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マンダレイベイ




英語名   MANDALAY BAY Resort & Casino
住所   3950 LAS VEGAS BOULEVARD LAS VEGAS, NV 89109
電話  702-632-7777 総客室数  約 4800
フリーダイヤル  1-877-632-7000 スイートルーム  200
FAX  702-632-7234 レギュラールーム  $150〜
外貨交換  あり スイートルーム  $350〜
総合評価  

 ラスベガスの目抜き通りザ・ストリップの最南端、旧ハシエンダホテルの跡地にマンダレイリゾート社 (旧サーカスサーカスエンタープライズ社) が建てた客室数 4800 (2003年末に完成した新館、通称 "The Hotel" の 約1100部屋を含む) を誇るこのメガリゾートは、99年 3月 2日にオープン。
 隣接するラクソーとエクスカリバー、および北ストリップ地区にあるサーカスサーカスホテルはすべて同社の系列で、ラクソーとエクスカリバーとマンダレイベイは 24時間運行の無料モノレールおよび渡り廊下で結ばれている。なお、2005年 3月、同社は MGM Mirage 社に吸収合併されたため、今このマンダレイベイホテルは MGMグランドやベラージオなどとも同じ系列ということになる。

 名称の Mandalay Bay は、英国の文豪 Rudyard Kipling の作品 "On the Road to Mandalay" から採用したとされ、テーマはそのマンダレイベイにちなんで 「アジアの楽園」 となっている。
 客室数でこそ、わずかに MGMグランド に及ばないものの、MGM よりも高層構造になっているばかりか、ゴールドメタリックという派手な外観、さらには周囲が比較的広々した空き地になっていることなどから、ひときわ目立つ存在で、空港からストリップ地区へ行く際に真っ先に目に飛び込んでくるのもこのホテルだ。
 ロケーションがストリップの最南端ということもあり、位置的にやや不利な部分もあるが、無料モノレールでラクソーやエクスカリバーホテルまで行くことができるため、MGM や ニューヨークニューヨーク周辺へのアクセスには特に問題はない。
 同ホテルのシンボルは "波が出る砂浜付きプール" となっているが、それだけにとどまらず、ライブハウスの殿堂 "ハウスオブブルース" や、ボクシングの世界タイトルマッチも行える大規模なアリーナを有するなど、「南国の楽園」 にこだわらない総合エンターテーメントリゾートを売り物にしている。

 さて、ホテルに入って最初に目に付くものはチェックインカウンターの背後にある熱帯植物やロビー中央部にある熱帯魚が泳ぐ大きな円筒形の水槽など、トロピカル調のインテリアだ。ミラージホテルとどことなく似ている部分もあるが、どちらのホテルも南国の楽園をテーマにしていることを考えると当然かもしれない。それでもマンダレイベイのロビーは太陽光がたっぷり入る設計となっているため日中は非常に明るく、常に暗い密林をイメージしているミラージホテルとは似て非なるものがある。
 チェックインをしてから客室へ行くためのエレベーターバンクまでは、ラスベガスのホテルとしては珍しく、カジノを通らずに行けるようになっており大変便利だ。この利便性は、使い勝手の良さで定評があるモンテカルロホテルに匹敵するものがあるが、残念ながら客室やロビーから駐車場へ行く際の利便性は他のホテルと同様、巨大なカジノを通り抜けて行かなければならず、この部分においてはやはりモンテカルロに軍配が上がる。

 さて客室だが (以下の説明はすべて本館のスタンダードルームに関するもの)、インテリアは淡いベージュを基調とした落ち着いたトーンでまとめられており、また広さも必要かつ十分なスペースが確保されている (ホテル側が公表している数字によるとスタンダードルームの広さは約 45平方メートル)。天井もけっこう高く総じて快適だ。
 カーテンとベッドカバーのデザインは同ホテルのテーマに合わせたのか、トロピカル調の大胆な花柄になっている。それでも色のトーンは落ち着いており派手な印象は受けない。また客室に4つ、浴室に 1つ飾られている絵画も同様な花が描かれたものになっている。
 ベッド脇のテーブルにあるラジオ付き目覚まし時計はモーニングコール (英語では、ウェイクアップコール) の代用になるので、英語によるモーニングコールの設定にためらいを感じる者は大いに利用するとよいだろう。
 電話機は枕元とテーブルに 2台あり、それぞれ側面にモデム用のジャック (メス) が付いているのでネット接続には便利だ (別料金でハイスピード接続も可能)。AC電源コンセントもテーブル近くにあるため、パソコンを利用する際、わざわざ延長コードを用意する必要はない。なお、館内電話から外線電話に切り替えるための外線発信番号は 9 となっている。

 クローゼットは同じサイズのものが 2つ独立して存在しており、同室者と個々に利用できるところが便利だ。ハンガーはそれぞれのクローゼットに 8つずつ。また、ラスベガスのホテルとしては珍しくアイロンおよびアイロン台までもが用意されている。
 タンスと一体化した家具の上部にある観音開きの扉を開くとフィリップス製の 27インチTVが現れる。ホテルの客室用のテレビとしてはかなり大型だ。

 床から天井まで全面ガラス張りの超大型窓は外の景色が良く見え非常に気持ちがよい。窓を開けることはできないが、足元 (床とガラスの接触部分) に横 1メートル、幅 4センチほどの細長い換気スリットがあり、それを 「For Fresh Air」 と書いてある方向へスライドさせると外気を取り込むことができるようになっている。
 窓ガラス自体はハーフミラータイプになっており (屋外からは金色に見える)、日中は強い日差しの進入を適度に防ぎながら、外の景色を楽しめるようになっている。また、外が暗くなる夜間は窓ガラスが鏡のように作用し、室内が映し出されるため部屋が広く見えるところがおもしろい。
 暑すぎたり寒すぎたりすることが多いラスベガスにおいて室内の気温は非常に気になるところだが、空調システムの温度セッティングは冷房、暖房ともに日本人にとっても非常にわかりやすい。ただ、風の吹き出し口が窓側に一ヶ所あるだけというところが少々気になる。部屋全体の温度を均一に保つためには数ヶ所ほしいところだ。

 バスルームがすばらしい。代理石調のフロアタイルやカウンタートップが高級感をうまく醸し出している。また水道の蛇口などもシルバーではなくゴールドが使われており、スタンダードルームとしてはゴージャスだ。もちろんシルバーよりゴールドの方が必ずしも高級というわけではないが、見慣れていない分だけゴールドの方がどことなく豪華に見える。
 さらにこのホテルのバスルームはデザインのみならず機能的にもバスタブとシャワールームが別々になっているため使いやすい。結局バスタブは体を温める目的だけに使うことになるためカーテンがなく、それがバスルーム全体に開放感を与えている。バスタブ自体もアメリカの標準的なタイプよりもやや深めで、風呂好きの日本人にとってはうれしい限りだ。なおバスタブ内にバブルジェット機能は付いていない。
 洗面台は二人が同時に使えるダブルシンク型。ヘヤドライヤーも標準装備。さらに通常の大きな鏡とは別に自由自在に動く化粧用の Make-up Mirror (拡大鏡) も付いている。この種のミラーはベラージオやラクソーにもあるが、このマンダレイベイのものはサイズも大きい上、さらにそのミラー内にライトが埋め込まれているため、細かい化粧にこだわる者にとっては便利だろう。
 あと、このホテルのバスルームで特筆すべきことは、トイレの部分が完全にセパレートになっているということだ。つまりバスルーム内にさらにトイレを仕切るためのドアがある。ホテルのバスルームとしては非常に珍しい設計だが、ひとりがトイレを使用中にもうひとりが洗面台を利用するという状況を想定すると、この設計は非常にありがたい。なお、そのトイレの個室内にも電話があるので、ベッドルームの 2台と合わせて計で 3台ということになる。
 消耗備品としてはシャンプー、コンディショナー、バスソープ、アロエ洗顔ソープ、モイスチャライザー、シャワーキャップ、バニティーキット (ネイルファイル、コットン、綿棒)、ソーイングキットで、これはごく標準的と言ったところか。

 ランドリーサービスの料金は、衣類の種類にもよるが、ワイシャツ $5.25、スラックス $5.25、ブラウス $6.25、スカート $5.25 などとなっており、9:00am までに出せば当日の 6:00pm までに仕上がることになっている。

 暗証番号方式の金庫もあるので、貴重品はフロントに預けに行く必要がないのもうれしい。
 氷は各フロアのエレベーターバンク近くに製氷器があるので自由に (無料で) 調達することができる。同じ場所にソフトドリンク用の自動販売機が設置されているのでコーラやアイスティーなどの調達も可能だ。料金は $2.00 とやや高めだが、缶入りではなく、それよりやや大きめの 500ml サイズのペットボトルであることを考えるとリーズナブルな価格と言ってよいだろう。なおビールの自動販売機はない (法律的な理由もあり、一般的にアメリカではアルコール類を自動販売機で販売する習慣がない)。

 さて、チェックイン時に部屋の位置にこだわる者は以下を参考にするとよいだろう。必ずしも希望の部屋を割り当ててもらえるとは限らないが、申し出るだけ申し出てみて損はないだろう。
 部屋番号の下 3ケタ (上 2ケタはフロアの階数) が 200番台の偶数と、300番台の奇数の部屋からは中庭のプール施設がよく見える。また、200番台の奇数の部屋からは北方向、つまりストリップの中心街方向がよく見える。ただ、ストリップが見えるといってもマンダレイベイがある位置そのものが中心街からかなり離れているので大した夜景は期待できない。
 また、100番台の偶数の部屋からはラスベガス国際空港がよく見える。飛行機の離発着こそよく見えるものの (風向きによっては使用滑走路が変わるので離発着風景が見えない場合もある)、夜間は基本的には真っ暗闇だ。ちなみに 300番台の偶数の部屋からは隣のラクソーがよく見え、100番台の奇数の部屋からはストリップの西側に広がる荒野と高速 15号線が見える。ちなみに上記部屋番号の割り当ての法則は以下の通り。
 このホテルはエレベーターバンクを中心に 3方向に建物が伸びている。エレベーターバンクから北へ伸びる建物が BALI Wing でその部屋はすべて下3ケタが 100 番台、南東へ伸びる建物が FIJI Wing で 200番台、そして南西へ伸びる建物が TAHITI Wing で 300番台で、それぞれエレベーターバンクから廊下を進む方向に向かって左手に並ぶ部屋が奇数、右手が偶数となっている。なお、この BALI、FIJI、TAHITI という名称は廊下にハッキリ記載されているものの、チェックインを担当するフロントスタッフにどこまで浸透しているか定かではない。ひょっとするコンピューターの画面上ではただ単に部屋番号だけで管理されている可能性もある。

 さて話題のプール施設だが、これをメインテーマとしているだけあって、その規模は半端ではない。ちなみにプール施設全体の周囲はジョギングコースとなっており、ホテル側の説明によるとその全長は 0.5 マイル (約 800m) とか。たしかに広大ではあるが、メイン施設となる 「波も出る砂浜付きプール」 は、"サーフィンもできる広大なプール" という宣伝文句はやや大げさで、実際にはサーフィンはできない。ちなみにこのプールの大きさを具体的に表現するならば、半径 80メートルの円を中心角 90度で切り取った扇形、といった感じだ。つまり波は円形の中心から外周に向かって発せられることになるが、波打ち際は非常に浅くなっているためサーフィンができる距離 (実際には禁止されているが) は直線でせいぜい 50メートル程度しかない。まあそれでも巨大なプールであることには違いない。
 なお、そのメインとなるプール以外にも、通常のホテルにあるサイズのプールが 2つ、それと幅 3m、1周 130m の流れるプールがある。さらにジャクージも数ヶ所ある。
 さらに、周囲が壁で囲まれたトップレスビーチもあるが、こちらは残念ながら有料だ。
 その他、このプール施設内には CABANA (陽よけ用のテント小屋) がたくさんある。ベラージオやラクソーにもあるが敷地が広い分だけマンダレイベイの方が数が多く雰囲気もよい。
 ビーチなどでくつろいでいると他のホテルのプールと同様、カクテルガールが飲み物などの注文を取りにやって来る。もちろんカジノ内とは違い有料だ (チップも必要)。また、ドリンク類だけでなく、簡単なファーストフード店もプール施設内にあるため、ビーチでハンバーガーなどを食べることもできる。
 あと、プールに関することとして、同じ敷地内にウェディングチャペルがある。屋外チャペル自体は決して珍しいものではなく、トロピカーナやフラミンゴなどにもあるが、新しさとプール施設全体の規模という意味ではこちらの方が上だ。海外挙式を考えている者にとっては一考に値するチャペルといってよいだろう。
 なお、一連のプール施設内へ入るためにはルームキーの提示が求められるため、原則として宿泊客しか利用できない。ただし外周のジョギングコースはだれでも走ることができる。

 次にカジノだが、形が単純明快で天井が高く非常に気持ちがよい。広さも客室数に見合うだけのサイズでラスベガス屈指の広さを誇っている。レイアウト的には中央部分にラウンジがあり、その周囲にブラックジャック、ルーレット、クラップスなどのテーブルゲーム、さらにその外周にスロットマシンが配置されており、広さの割りに比較的わかりやすい。ホテル側が公表している資料によると、スロットマシンやビデオポーカーなどのマシンゲームが 2400 台、テーブルゲームが 122台となっている。
 個々のゲームに関するルールだが、ブラックジャックは SOFT-17 はヒットでサレンダーあり。1 Deck、2 Deck のテーブルはまったく無く、すべてが 6 Deck で統一されている。
 クラップスのオッズ賭けのリミットは最近流行の x3、x4、x5方式、フィールドの 12 はもちろんトリプル払い。ルーレットはすべてダブルゼロ台でシングルゼロ台はない。
 マシンゲームに関しては、マシンメーカーと同ホテルがちょっとしたいざこざでもめているという事情もあり、広域型プログレッシブマシンはやや少なめだが、それでも MEGABUCKS、WHEEL OF FORTUNE などの人気機種は一通りそろっている。インハウス型のプログレッシブは非常に多い。
 ハイリミットマシンに関しては、$5 マシン、$10 マシン、$25 マシン、$100 マシンまでで、これに関しては他の主要ホテルとほぼ同じといってよいだろう。
 ハイローラー用のセクションは他のホテルに比べ壁などの仕切が低く非常に開放的だ。雰囲気だけでなく、ミニマム $100 からバカラに参加できるので金銭的にも敷居はそれほど高くない。勇気を出してハイローラーセクションでプレーしてみるのもよいだろう。
 スポーツブックはシーザーズパレスのように薄暗くないため荘厳な雰囲気は漂っていないが、広さも設備もすっきりしており好感が持てる。50インチサイズのプロジェクタースクリーンが 16台、 27インチモニターが 14台、そして 5m x 6m の特大スクリーンが 1台があり、必要十分な施設といってよいだろう。
 カクテルガールの衣装はオレンジ色を基調としたハイレグ水着スタイルで (ビキニではなくワンピース型) 肩の部分が露出している大胆なものとなっている。

 カジノおよびプール施設以外のアトラクションとしては、なんといってもハウスオブブルースが話題の中心だろう。ロスアンゼルスのビバリーヒルズにある本家本元のハウスオブブルースをそっくりそのままこのマンダレイベイに持って来たとのことで、スーパースターもしばしば登場する。
 また、日曜日のみの営業だが、ここでの GOSPEL BRUNCH は有名だ。GOSPEL を聞きながらバフェィを楽しむというよりは、先に食事を済ませたあとでステージを楽しむといった感じだが、これがなかなかおもしろい。GOSPEL というと教会の賛美歌のような宗教的で厳粛な雰囲気の音楽を想像してしまう者も少なくないようだが、実際に披露されるものはもっと現代的でごく普通の音楽に近い。通常のバフェィとは違った雰囲気を楽しめるので興味がある者はぜひ行ってみるとよいだろう。毎週日曜日 10:00am と 1:00pm の2回入場、料金は $39。

 2000年 6月にオープンしたサメ水族館 "Shark Reef" は、娯楽の街ラスベガスにしてはかなりまじめなアトラクションだ。ここでは体長 3メートルのサメを中心に、エイ、海ガメ、ワニ、イグアナなど、ふだんあまり見かけない大型海洋生物がかなり本格的な施設内で飼育されている。入場料は少々高いものの (大人 $14.95、子供 $9.95)、子連れファミリー族にはおすすめのアトラクションといってよいだろう。
 なお、$500 紙幣や $1000 紙幣といった希少な通貨や年代物の特別記念コインなどを展示していた古銭博物館 "Treasures of Mandalay Bay Museum" は、入場者数が思うように伸びなかったようで 2000年春に閉鎖されてしまった。

 ナイトショーは、日本でもおなじみのミュージカル MAMMA MIA が毎日このホテルの専用劇場で行なわれている。
 12,000席を有する総合アリーナ "Mandalay Bay Events Center" では不定期的ではあるが、超大物スターのコンサートやスポーツのビッグイベントなどが頻繁に行われているので、滞在期間中のイベントスケジュールは要チェックだ。

 このホテルは食べることに関してもエンターテーメントを忘れていない。遊び心を忘れていない世にも不思議なワイン貯蔵庫で話題を集めている AUREOLE、カジノのど真ん中で寿司をにぎってしまう Coral Sushi Bar、2体の大きな仏像と伝統芸術で飾られた高級中華料理店 SHANGHAI LILLY、おかゆとラーメンの専門店 The Noodle Shop、豊富なキャビアと氷のテーブルが自慢のロシア料理店 Red Square、カリビアンカジュアルとミュージックホールがドッキングした熱狂のナイトクラブ型ラウンジ RUMJUNGLE、知る人ぞ知る激辛メキシカンフード店 Border Grill、南国の楽園をイメージした Bay Side Buffet、カリスマシェフとして名高い Wolfgang Puck 氏自慢の店 Trattoria del Lupo など強力な顔ぶれだ。
 そして 2004年からは、数千もの生のバラの花を壁に飾る (毎日取り替えるとのこと) 超高級フレンチ Fleur de Lys、ラスベガスとしては異例の最上階 (新館) にあるレストラン Mix などもラインナップに加わった。高級感だけを売り物にしている店が目立つベラージオやベネシアンよりも総じて個性豊かで楽しいレストランが多い。

 マンダレイベイはテーマが似ているということもありミラージホテルと比較されがちだが、どちらに泊まるかで悩んでいるのであれば、プールで決めるとよいだろう (冬期は関係ないが)。家族で楽しめる楽しいプールがよい場合はマンダレイ、リッチなオトナの雰囲気を望む場合はミラージがおすすめだ。
 また、このホテルはいろいろな意味でなにかとベラージオと対比されがちだが、この 2つのホテルを比較すること自体あまり意味がないように思える。両者はまったくコンセプトが違うからだ。
 ベラージオはあくまでもヨーロッパ的な豪華さをとことん追求したホテルであり、一方このマンダレイベイはアメリカ的エンターテーメントを追求したホテル。当然のことながらホテルの建材や調度品は比較にならないほどベラージオの方が勝っている。それはただ単にベラージオの経営母体が、これまで高級路線を歩んできたミラージグループ(2000年春に MGM に買収された)、一方のマンダレイベイのそれが大衆路線を歩んできたサーカスサーカスグループという先入観によるものではない。マンダレイベイは実際に壁も天井もカーペットもよく見ると安っぽい。家具も一流品にはほど遠く、また、ゴージャスに飾られている熱帯植物などもよく見るとその多くは造花だったりする。しかしアメリカ的エンターテーメントを追求するには建材の質や調度品のレベルなどはどうでもよいというのが、このマンダレイベイの哲学のようで、これはこれで良しと考えたい。
 両ホテルのコンセプトの違いはそのエクステリアにも現れている。片や限りなく控えめな淡い色とヨーロッパ的な曲線美、片やひたすら派手なゴールドメタリックと近代的な直線美。こんな両者を同じ尺度で比較すること自体、意味がないのではないだろうか。
 したがって両ホテルの甲乙を決めるよりも目的によって使い分けるべきだろう。ゴージャスな雰囲気でゆっくり落ち着いたホテルライフを楽しみたい者はベラージオに泊まればよいし、遊び心を忘れていないアメリカ的リゾートライフを楽しみたいという者はマンダレイベイに泊まればよいだろう。
 ベネシアンやパリスもヨーロッパをテーマにしているという意味でコンセプトはベラージオに近く、マンダレイベイのような金ピカ主義的な豪華ホテルは少数派になりつつある。そういう意味においてもマンダレイベイの存在は貴重であり、ラスベガス全体のバランスを考える上でもマンダレイベイの存在は大いに意義深いことに思える。
 唯一マンダレイベイの欠点をあげるとしたらそれはやはりロケーションだろうか。中心街から離れすぎていることは否定しがたい事実で、そこを指摘されたら反論の余地はない。それでもこのホテル内で朝から晩まで遊ぶつもりであれば周囲の位置関係はどうでもよいわけで、またこのホテルにはそれができるだけの楽しみや施設が十分に備わっているように思える。
 さて気になる新館 (The Hotel) だが、カジノ、プール、劇場、レストランなどの基本アメニティーは本館と共通なので、違いは客室内ということになる。新館はすべてスイート形式になっており床面積がかなり広くなっているばかりか、テレビがプラズマ (LCD かもしれない) になっているなど、調度品などにおいて本館とかなり差がある。その分、宿泊料金もちがうことはいうまでもない。

 なお、このマンダレイベイ内には世界的に名高い高級ホテルチエーン 「フォーシーズンズ」 が同居している。当初の計画では同じ敷地内に別棟を建設する予定だったが、予算などの関係もあり建設途中からマンダレイベイ内に同居することになってしまった。したがって本館 3700部屋のうち、約 400部屋はフォーシーズンズホテルによって運営されている。35階から 39階の部屋がそれで、入口、チェックインカウンター、エレベーター、プール、とりあえずすべてがマンダレイベイとは別になっている。もちろん料金体系も別で、フォーシーズンズの方が総じて高い。
 現場を実際に見てみると、たしかに調度品などはフォーシーズンズの方がはるかに豪華で、また、とりあえずはカジノと無縁ということになっているため、ロビーなども落ち着いた雰囲気になっている。しかし、はたして両ホテルの各施設を分ける意味があったのだろうかと疑問を感じる部分も少なくない。むりやり分けたがためにフロントやエレベーターの位置がわかりづらくなってしまっているばかりか、位置的な利便性もかなり犠牲になっている。ストリップから見た裏側にフォーシーズンズ専用の玄関が用意されているが、フォーシーズンズの宿泊者もその大部分はマンダレイベイのカジノ施設を利用し、マンダレイベイのレストランで食事をするわけで、マンダレイベイ側(ストリップ側)に玄関、フロントロビー、エレベーターがないとなにかと不便だろう。
 また、プールにしてもフォーシーズンズの宿泊客に優越感を与えるためか、あえて専用プールが用意されているが、大多数のフォーシーズンズ宿泊者はそんな小さなプールではなくマンダレイベイの巨大プールに遊びに行っているのが現状のようで、これまたあまり効率的に機能していないように思われる。


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