週刊ラスベガスニュース バックナンバー   1998年2月04日号
どうなる? ストラトスフィア
 観光客から見放され会社更生法申請中のストラトスフィアが、今度はテナントから訴えられ窮地に立たされている。
 
 今から7年前、ロケーションの悪さから経営難に陥っていた旧ベガスワールドホテルが、その起死回生策のための思いついたのがこのストラトスフィアタワーの建設だった。
 たしかに 350メートルもあればどこからでもよく見え、場所の悪さを “視覚的認知でカバーする” という発想はそれなりに説得力があった。しかしタワーの建設資金が底をつき、その完成を待たずして旧ベガスワールドはあえなく倒産してしまった。
 その後を引き継いだ新会社が 96年4月にストラトスフィアタワーを完成させ営業を再開したものの、期待されたローラーコースターの人気もいまひとつで、わずか9ヶ月後の 97年1月に再びこのホテルは倒産してしまった。
 以降、会社更生法の管理下で運営されているストラトスフィアホテルだが、客足が伸びることもなく不振に悩んでいた矢先、今度はタワーの下層部にあるショッピング街 “The Tower Shops”の各テナントから 「約束が違う」と訴訟を起こされてしまった。
 
 テナント側の不満はすべて 「客の入りの悪さ」にあるわけだが、裁判の争点は賃貸契約時のストラトスフィア側の話に虚偽があったかどうかと、家賃が不当に高すぎるかどうかというに部分に絞られている。
 
 ストラトスフィア側は契約時に各テナントに対して、
  • 15階建て 1500部屋の新館棟の建設
  • Rainforest Cafe、Kids Quest といった著名大口テナントの入店
  • アトラクション “King Kong thrill ride”の建設
を約束していたと言われているが、現実には、新館棟の建設は途中で中断され1年近く放置されたまま、Rainforest Cafeは MGM Grand に出店を決め、Kids Questは出店を断念、King Kong は計画立ち消え、という具合に何ひとつ実現していない。その結果、当初予定されていた「1週間 10万人」という “交通量”が実現できず閑古鳥が鳴いているわけだが、その “約束不履行”をテナント側は指摘している。
 テナント側はさらに家賃に関しても、「交通量がフォーラムショップスの 10分の1なのに家賃がその半分というのは不当に高すぎる」 と不満を漏らしており、すでに不払いを決め込む店も現実に出始めている。
 
 女性下着の専門店として有名な Victoria's Secret、それに Marshall Rousso や Berini Sport といった著名店がすでに在庫一掃大バーゲンセールを始めており、このまま店を閉めてしまうのではないかと関係者は心配している。こういった著名店が店を閉めればますます商店街は寂れ、近隣のテナントの閉店を誘発することは必至だ。
 ちなみに現在入居している 52のテナントのほとんどは 10年契約で入居しており、その平均家賃は1平方フィート当たり月額 $10前後という(1平方メートル換算で約 $107)。
 
 “The Tower Shops”が消えるということは家賃収入がなくなるということだけでなく、ストラトスフィアタワーそのものの集客力も大きく低下することを意味し、まさにこのホテルの存亡にかかわる重大な局面といってよい。この正念場をどう乗り切るのか、関係者のみならず今後このタワーのアトラクションを楽しもうと考えている一般観光客も含めて大いに気になるところだろう。 


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