週刊ラスベガスニュース バックナンバー   1997年11月19日号
COMDEX '97 開催
 11月 17日、快晴の秋空のもと、ハイテク業界の祭典 “COMDEX / Fall” がラスベガスコンベンションセンターを中心とする複数の会場で華々しく開幕した。また、この開幕に先立ち 16日夜、恒例のビルゲーツ氏のスピーチもアラジンホテルのシアターで行われた。
 
 COMDEX / Fall は世界各地で開催されている COMDEXショーの中でも最高峰に位置する巨大イベントで、コンベンション都市ラスベガスにおいても年間を通じて最大のイベントとなっている。
 
 主催者を日本のソフトバンク社が一昨年に買い取ったためか、日本における知名度も急上昇しているようで、今年は例年になく日本人見学者の姿が目立った。特に印象的だったのが女性の進出である。若いベンチャー企業などが多いハイテク業界ではもはや女性の海外出張は珍しいことではなくなってきているようである。
 
 さて、出展企業や新製品などショーそのものに対するレポートだが、それについてはパソコン雑誌や業界新聞などが後日報道することとし、この週刊LVニュースでは地元ならではのユニークな話題をお届けしたい。
 
 ラスベガス最大のイベントである COMDEX期間中は、世界中から 20万人がこの街を訪れるとあって、地元業者にとって絶好のビジネスチャンスとなる。
 その恩恵を最も受けているのがホテル業界だろう。通常時の数倍に宿泊料金を設定しているにもかかわらずどこのホテルも満室だという。
 またレストランやナイトショーなども満員御礼の大繁盛のようで関係者はホクホク顔だ。タクシーや印刷業界それに出展ブースなどに関わるイベント関連の会社も絶好のかき入れ時のはずだ。
 
 一方、閑古鳥が鳴いて困っているところも少なくない。COMDEX期間中は一般観光客が完全に閉め出されてしまっているため(宿泊料金が高すぎラスベガスへ来ることができないばかりか、ホテルの部屋の多くが COMDEX関連の業者にあらかじめ割り当てられてしまっているため)、観光に関連する場所はどこも開店休業状態となっている。
 遊園地などのアトラクション施設がその典型で、MGMやサーカスサーカスのテーマパークなどに人影はまったく見られない。COMDEX会場が閉まる夕方以降はまだしも、特に午前中はひどい。コンベンションセンターからよく見えるストラトスフィアタワーのアトラクションも 17日の午前中、下界から見上げる限りでは乗り物が動いている様子は見られなかった。
 
 カジノも悲惨だ。特に開幕初日の午前中はどこのカジノも客はほとんどゼロで、コンベンションセンターに隣接しているラスベガスヒルトンでさえ、閑古鳥が鳴いていた。ちなみにラスベガスヒルトンでは、近日開業予定のスタートレックテーマパークに先立ち鳴り物入りで 11月 16日にオープンさせた SPACE-QUEST CASINO があるにもかかわらず、17日の午前 11時の取材の段階ではそこに客はひとりもいなかった。10人ほどいたカジノディーラーたちは退屈そうに出来たばかりの天井の宇宙船をながめているだけだった。
 
 それでもこの傾向は初日だけで、週の後半になると COMDEXそっちのけでカジノにふける者が出てくるためカジノ側もあまり心配はしていない。パソコン関係者にはギャンブル嫌いが多いともいわれるが、平均所得が相対的に高いハイテク業界には高額ギャンブラーも少なくなく、トータル的に見れば COMDEXはカジノにとってプラス要因となっているという。
 
 あとユニークなのはグランドキャニオンツアーだ。 COMDEX初日の月曜日は1年を通じて最も客が少ない “ブラックマンデー”とのことで、どこの航空会社も客はゼロに近い状況だった。一般観光客がこの街に存在しないのだから当然といえば当然のことかもしれない。
 では COMDEXウイークはグランドキャニオン関連業者にとって最悪の週なのかというとそうでもないようだ。2日目の火曜日以降はかなり予約が入っており、特に木曜日以降は通常の週よりも混雑しているという。
 
 どうも COMDEX来訪者たちは初日だけちゃんと見学し、あとは観光など遊びに時間を使っているようだ。前述のMGMやサーカスサーカスの遊園地も週の後半になると急ににぎわいを取り戻すのが例年のパターンなのでそれは間違いないだろう。
 会社の経費で出張に来ている多くの COMDEX見学者にとって、初日から遊びに時間を費やすのは気が引けるのか、それとも初日の様子を出張レポートとして電子メールで送らなければならないのか知らないが、いずれにせよ「初日が終わってから遊びのことを考える」というのが共通したパターンになっているようだ。しかしその集団的行動が裏目に出て、週の後半はオプショナルツアーなどが満席で思うように遊べなかったという者が毎年続出する。
 そういう意味で、「初日は遊び。週の後半から COMDEX見学」というのが COMDEX出張におけるおすすめのパターンである。 観光地はすいている上、週の後半は COMDEX会場も混雑が減りゆっくり見学でき、いいことずくめであること間違いない。


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