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MGMSAHARA



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料 金
1回乗車券 $5.00、 1日乗り放題券 $14.00、 3日乗り放題券 $30.00、5才以下は無料。
(これら料金はかなり頻繁に変わっているので、参考程度にしたほうがよい)


運 行
平日 7:00am 〜 2:00am、 週末 7:00am 〜 3:00am、  約 4 〜 12分間隔で運行。


概 要
 日本でいうところの第三セクターのような組織 Las Vegas Monorail 公社が運営する有料モノレール。もともとは、MGMグランドホテルとバリーズホテル間を走っていた民間運営のモノレールだったが、同公社がその路線を買い取り、軌道をサハラホテルまで延長し、2004年7月15日から営業運転を開始。その後、同年9月1日に車輪落下事故を起こし長らく運休が続いたが、同年12月24日より運行再開。
 2010年1月、慢性的な集客難による経営不振から連邦破産法(日本の民事再生法に相当) の適用を申請し、現在は裁判所の管理下によって運行を継続中。
 全長約7km、4両編成、無人走行。駅の数は両端の MGMグランド駅とサハラ駅を含めて全部で7つ。終点から終点までの所要時間は約15分。
 なお、2011年5月、サハラホテルは経営不振を理由に閉鎖されてしまったが、このモノレールのサハラ駅自体は存続している。

 「ストリップ地区の大動脈」、「ストリップの交通渋滞の解消策」、「利便性の大幅アップ」、「排気ガスを出さないクリーンな交通機関」 など、開業前から話題にはこと欠かなかったが、いざ開業してみると、利便性が今ひとつなのか、評判は芳しくない。
 不人気の最大の原因は、やはり駅の位置がストリップ大通りから遠いということで、このモノレールの問題点はすべてそこに尽きるといってよいだろう。
 右下の地図ではストリップが誇張され幅広く描かれているためわかりづらいが、実際のモノレールの軌道はストリップからかなり離れており、近いところでもその距離は約250m もある。ハッキリ言って遠すぎて使い物にならない。

 ストリップ大通りにはテーマホテル、ショッピングモール、レストラン、アトラクションなど楽しい観光スポットが軒を並べており、そこを散策することは、大多数の観光客にとって、それ自体が重要な観光のはずだ。
 そんな魅力あるストリップ散策において、わざわざ 250m 以上も奥まった駅まで歩き、そこからモノレールに乗りわずかな区間を移動し、また 250m も歩いてストリップへ戻ることなど、だれが考えても不便だろう。したがって、よほどの長い区間の移動でない限り、徒歩やバスの方が便利で楽しい。
 この現状は、日本の銀座、パリのシャンゼリゼ、香港のネイザンロードなどの目抜き通りを想像してみるとわかりやすい。その目抜き通りをぶらぶら散策する者にとって、250m も離れた場所を平行に走る乗り物に利便性や魅力を感じるかどうかということ。
 少なくともストリップの西側に位置するホテル (モンテカルロ、アリア、ベラージオなど) の宿泊者が、このモノレールに利用価値を感じることはまずないだろう。駅まで数百メートルも歩く必要があるからだ。
 また、駅に比較的近いホテル (フラミンゴ、パリスなど) の宿泊者にとっても、フロントロビー、カジノ、レストランなどの活動の場がストリップ側にある限り、裏側にある駅までわざわざ歩いて行くことはためらってしまう。

 かろうじて MGM とハラスの宿泊者だけが駅へのアクセスが比較的容易ということになるが (フロントロビーなどがストリップと反対側にあるため活動の場が駅に近い)、それでも今度は 「モノレールに乗ってどこへ行くの?」 という根本的な問題に直面してしまう。
 7つある駅のうち、少なくとも北側に位置する3つの駅、つまりサハラ、LVH、コンベンションセンターの各駅は、それぞれの駅の近くに滞在している者、およびコンベンション族以外、大多数の "ストリップの主要ホテル宿泊者" にとって、よほどの理由がない限り行く用事はない。
 そこで、残りの4つの駅だけを利用対象と考えると、MGM駅以外の3つの駅、つまりバリーズ駅、フラミンゴ駅、ハラス駅はそれぞれの間隔があまりにも近く、その区間の移動ならば徒歩の方が明らかに便利だ。
 結局、消去法的に 「MGM駅を含めない乗り方はあまり利用価値がない」 ということになり、鳴り物入りで開業した 「大量公共輸送機関」 も、現実的にはごく限られた人のための乗り物ということになってしまう。「限られた人」 とは、LVH、コンベンションセンター、MGM に関わる人、ということになる。(サハラホテルは前述のとおり、駅だけ残り、ホテルとしては消滅しているため、実質的には、「終点の折り返し場所」 および 「車庫」 としての機能しか果たしていない)

 そんな不便な部分が影響してか、集客が思うように伸びず、連邦破産法の適用を申請し事実上、経営破綻してしまった。とりあえず日々の運行は引き続き行われているが、今後の路線延長計画 (空港やダウンタウンまで路線を延長する計画) などに支障が出ることは避けられそうもなく、将来の見通しはまったく立っていない。

 さて酷評ばかりになってしまったが、「ストリップ上におけるホテルからホテルへの移動手段」 としては利用価値がなくても、「観光ライド」 としてはおもしろいかもしれない。地上からでは見えにくいものが見え、新たな発見があるからだ。たとえば、宿泊者以外は中を見ることができない MGMのプール施設やウィンラスベガスのゴルフコースも、高い軌道を走るモノレールからなら一部ではあるが見ることができる。
 その観光ライドの 「おすすめの区間」 についでだが、これはもう全線しかないだろう。MGM およびサハラの終点で自動的に折り返し運転となるので、どこの駅から乗ってもそのまま乗車し続けていればよい。
 所要時間は MGMからサハラまでの全線の片道が約 13分。つまり折り返し地点での停車時間を含めても一往復約 30分少々ということになる。わずか数ドルの運賃で 30分楽しめれば、観光としては高くないだろう。

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