週刊ラスベガスニュース バックナンバー   1998年4月29日号
アラジン消える
 4月 27日午後7時 31分 (日本時間 28日午前 11時 31分)、30余年の歴史を誇る南ストリップ地区の古豪ホテル アラジンは、わずか数秒で静かに大地に沈み煙と化した。
 初夏を思わせる快晴無風の夕暮れのストリップは、古き良き時代のアラジンを懐かしむオールドファン、かつてアラジンで働いていた地元の人々、世紀の一瞬に偶然遭遇することになった観光客ら、数万人の見物客で埋まっていた(車両規制が敷かれていたため歩行者天国となっていた)。
 午後7時すぎ、昨年 11月に営業を終えて以来約5ヶ月ぶりにライトアップされたアラジンはその全盛時代を思わせる黄金色の雄姿を群衆の前に見せたあと、爆破開始を知らせる数発の号砲の大きな音と共にわずか数秒で跡形もなく消え去っていった。
 その様子は、一瞬にして粉々に砕け散るというよりも、静かに大地に沈み込むといった感じで(下層階から順番に爆破していったため)、爆破そのものがあまりにも完璧な出来具合だったためか(横方向への倒壊など、多少は計画通りに倒壊しない部分もあるのが普通だが、アラジンは完璧なまでにほぼまっすぐ静かに沈んでいった)、地響きなども予想以上に小さく、それが逆に哀愁を漂わせていた。
 爆破直後にその東側の空き地から華々しく盛大に花火が打ち上げられゴージャスな光のショーが演じられたが、どちらかというと演出の順番を逆にしてほしかった。あくまでも主役は消えゆくアラジンであり、光のショーは緊張と興奮を高める脇役的な前座として、壮絶なラストシーンを演じる主役を盛り上げてほしかった。華やかな花火よりも、その脇で寂しさに包まれた巨大な煙がいつまでもその場所に漂い続けていたことの方が印象的だった。



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