週刊ラスベガスニュース バックナンバー   1999年9月2日号
Paris が華々しくオープン
 カトリーヌドヌーブによるエッフェル塔の点灯式あと、ラスベガス時間 9月 1日 午後 10時、客室数 2916、総工費 約 8億ドルの Paris ホテルがラスベガスストリップの中心地に華々しくオープンした。

 開門直後、その全容を少しでも早く見たいという群衆がカジノ内に殺到し、一部の通路で群衆の身動きが取れなくなるという危険な状態に陥ったため、午後 10時 40分、ホテル側からの要請を受けラスベガス消防署が入口を一時閉鎖するというハプニングがあった。
 迅速な流入規制が功を奏したのか 午後 11時半頃には騒動も収束し、なんとか自由に歩けるようになったが、 Mandalay Bay、Venetian に次ぐ今年最後の新設メガリゾートの開業初日は早朝までに人々でごった返した。

   さて内部の様子だが、客室数の割にはカジノフロアもレストラン街も意外と狭いという印象だ。
 フォーラムショップスを思わせる “青空” の天井は高くて開放感があるが、その天井を突き破ってカジノフロア内に根を下ろしているエッフェル塔の巨大な足がすべてを台無しにしている (写真左)。意表をつく奇抜なインテリアデザインとしてエッフェル塔の足も悪くはないが、決して広くないカジノフロアにそれが 3脚もあっては開放感を損なうばかりか、イメージも悪い。お洒落なエッフェル塔と言えども所詮は鉄骨の固まり。限度を超えて存在するとゴージャスなカジノもまるで工事現場のようになってしまう。
 鉄骨の固まりが台無しにしているのは雰囲気だけではない。貴重なスペースもかなり無駄にしている。その証拠に他のホテルでは例を見ないほどスロットマシンの密集度が高く、マシン間のスペースが極端に狭い。通路の細さもまるで日本のパチンコ屋を思わせるようなマシンレイアウトだ (写真上)。

 レストラン街も決して広くない。天井の高さと石畳などからどことなくニューヨークニューヨークのそれを思い出させるが、いまいちパッとしない。
 バフェも客室数の割には小さめだ。それでもお洒落な雰囲気はラスベガスナンバーワンかもしれない。青空とヨーロッパ風のテラスが実によくマッチしている。メニュー的に 5つのセクションに分かれているが、どれもすべてフランス料理で純粋な和食や中華はない。それでもディナーメニューにはカキやカニなどのシーフードが豊富に用意されており日本人の口にも十分合う。料金は、朝 $9.95、昼 $12.95、夜 $19.95 となっている。

 ショッピング街もこれといった特筆すべきものはないが、日本人にもおなじみの Clio Blue がバリーズホテルへの連絡通路に出店している。
 アトラクションの目玉はやはりエッフェル塔だろう。エッフェル塔の展望台へのエレベーターは 9月 3日からの開業のためまだ取材を完了していないが、料金は $8、時間は 9am〜1am となっている。

 ボールルームはすごい。Bellagio、Venetian に勝るとも劣らない規模と内容を誇っておりこのホテルはコンベンションや宴会には非常に強そうだ。「子供向けのアトラクションよりコンベンション誘致」 という最近のトレンドがうかがえる。
 ボールルームのすぐ裏側にある駐車場もラスベガス屈指の規模を誇っている。凱旋門前の正面玄関からも裏側からも簡単にアクセスでき非常に使いやすい。なおモノレールの駅は Bally's ホテルと共用で駐車場のすぐ裏側にある。

 ソフト面においては総じて好感が持てる。すべての従業員があいさつ程度の簡単なフランス語を学んだとのことで、カジノでもレストランでもやたらとスタッフがボンジュールと声をかけてくる。制服も明るい青で統一されており (写真上) 非常にさわやかなイメージだ。
 一方、不満がまったく無いわけではない。多くのアメリカ人が指摘している問題としてフランス語がある。案内板から店の名前までありとあらゆるものがフランス語で書かれており (写真下) なにがなんだかサッパリわからない、と不評だ。ホテル側の説明によると 「徹底したフランス化」 とのことだが、限度を超えるとフラストレーションがたまってきそうだ。

 客室などの取材を終えていないため、この時点で総合評価を下すことは早計だが、まずまず合格といったところだろうか。
 外観の割に内部が安っぽく見えることはすでに地元の多くのメディアが指摘しているが、しっかりした戦略に基づき総工費の多くをエクステリアに注ぎ込んだとのことなのでそれはそれでよいのかもしれない。たしかに夜間のエッフェル塔や凱旋門は美しく、向かい側にある BELLAGIO より豪華なホテルに見えないこともない。それで宿泊費が安いのであれば大いにけっこうなことだろう。BELLAGIO や VENETIAN のような豪華な調度品や建材はほとんど見かけないが、ロケーションの良さと低料金を考えればおすすめのホテルと言ってよいのではないか。

 
 カジノに関しては以下の通り。

 プログレッシブ系のスロットマシンが極端に少ない。MegaBucks が数台あるだけで、人気の Wheel of Fortune すらない。デノミは 25セントマシンからで (5セントマシンもあるかもしれないが取材時には見当たらなかった)、ハイリミットセクションには $5、$10、$25、$100、$500 マシンまである。
 ビデオポーカーは種類が豊富だが (マルチゲーム系も多い) 基本的には JB75、JB85 などが主流で特筆すべき台はない。
 一方、テーブルゲームは種類が豊富だ。Caribbean Stud、Let It Ride、Mini Baccart、Pai Gow Poker などは言うにおよばず、Pai Gow Tiles、Casino War、Spanish-21 まである。
 ブラックジャックは 2 deck と 6 deck でシングルはない。シャッフルはすべてハンドシャッフルでマシンシャッフルは使っていない。ルールはストリップ標準。
 ルーレットはダブルゼロ。フレンチルーレットと呼ばれるヨーロッパタイプのシングルゼロの台もあるが、アメリカ人にはなじまない特殊なレイアウト (赤黒の色が付けられていない) のせいか使われていないかった。
 クラップスのオッズは最近流行の x3 x4 x5 (ポイントが 4,10 の時 x3、5,9 の時 x4、6,8 の時 x5)。


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