週刊ラスベガスニュース バックナンバー   1998年7月15日号
マンダレイベイ、地盤沈下で傾く
このままでは ピサの斜塔に?!
 99年春の開業を目指し現在建設が進められている超大型ホテル "マンダレイベイ" の工事が、異常地盤沈下のため 7月8日から緊急中断している。
 地元テレビ局が伝えたところによると、本来水平であるべき地下基礎部分に最大で6インチ(約 15cm)の落差が生じているという。
 
 一般に、この種の大型建造物の工事では、その自重により地下水などが周囲へ押しやられるためある程度の地盤沈下は避けて通れないらしい。したがって、「地盤沈下そのものは予想の範囲内」 (現場技術者) ということのようだが、今回問題となっているのはその地盤沈下の不均一性にあるという。つまり全体が平均的に沈んでいるのではなく、ある特定部分だけが大きく沈み込んでおり、このままではホテル自体が 「ピサの斜塔になりかねない」 というわけだ。
 専門家の話によると、重い建造物による地盤沈下は時間の経過とともに収束するのが普通だが、マンダレイベイの場合はあまりにも巨体である上に、周囲を 「海」 にする予定のため基礎部分がさらに水分を含み益々不安定になる可能性があるという。
 もちろんすべての専門家が事態を重く見ているわけではない。「マンダレイベイは通常のビルのような不安定な単独棟ではなく、3棟が 120度の角度で接するデザインとなっているため、どんなに基礎が傾いても倒壊はあり得ない」 というかなり乱暴とも思える楽観論もある。
 
 さて今後の工事だが、経営母体であるサーカスサーカス社のスポークスマンは、「駐車場部分の構造物にわずかな亀裂が見られるものの、その他の部分に大きなダメージはない。今後は沈下が激しい部分の地下にパイルを打ち込み沈下量を平均化させながら工事を進める。開業時期に影響が出るほどの遅れにはならない。応急処置に要する追加出費はせいぜい 800万ドル程度」 とかなり強気のコメントを発表している。
 一方、「そんな簡単な話で済むはずがない」 と見る専門家も多く、同社の株価は地盤沈下発覚前に比べ早くも約 10% ほど値を下げている。
 
   ▼ マンダレイベイ (一番左) がいかに巨体であるかがわかる。
 

 


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