週刊ラスベガスニュース バックナンバー   1999年2月24日号
Tournament of Kings
 今月 4日、エクスカリバーホテルで新作ディナーショー “Tournament of Kings” が始まった。
 
 なお、「新作」 といっても会場、演出、料理など、多くの部分において前作の “King Arthur's Tournament” と酷似しており、料金が約 $10 高くなったということ以外に前作と大きく違う部分はほとんど見当たらない。
 
 さてショーの内容だが、前作同様このショーは 2つの大きな特徴を持っている。ひとつはステージそのもの、もうひとつは食事だ。
 ステージは幅約 20メートル、長さ約 60メートルの馬場になっており、一般の劇場とはまったく異なる。客席はその馬場の周囲を取り巻くように配置されており (約 1000席)、会場全体の形としては競馬場を小さくしたようなものを想像すればよいだろう。さしずめ 「室内ミニ競馬場」 といったところか。
 
 次に食事だが、これがなんとも変わっている。ディナーショーが少なくなった昨今のラスベガスにおいて、ショーに食事が付くこと自体非常に珍しいことだが、なんとこのショーで出されるディナーにはナイフもフォークも付いてこない。つまり素手で食べろというわけだ。
 料理がサンドイッチやハンバーガーのようなものならいざ知らず、脂ぎったチキンが丸ごと一羽出てくるから面食らう。サイズこそ小ぶりだが、恥じらいのある(?) 日本人女性のみならず、アメリカ人の大男でさえ手づかみでかじりつくのには躊躇してしまうほどだ。
 この “手づかみ料理” は同ホテルのテーマである 「中世のヨーロッパ」 を意識してのことらしいが、不便極まりないことだけはたしかで、相変わらず文句を言う客があとを絶たないという。それでも非日常を楽しませてくれるという意味では粋なはからいであり、ここはひとつプラスティック製の使い捨てナイフやフォークを持参するようなことはぜずに、“手づかみ料理” を大いに楽しむべきだろう (お手拭きは出される)。
 ちなみにスープもスプーンはなく、分厚い金属でできた少々野蛮なデザインのボウルから直接飲むことになる。
 
 さてショーそのものだが、本物の馬に騎乗した騎士たちが馬場で戦いを演じるというあたりは前作とまったく同じだ。ただ、単なる騎馬戦に近かった前作に比べ多少ストーリー性が高まっており、その分だけ英語力を必要とするようになったことは日本人観光客にとってマイナス材料かもしれない。それでもこのショーはストーリーよりもビジュアルな部分を楽しむショーなので英語力がなくても十分楽しめるだろう。
 
 なお、入場の際、チケットに座席番号と一緒に自分が所属するチーム (国名) が明記されているのでそのセクションの席に座る必要がある。
 チームはアイルランド、ロシア、スペイン、ハンガリー、フランス、ノルウェー、オーストリアの 7つで、ショーの中でそれぞれの国の騎士が騎馬戦を演じるので、観客は自分が所属する騎士を客席から応援することになる。応援合戦は単純極まりないものだが、アメリカ人の子供たちの盛り上がりなどを見ているとけっこう楽しめる。
 
 さて、前作とほとんど変わらないショーをあえて新作ショーとして発表したホテル側の意図が気になるところだが、8年が経過しマンネリ感が出てきた “King Arthur's Tournament” の名称を変更しリピーター客を呼び込みたかったということもさることながら、これを機会に値上げをしたかったというのが一番の目的のようだ。
 このショーは基本的に子供向けファミリーショーのため $29 から $39 (税込み) への値上げは子供を多くかかえる大家族にとってはかなりの負担増となり客足が遠のく可能性もあるが、$10 の料金差を気にする程度の客は来てくれたところでカジノ収益に貢献しないだろうという思惑がホテル側にあるようだ。
 
 いずれにせよラスベガスに残された数少ないディナーショーという意味でも、また奇抜な会場という意味でも一見の価値あるショーと言ってよいだろう。特に子供も歓迎してくれる唯一のショーでもあり、子連れファミリーにとっては絶対にはずせないはずだ。ただし前作をすでに観ている者があえてこの新作を観る必要はないということも付け加えておきたい。
 
 料金は $34.95 + TAX + Gratuity で合計 $39.05。ディナーの際の飲み物 (コーラなど) は無料だが、アルコール類は有料で $3.50 + Gratuity (注文したあと伝票が配られるので $5 程度置けばよい)。 予約は 60日前から。電話番号 702-597-7600。


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