週刊ラスベガスニュース バックナンバー   1997年5月21日号
今世紀最後のビッグプロジェクト“VENETIAN”
 旧サンズホテルが計画していた今世紀最後のビッグプロジェクト VENETIAN HOTEL の起工式がこのたび “新々フォーコーナー” の建設予定地で華々しく行われた。ラスベガスではここのところ新規プロジェクトの「計画倒れ」が相次いでいただけに、今回の工事着工のニュースは多くの関係者をホッとさせている。

 世界最大のホテルとなるこの VENETIAN HOTEL の建設工事は、総額20億ドルという空前の大型プロジェクトのため、第1期工事と第2期工事に分けて進められる。同時進行では資金的にも物理的にも問題が多すぎるためだ。
 第1期工事として建設されるのは、全室スイート形式となる3,000部屋の客室棟と、46,000平方メートル(約14,000坪)のショッピングセンター、それに10,000平方メートル(約3,000坪)のカジノフロアで、工期は約22ヶ月、開業は1999年の夏ごろを予定している。
 ホテル全体のテーマは “水の都 ベニス” となっており、敷地内にはベニス風の運河が造られ、情緒あふれるゴンドラでの水上移動が可能になるという。

 一方、第2期工事では、第1期工事とまったく同じ3,000部屋の客室棟をツインビルとして追加建設することになっており、こちらの完成は2000年を予定している。

 合計6,000部屋となるこのVENETIAN HOTELは、現在世界最大のMGMグランドホテル(5,005部屋)と比べ、客室数ではわずか2割のアップにすぎないものの、全室スイートとなるためホテル全体の規模では比較にならないほど大きなものになる。またプロジェクト予算も20億ドルとMGMの倍以上の規模で、まさに“世紀のビッグプロジェクト”といってよいだろう。

 さてその壮大なプロジェクトの資金調達方法だが、一部を社債や銀行ローンに頼るものの、かなりの部分を自己資金でまかなうというから驚きだ。
 じつはこれまでのサンズホテルのオーナー Sheldon Adelson氏は、あの世界最大のコンベンション “COMDEXショー” の創設者でもあり、雑誌フォーブスによると、そのCOMDEXショーを一昨年日本のソフトバンク社に約8億ドルで売却した際、約5億ドルの売却益を得ているという。この売却益が今回の VENETIAN の建設資金としてつぎ込まれることはほぼ間違いないものと見られている。

 なお、総額20億ドルというこの途方もない巨額な投資に対し、一部の業界アナリストたちはその採算性を疑問視している。また、巨大ホテルの利便性の悪さはすでにMGMで証明されているが、それ以上の規模になるこの VENETIANが、はたして利用者からの支持を得られるのかどうか、大いに疑問が残るところである。
 さらにこれまでのサンズホテル時代から尾を引いてきている従業員の労組問題や、当局から指摘されている完成後の交通渋滞問題など、解決しなければならない問題も決して少なくない。

 それでも当事者のSheldon Adelson氏は、「最低でも年間2,500万人の訪問者が期待できる。勝算は十分にある」と、自信のほどを見せている。はたしてその思惑通りすべて順調に進むかどうか、結果は今世紀中にわかるはずである。


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