週刊ラスベガスニュース バックナンバー   1997年3月19日号
ストラトスフィア、起死回生の100倍オッズ
 タワー完成後も赤字続きで経営難に苦しんでいるストラトスフィアーホテルが、このたび捨て身の作戦とも思える「100倍オッズ賭けクラップス」という信じがたい出血大サービスを開始した。
 クラップスファンにとっては笑いが止まらないけっこうな話だが、この前代未聞の過剰サービスでどこまで客を呼び込むことができるのか、またいつまでそんなことを続けることができるのか、早くも関係者から疑問の声があがっている。

 もともとこのストラトスフィアはその前身であったベガスワールドホテル時代から変則的なルールをオファーすることで有名だったが、今度ばかりはだれもが驚いている。
 それもそのはず、クラップス界の常識は「ダブルオッズ」もしくは「トリプルオッズ」までとなっているからだ。フロンティアホテルやホースシューホテルの「10倍オッズ」などは例外中の例外で、その10倍でさえも一流ホテルなどからは今でも「捨て身の無謀な過剰サービス」と指摘されているほどで、今回の100倍オッズなどはもはや革命的な出来事といってよいだろう。

 それでも、「100倍という数字はたしかに聞こえはいいが、$5の基本ベットに対して実際に$500も賭けることができる者は非常に少なく、宣伝効果の大きさのわりにカジノ側の実害はほとんどなく、マーケティング的には非常にうまいやり方だ」、という冷静な分析をする関係者も少なくない。

 なお今回の100倍オッズの導入と並行して、ベガスワールド時代から有名だった「ダブルエクスポージャーブラックジャック」も再開された。これは知る人ぞ知る珍ルールブラックジャックで、“ディーラーの2枚のカードを始めから見せてしまう代わりに、同点の場合は引き分けではなくディーラーの勝ち”という変則ルールだ。ブラックジャックの初心者にとっては戦略性が低くなるのでわかりやすく歓迎されているようだが、ディーラーの手が見えてしまっているため、たとえばそれが20の場合、自分の手が20でも21をめざしてヒットしなければならず、通常のブラックジャックとはかなり勝手が異なり熟練者からは敬遠されているようである。

 その他このストラトスフィアホテルはシングルゼロのルーレットもオファーしている。これは通常のルーレット盤にある「0」と「00」のうち、「00」が存在しないルーレットだ。これもカジノにとっては大出血サービスと言ってよいだろう。

 ちなみにモンテカルロホテルもこのシングルゼロを導入しているが、ルーレットによる収益は当然のことながら従来方式よりも激減しているという。

 とにかく場所が悪いためか人気がいまひとつパッとしないストラトスフィアホテルだが、カジノゲームでの勝ち負けだけにこだわるのであれば、ストラトスフィアのカジノはラスベガスで一番、つまり世界で一番客にとって有利なカジノといってよいだろう。

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