週刊ラスベガスニュース バックナンバー   1997年7月30日号
渋滞解消策は世界最大の駐車場建設?!
 ここ数年、大型ホテルの建設ラッシュとともに、ストリップ(ラスベガス大通り)の交通渋滞が悪化の一方をたどっている。特に夕方から深夜にかけての渋滞はひどく、タクシーやバスより歩いた方が早いというのはもはやラスベガス市民の常識だ。

 この渋滞は日本人観光客にとっても無視できない問題を抱えている。ラスベガス名物であるストリップのネオン街を車窓から楽しむことができなくなってきているからだ。
 かつては、不夜城ダウンタウンを見学しに行くついでに、タクシーの車窓からストリップの夜景を楽しむことがラスベガス観光のお決まりのコースだった。
 ところが最近ストリップの渋滞がひどく、タクシーでダウンタウンへ向かう際、ほとんどすべてのタクシードライバーはストリップを走らず夜景が見えない高速 15号線を使う。
 ドライバーが意地悪をしてわざと遠回りをしているというわけではない。むしろ時間短縮のためのサービスである。ストリップを使うと 30分〜40分かかるところを、高速なら10分で行くことができる。距離的にもほとんど遠回りではない上、高速料金も日本とちがって無料とあっては高速を使わない理由はどこにもない。決められた時間内に収入を上げなければならないタクシードライバーに強制的にストリップを走らせることは酷というものだ。

 かくして観光客も迷惑を被っているわけだが、観光都市ラスベガスとしてはかねてから渋滞解消策を考えていた。そのひとつのアイデアが今回浮上してきた世界最大の駐車場の建設である(あくまでも民間企業主導型のプロジェクト)。
 この駐車場は観光客用ではなくホテルの従業員用だ。最近の巨大ホテルには 3000人以上の従業員が働いており、常時 1000人以上が出勤しているという。そのようなホテルがストリップ沿いにいくつも軒を並べているわけで、全体では常時数万人のホテル関係者が職場へアクセスするためにストリップを往来していることになり、渋滞の根元は彼らにあるというのが今回のアイデアの根本にある。

 計画ではストリップの1本西側を走る小さなインダストリアルロード沿いに 25,000台収容の世界最大の駐車場を建設し、ホテル関係者はそこからシャトルバスで各職場との間を往復することになる。
 絶大なる効果が期待できるという専門家の意見とは裏腹に、当事者であるホテルの従業員たちには総じて評判が悪く反対意見も噴出しており、早くも「計画倒れ」との声までささやかれ始めている。

 計画通りに進めば今世紀中に 8200万ドルの予算で 第1フェーズ(10,000台分)が完成する。第2フェーズ(15000台分)の日程はまだ未定だ。
 ちなみに現在世界最大の駐車場(平地の青空駐車場は除く)は、ロスアンゼルスのユニバーサルスタジオにあるもので収容台数は 21,000台、ラスベガス名物のあの巨大なMGMグランドホテルの駐車場は 5400台となっている。


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