週刊ラスベガスニュース バックナンバー   1999年3月31日号
MGM テーマパーク、困惑の再オープン
 昨年 9月から閉鎖されていた MGM グランドホテルのテーマパーク MGM Grand Adventure が 3月 26日に再オープンした。

 閉鎖中に新たなアトラクションが建設されたわけではなく、むしろ国際会議場 (コンファレンスセンター) などが敷地内に建設された分だけ狭くなった上、さらに入口がこれまでの位置よりもはるかに遠くに設けられたこともあり (右の写真がその入口)、テーマパークとしての魅力は低下している。また昨年まで無料だった入場料も $10 に設定された。

 今回の再オープンは 「困惑の中でのオープン」 とのことで、たった 2週間、つまり 4月 11日までの暫定オープンとなっている。
 その後のことはまだ正式に決まっていないようだが、金、土、日の週末のみの営業となる見通しだ。テーマパークを管理しているある幹部は、「今回のオープンは収益性をチェックするための実験のようなもの。おそらく今後のプランとしては、4月 11日以降、6月 4日までは週末のみの営業で、その後は毎日営業、そして 9月 5日をもって完全閉鎖になるのではないか」 とコメントしている。

 MGM Grand Adventure といえば、かつて同ホテルのメインアトラクションであったばかりか、ラスベガスを代表する観光スポットでもあったはずだが、それほどの施設の運営がなぜこうまで流動的なのか。それは、まるで採算に合わないからである。
 テーマパークを完成させた当時のもくろみは、「子連れファミリーを取り込むことによるカジノ収益の向上」 であったわけだが、いざ開業してみると子連れ家族は時間的にも経済的にもそうでない一般の客に比べ著しくカジノで遊ぶ余裕がないことが統計的にわかり、「遊園地はカジノ収益に貢献しない」 ことが明らかになった (関連記事: バックナンバー 98年 8月5日号)。

 たとえば、入場料を無料にして子連れ客を多数呼び込んでもカジノで金を落としてもらえず、結果として莫大な経費をまかなえないことになるが、だからといって今回のように $10 の入場料を取っても 5000人の入場者で 5万ドルの売上にしかならず、これはカジノで 1万ドルを使ってくれるギャンブラーをたった 5人ホテルに招待することよりもはるかに経営効率が悪いのである。
 高額ギャンブラーを無料でカジノゲストとして招待する費用は部屋代や食事代、それに送迎の車輌代程度だが、テーマパークの場合、乗り物の運行やその安全管理のために必要なスタッフ、そして売店の店員、さらには清掃員など、常時 100人分以上の人件費が発生し、それに乗り物に対する減価償却、保険、光熱費といった経費を加えると毎日 5万ドル程度の売上ではすべてが経費で消えてしまうというわけだ。
 結果としてテーマパークは取り壊すべき、という結論に達してしまうわけだが、売店テナントなどとの契約問題や組合問題なども複雑に絡んでくるため簡単にはことが進まないようだ。そのような事情をかかえ悩んだ挙げ句の果ての妥協の産物が今回の暫定オープンとなった次第だ。

 さて今後のことはともかく現在の様子だが、入場料は前述の通り $10 で、これは大人も子供も同じ。ただし身長が 42インチ (約 107cm) 以下の子供は無料となっている。この入場料にはスカイスクリーマー以外のすべての乗り物の搭乗料金が含まれている。
 スカイスクリーマーの料金は一人で乗る場合 $25、二人で乗る場合の一人の料金が $20、同様に3人で乗る場合は $15 となっている。
 園内にある日本人向けのファーストフード店 HAMADA は今でも健在だ。ちなみに代表的なメニューの値段はラーメン、天ぷらうどん、カツ丼、かつカレーがそれぞれ $7.95、チキン丼だけが $4.95 となっている。

 テーマパーク全体の営業時間は 11:00am から 7:00pm となっており (あくまでも今だけの暫定) 異常に遅く始まり異常に早く閉まる。かつて深夜までやっていた頃に比べると運営に対する意欲の無さがうかがえる。
 とにかくこのテーマパークに限らずラスベガスはすべてがめまぐるしく変わるため、観光ガイドブックなどのデータに頼ることなく、必ずその都度目的地に電話をするなりして直接自分で確認した方がよいだろう。




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