週刊ラスベガスニュース バックナンバー   1999年6月9日号
ひとり $50 ! LVで最も高いバフェィを徹底取材
 ラスベガスでの食事といえばなんといっても BUFFET (日本では “ビュッフェ” と読むが、現地では “バフェィ” と言わないと通じない)。各ホテルがカジノへの客寄せのために競ってやっている食べ放題レストランのことだ。

 メニューの豊富さに加え料金も比較的お手頃とあって、多くのラスベガス観光客がここで食事をする。
 料金の相場は各ホテルでまちまちだが、一般的には朝食バフェィが $5〜$10、夕食バフェィが $10〜$20 、昼食バフェィがその中間となっている。そんな中、$49.95 (税金とチップを含めれば $60 を超えてしまう) という飛び抜けて高いバフェィがある。知る人ぞ知る BALLY'S ホテルの Sterling Brunch Buffet だ。今週はこの驚きの超高級バフェィを紹介してみたい。

  Sterling Brunch Buffet は BALLY'S ホテル内にあるが、同ホテルの通常のバフェィ Big Kitchen Buffet とはまったく別に存在している。存在しているといっても Sterling Brunch Buffet という名前の店はどこにもない。
 じつはこのバフェィ、日曜日だけ同ホテル内にある高級レストランを間借りしての営業となっている。かつては超高級フランス料理店 Seasons が “会場” として選ばれていたが、最近はその隣にある高級ステーキ店 Bally's Steakhouse で行われることが多い。

 営業時間は、間借りしている身分のためレストランが休業日の日曜日のみで、また名前の通りブランチ、つまりブレックファストとランチの時間帯である 9:30am〜2:30pm となっている。
 会場サイズは通常のレストランのため、一般のバフェィに比べると著しく狭い。このように曜日も時間帯もスペースも非常に限られているとなると、さぞかし混んでいるのではないかとだれもが思ってしまうが、価格が需給バランスをうまく調節しているのか長蛇の列ができるほど混むようなことはめったにない。

 さて内容だが、高いだけあってそれなりのものはある。まず入口で案内されるのを待っている間にもシャンペンが振るまわれる。案内人は正装をしており、通されたダイニングテーブルも純白のテーブルクロスと生花といった具合で、大衆的な雰囲気が漂う通常のバフェィとは完全に一線を画している。

 気になるメニューだが、キャビア、ロブスター、ソフトシェルクラブ、そして生ガキ、生ハマグリなど高級アイテムがズラリと並ぶ。
 味のみならずビジュアル的にも楽しませてくれるゴージャスなアイテムが多く、否が応でも高級な気分にさせてくれる。
 ただ寿司セクションだけはイマイチの感がぬぐえず、マグロ、タコ、アナゴ、サーモンなどのにぎりと、鉄火、かっぱ、カリフォルニアロールなどの巻物があるだけで、比較的安いアイテムが目立つばかりか味もお世辞にも良いとは言えない。なおキャビアは寿司セクションのガラスケースの中に入っており、担当者に申し出ないと取ることができない。それでも何回でもおかわりが可能なので好きなだけ食べることができる。

 デザート類は甘さ控えめで (それでも日本のモノよりは甘い) 申し分ない。飲み物はシャンペンから日本酒までありとあらゆるものが用意されており、それらはすべて料金に含まれている。また水を頼むとボトル入りの高級ミネラルウォーターを持ってきてくれるあたりは他のバフェィとの違いをあらためて認識させられる。
 料理の内容、ウェイターのサービス、ウェイターと客の数の比、インテリア、どれを取っても一般のバフェィとは比較にならないレベルにあるが、値段の高さを考えると当然という気がしないでもない。
 最近話題のベラージオやリオスイートのシーフードバフェィの倍以上の価格がはたして妥当なものか、非常に判断がむずかしいところだ。規模が小さいため供給側のコストという意味では妥当なのかもしれないが、利用者側からすると $35〜$40 程度が納得できる価格帯ではないだろうか。ただ、この店をバフェィと考えずに高級レストランと思って利用すれば $50 も高くないのかもしれない。
 いつも混雑していて騒々しい人気のバフェィ、大学の学食のような殺風景な巨大バフェィ、キズだらけの皿やベタ付いたナイフやフォークが出てくる二流バフェィなどに嫌気がさした者にとっては行ってみる価値があるだろう。
 一方、食べることにのみに価値を置き、サービスやゴージャスさにはこだわらないという者には割高と感じるはずだ。

 最後に、この Sterling Brunch Buffet は通常のバフェィと違い前金制ではない。つまり一般のレストランと同様、食後に各テーブルで精算を済ませることになる。したがって担当のウェイターが精算書を持ってくることになるわけだが、当然のことながらチップが必要だ。
 ご多分に漏れずこの店でもチップを忘れる日本人客とウェイターとの間でのトラブルが絶えないという。このラスベガス大全で掲載したことによってそのようなトラブルが増えることだけはぜひ避けたいので、チップはきちんと支払って頂きたい。
 なお、服装に関してだが、特に正装をしていく必要はない。カジュアルウェアでも十分だ。




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