週刊ラスベガスニュース バックナンバー   1998年2月18日号
New York New York が NYSEから訴えられる!
 世界経済の中心地ウォール街にあるニューヨーク証券取引所(NYSE: New York Stock Exchange)が、このたび商標権の侵害問題でラスベガスのニューヨークニューヨークホテルを相手取り訴訟を起こした。
 
 NYSE側のスポークスマンによると、ニューヨークニューヨークホテル側が無断で “ NEW YORK $LOT EXCHANGE”という “NEW YORK STOCK EXCHANGE”と酷似した名称を使っているというのが訴訟の理由とのこと。
 ちなみにこの問題となっている“ NEW YORK $LOT EXCHANGE”は、ニューヨークニューヨークホテルがそのカジノ内の両替所やカジノクラブなどで使用している名称で、その看板などはカジノの入口近くの壁などに大きく掲示されている。(写真)
 
 この訴えに対しホテル側の弁護士である Mark Tratos氏は、 “まったく驚いている。我々は何も悪いことをしていない。NYSEはなんの目的でそのようなことを言ってきているのかサッパリわからない” と困惑模様だ。
 これに対して NYSE側は、 “NEW YORK STOCK EXCHANGE は長い伝統と歴史を持つ世界的に有名な由緒ある名称。それをカジノが無断で使うなど言語道断。また紛らわしい名称は市民も混乱するだけ” と訴えを譲る様子を見せていない。
 
 頑固なまでの NYSE側の主張に対し Tratos氏は “ウチのホテルはすべてがパロディー。どこのだれがカジノと証券取引所を混乱するというのか。ウチのお客さんはジョークがわからないほどバカではない。だいいち世界的に有名であるならなおさら誤解されることなどないはず。それとも金融界で働く連中はカジノと証券取引所の区別がつかないほどバカなのか。” とあきれ顔だ。
 NYSE側も譲らず “今のままでは我々があたかもロゴや名称の使用権をカジノ側に与えているかのように誤解されかねない。それが問題だ。” と応酬。
 これに対して Tratos氏は “始めから全部がパロディー。まじめに許可をもらってやっているなどと思っている者はどこにもいない。だから自由の女神もエンパイアステートビルもクライスラービルも許可などもらっていないし、それでなんら問題になっていない。それとも NYSEは我々に対し自由の女神を管理する米国政府やビルのオーナーたちからも許可をもらえというのか。そんなことを言い出したら LUXOR もエジプト政府からピラミッドやスフィンクスの使用権をもらわなければならなくなる。ウチも LUXOR もみんなパロディー。パロディーやジョークがわからないのはおたくだけ。だいいちパロディーは法的にも言論の自由で認められた範囲内の行為のはず。” とNYSE側の主張を一蹴。
 さらに Mark Tratos氏は、“NYSE側がこの裁判で勝つには、その主張である 「市民の混乱」の実在を証明しなければならないはずだが、混乱している話などいまだに聞いたことがない。NYSE側がこの裁判に勝つ可能性は限りなくゼロに近いだろう” と勝訴に自信を見せている。
 
 ちなみにこのニューヨークニューヨークホテルのオーナーである MGM社はニューヨーク証券取引所の上場銘柄の一社である。


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