週刊ラスベガスニュース バックナンバー   1999年10月27日号
ハンバーガーショップ、味くらべ
 「うちの子供はアメリカの食事になじまないので日本で食べ慣れたマクドナルドの情報が欲しい」 という若い母親。
 「ごっついステーキが中心のアメ食やバフェィばかりでは飽きちゃうのでハンバーガーショップの情報はないの?」 という若者。
 お茶漬けやラーメンに代わり、最近の若い世代にとってはもはやハンバーガーが “懐かしの日本の味” となりつつあるのか、ハンバーガーショップに関する問い合わせが年々増えてきている。
 今週は、高級レストランを紹介した先週とは打って変わってそんな “アメリカを代表する大衆食であり日本の大衆食にもなりつつあるハンバーガー” の人気店を数軒紹介してみたい。

  IN-N-OUT Burger
 西海岸でハンバーガーショップといえばこの店を抜きに語ることはできない。
 1948 年創業のこの IN-N-OUT Burger は半世紀に渡って消費者から高い評価を得てきており、ファーストフード店の中では “超一流”と評されている。
 一方、大量生産と全国展開をかたくなに拒否し続けているため規模的には非常に小さく、カリフォルニア (主にロサンゼルス地区) を中心に約 140店舗を展開しているにすぎない。140店と聞くとすごい数字のようにも思えるが、マクドナルドやバーガーキングのような大手に比べれば微々たる数字で、この広大なアメリカ全土で見れば知る人ぞ知る超マニアックな店といってよいだろう。
 そんな貴重な存在の IN-N-OUT Burger がここ数年ロサンゼルスからラスベガスにも進出してきており現在ラスベガス一帯に 5店舗ある。日本からの一般の観光客にとって最も近い店はニューヨークニューヨークホテルとエクスカリバーホテルの間の道 (トロピカーナ通り) を西へ約 800m 行った地点の右側にあるトロピカーナ店だろう。高速 15号線を越えてすぐのところに大きな看板 (右上の写真) があるので簡単に見つかるはずだ。

 この店の自慢は、保存料など添加物を一切使用していないパン、冷凍保存していない肉、冷凍保存していないポテトとコレステロール無しの油を使ったフレンチフライ (以上、宣伝文句ではとりあえずそうなっている)、注文を受けてから肉を焼くこと (焼いている光景が客からも見えるのでこれは事実)、パンそのものも軽く焼くのでパンがパリッとしていること、出来上がったハンバーガー全体を紙で包んだり容器に入れたりしないため (ハンバーガーの半分が露出するように簡単に包むだけ) マクドナルドのようにパンが湿気でしわくちゃになるようなことがない (しっとりしているパンが好きな者にとってはマイナス要因か)、などが特徴だ。

 メニューは極めて単純で “Humberger” と “Cheesburger”、それに肉とチーズが 2枚入った “Double-Double” の3種類しかない。どれを頼んでも注文の際 「オニオンを入れるか?」 と聞かれる。イエスと答えると、輪切りになった生のタマネギが入ってくる (追加料金なし)。
 一方、薄切りトマトとレタスは原則として頼まなくても自動的に入ってくる。ハンバーガー内のタレはソース系ではなくサザンアイランド風のマヨネーズ系で、サッパリ落ち着いた味に仕上がっている。

 ロサンゼルス地区でもラスベガス地区でもこの店は常に混雑しており、深夜になってもレジの前から行列が消えることがない。大多数の者はこの光景を見て “大繁盛している” と感じているようだが、一方で “注文を取ってから焼き始めるため、マクドナルドなどに比べ著しく客の回転率が悪いだけ” と冷めた見方も少なくない。
 ただいずれにせよ、並んででも食べたいという者が多いことと、一般的に高い評価を得ていることだけは事実で、この店には人を引きつける何かがあるように思えてならない。ハンバーガーに興味がある者は新たな発見を求めてぜひ行ってみるとよいだろう。

・ メニュー&価格

  FATBURGER
 その名前から 「油こってり、ボリュームたっぷり」 といった非健康的なイメージを想像してしまいがちだが、実際は 「低コレステロールの油で揚げたオニオンリング!」 など、むしろ健康イメージを前面に押し出したメニューが少なくない。

 IN-N-OUT 同様、この店もロサンゼルス地区を中心に展開している店だが、全店舗 26店と IN-N-OUT よりもさらに規模は小さい。それでも IN-N-OUT に負けず劣らずロサンゼルス地区では知られており、熱狂的ファンも多いという。
 ラスベガス地区には 2店舗しかなく、そのうちの 1店がモンテカルロホテル前のストリップ大通り沿いにある。すぐ隣が宿敵マクドナルドなので日本人でも簡単に見つけられるはずだ。

 1952年創業の FATBURGER は、その創業者の趣味を今でも踏襲しており、店内はオールデーズ調で統一されている。ここラスベガスストリップ店にも古いジュークボックスが置かれ、壁にはエルビスプレスリーやジョンコルトレーンの写真が飾られている。

 さて気になるハンバーガーの味だが、これはひとことでコメントしがたい。なぜならハンバーガーの中に入れるアイテムを客が自由に選べるようになっているからだ。つまり、“FATBURGER” と称する代表メニューは、「なんでもかんでも中に入れてしまう」 というのが “基本設計” で、その中から客が嫌いなモノを入れないように指示する形式で注文する。
 したがってオーダーの際、「ALL」 とか 「EVERYTHING」 と答えると、すべてのアイテムが入ったハンバーガーが出てくることになる。そのすべてのアイテムとは、肉以外に Pickles、Relish、Onion、Tomato、Lettuce、Mayo、Mastard で、この中で特に注意しなければならないのが Relish だ。Relish の定義はさまざまだが、少なくともこの店の Relish は Pickles を細かく刻んだような漬け物で、困ったことに水分を多く含みすぎており、これを入れるとハンバーガーが水浸しになってしまう。せっかくの肉の味が漬け物の水分で消されかねないので、よほど興味がある者以外 Relish は避けた方がよいだろう。
 オニオンとレタスは細かくきざまれたタイプで、輪切りや 1枚の葉のまま使われる IN-N-OUT とはかなり様相が異なっている。味付けの主役となるタレはマヨネーズで、これはまずまずの味と言ってよいだろう。
 サイドオーダーとしてはスパイシーカーリーフライ (クルクル巻いたバネのような形のポテトフライ)、オニオンリングなどがある。オニオンリングには味が付いていないが (自分でケチャップや塩をかける)、スパイシーカーリーフライにはその名の通りそれなりの味が付いている (大してスパイシーではないが...)。
 CHILI DOG は長さ 20cm のホットドッグにチリソースがかかったものだが、味としては平凡だ。
 ロケーションもよく 24時間営業しているので、興味がある者はぜひ夜食でも食べにいってみるとよいだろう。

・ メニュー&価格 (ハンバーガー)
・ メニュー&価格 (その他)

  Carl's Jr
 1941年創業の老舗。マクドナルドやバーガーキングのように全国展開はしていないものの、北はシアトルから南はサンディエゴまで西海岸一帯に 675店舗を持つ。
 ラスベガスにも 10店舗あるが、その大部分は郊外の住宅地周辺にあり、観光客がアクセスしやすいストリップ大通り沿いにあるのはストラトスフィアタワー前の 1軒だけだ。

 この Carl's Jr のハンバーガーの特徴はタレにあると言っても過言ではないだろう。前述の 2社やその他の多くのハンバーガーチエーンが採用しているマヨネーズ系およびドレッシング系のタレではなく、アメリカで俗に言うところのテリヤキソース系のタレを使っている。
 そのタレを使った代表作が “Western Cheese Bacon Burger” で、こってりとした甘いバーベキューソースと炭火焼き風味の肉がうまくマッチしており、長年この Carl's Jr の看板アイテムとなっていることがうなづける。
 なお この会社のロゴマーク (星) を意識して命名された “Super Star” というハンバーガーもあるが、こちらはマヨネーズ系のタレを使っておりこの店としては珍しく落ち着いた味に仕上がっている。
 サイドオーダーとしては日本のキュウリに似たズッキーニのフライ ($1.69) が人気だ。日本流に言えばさしずめ “キュウリの輪切りの天ぷら” といったところだろうが、特製ドレッシングを付けて食べるこれがなかなかいける。

 ストリップ上には 1軒しかないが、それ以外の主要道路では頻繁に見かける店なのでレンタカー族にはぜひおすすめの店といってよいだろう。

・ メニュー&価格

  Mc Donald's
 味や内容をいまさら説明する必要もないだろうが、この店にまったく触れないわけにもいくまい。
 ライバルのバーガーキングやジャックインザボックスがラスベガスに数店しか出店していないという中、マクドナルドは 44店も出しており、そのうちの 5店舗は超一等地ストリップ上にあるというから恐れ入る。まさに “ハンバーガーの巨人” といった感じだ。
 ストリップ上のほとんどの店が 24時間営業であるため、地理的にも時間的にも最も便利なハンバーガーショップであることに異論の余地はなく、また味的にも “懐かしの日本の味” に最も近いはずだ。良くも悪しくもマクドナルの存在感はあまりにも大きい。ロケーションとメニューは以下の通り。

 ・サーカスサーカス内、 ・リビエラの向かい側、 ・モンテカルロ内、 ・モンテカルロの向かい側、 ・MGM内

・ メニュー&価格(ハンバーガーなど)
・ メニュー&価格(飲み物など)


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