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MIRAGE - [ Cravings at The Mirage ]


 もともと人気があった The Mirage Buffet が 2004年 5月、名称を "Cravings at The Mirage" に改め新装オープンしたのが現在のこのバフェィ。
 ミラージホテルの広報部によると、「ラスベガスのバフェィの文化を変えるまったく新しいコンセプトの店。 バフェィという言葉には安っぽいイメージがあるが、この店はこれまでの概念とはまったく異なるので、バフェィと呼んで欲しくない」 とのこと。たしかに新しい名称には Buffet の文字が見られない。それでも入口の頭上にかかる 淡いグリーンのキャノピー には Ultimate Buffet なる言葉が書かれているので、やはりここが Buffet であることには違いない。

 入口前の通路の左側には 18台の液晶ディスプレイが並び、そこにはさまざまな食材が次から次へと映し出され、キャッシャーに並ぶ者を退屈させない。
 店内に足を一歩踏み入れると、左手にピザを焼く釜と、その中で燃えさかるオレンジ色の炎が視界に飛び込んでくる。こういった演出がこの店の自慢らしく、ちなみにインテリアは、飲食業界のカリスマデザイナーと言われている Adam Tihany 氏がデザインしたとのこと。

 そのインテリアのベースとなる店内のレイアウトだが、料理を陳列するスタンドがフロア全体の外周を馬蹄形に取り囲むように配置され、その内側にダイニングテーブルが並ぶ。ダイニングエリアがいくつもの細かい部屋に分かれた店に比べると、全体が見渡せ一体感や開放感があり好感が持てるが、その一方で、ややにぎやかすぎる感じがしないでもない。
 デザインの基調は、近代的、前衛的、斬新といった言葉が適切なのかどうかはわからないが、少なくとも伝統的とかクラシカルというイメージではないことだけはたしかで、ガラスや金属を素材とした直線的なデザインが目に付く。皿もバフェィとしては珍しくなぜか四角い。

 料理の陳列にもデザイン的なこだわりがあるのか、ジャンルごとの名称、つまり "ITALIAN" とか "MEXICAN" とか "CHINESE" といった表示はどこにもない。
 さらにジャンルばかりか各料理にも説明がないため、サンドイッチの類 (写真左) などは中身がわかりづらく、また、ころもで覆われた揚げ物などもポークなのかビーフなのか見ただけでは見分けが付かない。特にスープやソースのたぐいは、なんのスープなのか、なんのソースなのか説明が欲しいところだが、こういった表示の不親切さもトータル的なデザインの一環なのだという。

 そんなこだわりがあるためか、奇抜なデザインが目を引くシーフードセクション (写真右) などは、料理の目の前まで行かないと、そこに料理があるのかどうかすらもわからないような設計になっており、なんと料理の上にあるのは説明ではなく熱帯魚だ。
 ホテル側いわく、「ほとんどの料理は、その調理行程の半分以上をお客様の前で行なっているので、どんな料理なのかは説明がなくてもわかるようになっています」 とのこと。
 たしかにほとんどのセクションが オープンキッチンスタイル になっているが、必ずしもすべてのセクションがそうなっているわけではなく、この案内の不親切さは今後さまざまな論議を呼びそうだ。利用者側から不便を指摘されるだけでなく、何度も同じ質問を受けその都度説明している現場シェフからも不満が出て来ることは間違いないだろう。クラムチャウダーと白みその味噌汁を見分けられるアメリカ人でも、見ただけでは海草の和え物と野菜の漬け物の区別が付かない者は少なくないことを Tihany 氏は認識した方がよいかもしれない。やはり説明は必要と思われる。(やはり不満が多いのか、開業直後に比べると、最近は食材の説明が見られるようになってきている)

 さて気になる料理そのものだが、和食、中華、シーフードも含め、一通りのジャンルはすべてそろっている。
 左の写真は、シーフードセクションと和食セクションにあったカニ、カキ、スモークサーモン、にぎり寿司、のり巻きなどを盛りつけてみたものだが、砂漠の中でこれだけのアイテムが楽しめれば十分だろう。
 寿司のレベルはご愛敬といったところだが、その他のシーフードは日本人の味覚を大きく裏切るようなものではなく、まずまずの合格点といったところか。ちなみにカニの種類は、アメリカでは非常にポピュラーなダンジネスクラブ。にぎり寿司のネタはタコ、サケ、マグロ、ウナギ。

 中華は高く評価したい。野菜や肉などの炒め物 以外に、シューマイ、ギョーザ、肉マンなど、どれも味だけでなく、客の目の前で蒸したり焼いたり と、演出がうまい。
 また、現場のシェフに申し出れば作ってもらえる 中国野菜たっぷりのワンタンメン も予想以上の味なので忘れずにオーダーしてみたいアイテムだ。ちなみにそのドンブリは、なにかと直線的なデザインが多いこの店の中では珍しく、セクシーな曲線的デザインになっている。箸が中華用 (プラスティック製) と和食用 (割りばし) で別々に用意されているところもうれしい。

 長くなってしまったので一般洋食の細かい説明は割愛するが、言うまでもなく ステーキ類ピザ などのセクションも現場に担当シェフが常駐するオープンキッチンスタイルになっている。ちなみにプライムリブなどはレアもちゃんと用意されているので、焼き具合は遠慮なく申し出るとよいだろう。ピザの厚さは、本場イタリアンスタイルの物よりはやや厚めで、アメリカ標準よりはやや薄目といったところか。
 各ジャンルにおいて、それぞれ独自のスープが用意されているところも注目に値する。

 メタリック調のデザートセクション はデザイン的には奇抜で目を楽しませてくれるが、味に関してはあまり大きな期待をしない方がよいかもしれない。アメリカの標準から比べると総じて "甘さ控えめ" だが、やはり日本の感覚からするとかなり甘いからだ。それでもクレームブリュレなどは許容範囲と思われるので、「食べるものがまったくない」 ということにはならないだろう。
 ちなみに取材時に陳列台に並んでいたのはそのクレームブリュレ以外にフラン、フルーツタルト、チーズケーキ、チョコレートムース、チョコレートケーキ、キーライムタルト、アップルパイ、ナポレオンなど。
 アイスクリームのセクションは他のホテルと違い、自分でソフトクリームマシンなどを操作して作るのではなく、一般の店で買うのと同じような感覚で現場スタッフに好みのフレーバーを申し出て作ってもらう (写真右下)。

 最後に料金だが、かつての常識から比べるとかなり高いものの、$30を超えるバフェィも登場している昨今の値上げトレンドを考えると意外にも安く、ディナータイム $26.99 は良心価格といってよいだろう。
 ビールなどのアルコール類は他のホテルと同様に別料金で、国産ビールが $3.50、輸入ビールが $4.50 となっている。各種ワインの価格表は こちらをクリック

【 料金 】
朝食 月曜日〜金曜日 7am〜11am: $15.99、子供 $9.99
昼食 月曜日〜金曜日 11am〜3pm: $19.99、子供 $12.99
夜食 月曜日〜日曜日 3pm〜10pm: $26.99、子供 $16.99
シャンペンブランチ 土曜日〜日曜日 8am〜3pm: $24.99

※子供の定義は 5〜10才。
※料金は 2011. 9. 23 調べ

【 場所 】
正面玄関からカジノ内に入って右手奥。


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