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ストリップ地区


 ダウンタウン地区から空港方面へ向けて南北に長くのびるラスベガス大通り (正式名称は Las Vegas Boulevard )の繁華街の区間を俗に THE STRIP と呼んでいる。
 ちなみにこの STRIP とは 細長い帯状の物、もしくは帯状の土地 などを意味しており、ネオンの明かりできらめくこの南北に長いラスベガス大通りを空から見るとまさに STRIP 状になっていることからこのように呼ばれている。当然のことながら 「ストリップ劇場」 のストリップとはなんら関係ない。

 Las Vegas Boulevard 自体は数十キロメートルにもおよぶ非常に長い道路で、その全体がネオンで光り輝いているわけではない。
 したがって、ストリップと呼ばれる区間は限定的で、一般的には南端がマンダレイベイホテルの付近、北端が SLSホテル(旧サハラホテル)もしくはストラトスフィアタワーの付近までとされているが、北端をダウンタウンまでとする考え方もあり、必ずしも明確に定義付けられているわけではない。
 区間が限定的とはいえ、その距離はマンダレイベイから SLSホテルまでとした場合でも約7km、ダウンタウンまでだと約10km にもなり、他の都市の一般的な目抜き通りと比べると非常に長く、ストリップ内の移動は徒歩だけでなく、タクシーや DEUCE(2階建の公営バス)、SDX(2連結の急行バス)も使うのが一般的だ。(それらの利用方法は [市内交通]セクションを参照のこと)

 観光客にとってのラスベガスは大きく分けると、ダウンタウン地区とこのストリップ地区のふたつに分けることができるが、両者は互いにまったく異なる対照的な特徴を持っている。
 ダウンタウン地区が比較的狭い範囲の中に小規模のホテルやカジノが所狭しと林立しているのに対し、このストリップ地区は数キロメートルにわたる広い範囲に、大型ホテルが点在するかたちで街が形成されている。また、ダウンタウン地区が比較的庶民的な雰囲気になっているのに対して、ストリップ地区は総じて高級志向で、宿泊費もレストランも料金設定が高い。

 ダウンタウン地区と比べ土地にまだ余裕があるためか、今でも巨大ホテルの建設ラッシュは続いており、近年のラスベガスの話題のほとんどがストリップ地区に集中している。
 またホテルのみならず、ショッピングモール、アトラクション施設、レストランなども含めたすべてにおいてストリップ地区はダイナミックに変化しており、ほとんど変化のないダウンタウン地区に比べ、毎年新たなものが出現するため、観光客にとっての楽しみが格段に多く人気も高い。
 経済規模も格差が広がる一方で、たとえばカジノの売り上げで比較した場合、ストリップ地区はダウンタウン地区の10倍以上で(ダウンタウンの 4400万ドルに対して 6億100万ドル。Nevada Gaming Control Board が発表した 2015年5月の1ヶ月間の数値)、文字通り桁違いだ。
 そのような現実を直視する限り、もはや 「ラスベガス = ストリップ地区」 といっても差し支えない状況にあり、特に一般の日本人観光客の宿泊場所という意味においては、その構図が非常に顕著で、99%以上の者がストリップ地区を選択している (2014年にラスベガス大全を通じてオプショナルツアーを予約した者の宿泊場所の集計値)。ただ、ストリップ地区に宿泊してもダウンタウン地区へまったく行かないわけではなく、訪問地としてのダウンタウンは根強い人気があり、毎晩多くの日本人が足を運んでいる。

 7キロメートルに渡る長いストリップ地区には当然のことながらゴージャスなホテルがたくさん立ち並んでいるわけだが、それらのすべてが互いにライバル関係にあると思ったら大まちがいだ。
 実はストリップ地区のホテルの多くは MGM 社か CAESARS 社による運営であり、2社寡占状態 にある。(両社とも、ダウンタウン地区には進出していない)

 右の地図はストリップ地区における各社の勢力図を色分けしたもので、MGM 系列が 13、CAESARS 系列が 9 もあることがわかる。
 (「系列」という言葉を使うと、「提携はしているが別会社」といった印象を受けるが、CAESARS 社のホテルにおいて、経理処理的な理由などでわざと別法人にしているホテルがあるため系列という言葉をあえて使ったまでで、実際にはまったく同じ会社と考えてなんら差し支えない)

 22 ものホテルがたった2社によって運営されているというこの異常な状態。昔からそうだったわけではない。経営難に陥ったホテルがライバルホテルに買い取られたり、高く売れるときに身売りを企てる経営者がいたり、離合集散が何度も繰り返された結果だ。
 ただ、これ以上の合併は、独占禁止法の問題にからんでくるため、たぶんないと思われるが、Cosmopolitan が MGM に身売りすることなどはありえるかもしれない。
 なお、Sands 社と Wynn 社はこの地図を見る限りではそれほど目立った存在ではないが(やはりこの両社もダウンタウン地区には進出していない)、この2社はマカオに軸足を置いた経営をしているため目立っていないだけで、カジノ企業としては決して小さくない。ちなみに両社ともに、マカオでの売上がラスベガスの売上を上回っているとされている。


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