有利とする見方もあり、両者のバトルの行方は予断を許さない状況となっている。
 いずれにせよ、金額の大小は別にして、マカオとフィリピンの利権に絡んだ不透明な資金の移動が議論の原点にあることは、カジノ業界、とりわけアジアにおけるビジネス環境の未成熟さを象徴する出来事といってよいのではないか。また、日本のオリンパス事件と同様、ウイン社は上場企業であるため、情報開示や企業コンプライアンスにおいて高いレベルが求められており、このようなスキャンダルはすでにウォール・ストリートなどで大きく取り上げられ、カジノ業界全体に対するイメージダウンにつながっているのも事実。法廷でどちらが勝つにせよ、上場企業として恥ずかしくない情報開示と、だれもが納得できるかたちでの決着、そしてなにより業界全体の清浄化を祈るばかりだ。

 観光客には直接関係ない経営スキャンダルの話はそのへんにして、観光情報としてのこのホテルの話にもどすと、ウィン・ラスベガスはベラージオに似ているという印象が強い (ただし客室内はまったく似ていない)。カジノ内のインテリア、カジノスタッフのユニフォーム、ロビー周辺の生花によるデコレーション、正面玄関に置かれたブロンズ像、ショッピング街の雰囲気、さらにはバフェィの名称など、ベラージオを彷彿させるものが少なくない。同一人物がクリエイトしたという意味では当然の結果か。
 贅沢の追求に金を惜しまないウィン氏らしく、ナイフやフォークにロゴ (自身のサイン) をさりげなく彫り込んだり、駐車場施設において残りの駐車スペースを自動的に表示するシステムを導入したり、リッチなホテルらしさが随所に見られる反面、カジノチップのデザインが非常に安っぽく作られていたり (マイクロチップ入りのため、安っぽいデザインでも偽造されにくいという理由もあるが)、正面玄関前の車寄せがわずか 3車線しかなかったり、意外な部分も散見される。

 カジノについてだが、高級なイメージがあるため、最低賭け金が高く設定されているように思われがちだが、実際にはブラックジャックなどのテーブルゲームにおいてミニマム $15 の台も多く見られるなど (もちろん曜日や時間帯によって無い場合もある)、決してリッチな客層だけを対象としているわけではない。
 ちなみにそのブラックジャックのルールは、Soft-17 ヒットの島とスタンドの島が半々といった感じで (あくまでも一般セクションの話で、ハイリミットセクションは別)、また 2デックの BJ は 1.2倍となっており、ヘビーギャンブラーにとってはあまり興味をそそられるルールではない。また、とかく嫌われがちなシャッフルマシンもかなり導入されているなど、純粋にギャンブルにこだわる者からの評判は今ひとつのようだ (といってもストリップ全体のトレンドがそのようになっており、ウィンだけのことではないが)。クラップスのオッズは 3-4-5 倍で、これもストリップ標準といってよいだろう。

 シャネル、ディオール、ルイヴィトン、カルチェ、グラフなどが軒を並べるショッピング街は、規模、雰囲気、テナントのジャンルやグレード、すべてにおいてベラージオのショッピング街に酷似している。これも同一人物がクリエイトしたという意味では当然の結果か。
 なお、開業当初、このショッピング街にあったアートギャラリー The Wynn Collection は、ゴッホ、モネ、セザンヌ、ゴーギャン、ピカソ、アンディウォーホールなどの作品が見られるとあって注目を集めていたが、2006年春に閉鎖されてしまった。
 そのショッピング街から見てカジノを挟んだ反対側にはフェラーリのディーラーが入居している。カジノで大勝ちした者が勢いで買ってしまうという需要があるのかどうか知らないが、カジノのすぐ脇にこの種の店を置くという発想自体、ウィン氏らしい。ちなみに、高級車が並ぶショールームへの立ち入りは有料で、入場料は 10ドル。この有料制には賛否両論あるのか、当初は無料になったり有料になったり方針が定まっていなかったが、最近は有料制に落ち着いているようだ。なお、隣接するフェラーリのロゴショップは当然のことながら無料で入店できる。

 レストランは冒頭でふれた和食店 Okada の閉店、最高級フレンチの Alex も 2011年に閉店と、変化が見られるが、ステーキの SW Steakhouse、イタリアンの Bartolotta、中華の Wing Lei などの高級店は今でも健在。
 カジュアル店もあり、中華料理の Red-8 は、気軽に入れる雰囲気でありながら、そこそこ本格的な料理を出すことで人気を集めている。また Terrace Pointe Cafe も、カフェとしては高級感が漂っており、季節がよければテラス席からプール施設などを展望しながら食事を楽しむことができるようになっている。バフェィに関しては、このラスベガス大全の [バフェィ] セクションに詳しく掲載されているのでそちらを参照いただきたい。
 あと、特異な存在のレストランとして、隣接するゴルフコース Wynn Golf Club のクラブハウス内にある店も穴場として覚えておくとよいだろう。東海岸の名門ゴルフコース・パインハーストを彷彿させる荘厳な雰囲気とイングリッシュパブ風のカジュアルな雰囲気が絶妙にマッチしており、また、テラスからはこのコース自慢の滝に囲まれた 18番ホールのグリーンが見下ろせるようになっている。本格的な料理を出す店ではないのでリッチな気分でのディナーなどには不向きだが、朝食など軽食をワンランクアップした気分で楽しみたい時に最適。ただ、現場スタッフにいろいろ声をかけられたりするなど、かなりかしこまった雰囲気があるのも事実で、英語が苦手な者などは緊張してしまうかもしれない。

 さてそのゴルフコースについてだが、かつてのデザートインカントリークラブを改良して造られたものではあるが、カリスマ・コースデザイナー Tom Fazio 氏がかなり手を加えたため、デザートイン時代のおもかげはほとんど残っていない。ホールの順番もまったく異なっているばかりか、池の位置、木の位置、高低差、すべてにおいてまったく別のコースと考えてよいだろう。ちなみにプレーは長らく宿泊客のみだったが、最近だれでもプレーできるようになった。グリーンフィーは季節や曜日に関係なく $500 均一だが、これもフレキシブルになってきている模様。キャディーフィーが一人 $50〜$100 必要なので (現場でそのようにいわれる。ハイローラーのプレーヤーが多いためか、それ以上渡している者も少なくないようだ)、金額的にはかなりリッチなコースといえよう。
 ゴルファーからの評価は真っ二つに分かれているようで、「Tom Fazio 氏のタッチが随所に現れた戦略的かつ非常にゴージャスなコース」 という意見と、「$500 の価値はまったくない」 という厳しい意見があり、個人の価値観の多様性を痛感させられる。筆者の感想としては、前半の 9ホールは平凡、後半の 9ホールはそれなりに価値あり、といったところで、とりあえず評価派と酷評派の中間的な立場だが、何度もラウンドを重ねていると、次第に味が出てくるコースのような気がしないでもない。
 好き嫌いは別にして、客観的な事実として明記しておくと、このコースには砂漠性気候の当地のコースにしては珍しく、広葉樹や針葉樹が非常に多く植えられている。デザートイン時代にも少し存在していたが、大部分は今回の改造で植えられたものだ。サボテン系の植物かヤシの木が当たり前のラスベガスでは極めて珍しい希少性の高いコースと言えるが、その一方で、「わざわざラスベガスまで来たのだから、日本では当たり前の木々に囲まれたコースよりも、ヤシの木に囲まれたラスベガスらしいコースでやりたい」 と考える者も少なくないようで、そのへんの判断はむずかしい。
 あと、これはマイナス評価として、練習場がアメリカのコースにしては非常にみすぼらしい。わずか 10ヤード先にネットが張ってある練習場は日本でも小さい方だろう。Wynn 氏にしてみれば 「ここは練習に来るところではない」 と言いたいところか。
 また、コース内の案内が極めて不親切なところもこのコースの 「悪い特徴」 で、各ホールのティーグランドにヤーデージの案内板が立っていないばかりか、ホール番号すらない。ティーマークの色分けもなく、毎回どこのティーから打つべきか迷ってしまう。フェアウェーにグリーンまでの距離を示すものがほとんどないのも不親切だ。さらにスコアカードも非常にシンプルで、レイアウト図などもまったく記されていない。
 ようするに 「わからないことはキャディーに聞け」 ということのようで、たしかにキャディーはなんでもやってくれる。たとえば、各ショットにおいて、ハンディータイプの測定器を使い旗までの距離を計ってくれる。至れり尽くせりのサービスと考えればありがたいが、キャディーとのやりとりをわずらわしく思う者にとっては不必要なサービスかもしれない。
 ちなみに USGA (全米ゴルフ協会) に査定させたくないとのことで、コースレートやスロープレートは公表されていない。全長はうしろのティーから順に 7042yd、6938yd、6464yd。ラスベガスのコースとしてはアップダウンがあるため、斜面からのショットに慣れていない者にとっては距離のわりにスコアがまとまりにくい。

 さてゴルフの話が長くなってしまったが、現在ここのホテルで行なわれているナイトショーは、水上アクロバットとして知られる Le Reve。このショーはベラージオのオウに似ているとの意見もあるが、劇場が円形になっているなど、独創的な部分が多く、オウ以上に評価する者も少なくない。ほとんど英語力が不要というところも日本人にとっては魅力的で、観て後悔するようなショーではないだろう。
 なお、人形が主役を演じる奇抜なミュージカル Avenue-Q は、残念ながら集客不振を理由に 2006年5月28日に打ち切られてしまい、そのあとに始まったミュージカル SPAMALOT も 2008年7月13日に終了している。それらに代わってミラージホテルから移籍してきたモノマネ名人 Danny Gans 氏のショーは人気を集めていたが、なんと2009年5月、本人が52才という若さで病死してしまった。
 そのような事情もあって現在 Le Reve 以外には、カントリーミュージック界のスーパースター、ガースブルックス氏の常駐コンサートだけとなっている

 プール施設は、都会的なゴージャスな雰囲気が漂うオトナの空間といった感じで、子供が大声を出して楽しく遊べるような場所ではない。その代り、リッチな気分を味わいたいカップルなどには最適の環境で、特にカバナ (cabana: プールサイドにある日よけ用の個室) のゴージャスさには目を見張るものがあり、そのデザインやレイアウトはプール全体の雰囲気に花を添えている。またブラックジャックなどが楽しめるカジノセクション (水上ではなくプールサイド) や、トップレスにもなれるプールがあるなど、オトナ向けのコンセプトで他のホテルとの差別化が図られている。

 レンタカー族にとって気になる駐車場はかなり使いやすい。タクシーなどで正面玄関前に乗り付ける際には車線が少なく非常に不便な設計になっているが、無料駐車場からホテル内へのアクセスは、他のホテルに比べかなり便利だ。また、その駐車場の各階の進入口には、空きスペースの数を示す電光掲示があるなど (作動していないこともあるが)、利便性に配慮した設計はそれなりに評価してよいだろう。

 さて、最も気になる客室に関してだが、これもゴルフコース同様、かなり意見が別れているようで、ひとことで評価するのはむずかしい。
 ちなみに Resort Room と呼ばれるレギュラールーム以外に、Panoramic View Room と呼ばれる高層階のレギュラールーム、さらにグレード順に Tower Suite、Executive Suite、Tower Suite Parlor、Tower Suite Salon などがあるが (ハイローラー向けにはさらにその上のルームも用意されている)、総じて言えることは、重厚、荘厳、伝統的といったゴージャスさよりも、コンテンポラリーな都会的なゴージャスさを追求したデザインになっており、そのへんの好みの違いで大きく意見が別れてしまっているようだ。客室内の細かい設備などに関しては、週刊ラスベガスニュースのバックナンバー (トップページ左側フレーム内の [バックナンバー] をクリック) の 433号に掲載されているので、そちらを参考にしていただきたい。

 なお、2008年12月に新館「アンコール」が完成し、館内の連絡通路を通じて行き来できるようになっている。このアンコールは外観も客室内の内容もほぼ同じだが(厳密にいうと、アンコールの客室のほうがやや広い)、カジノ内の雰囲気はかなり異なっている。


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