週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2009年 11月 11日号
晩秋の朝はフレンチレストラン Mon Ami Gabi で朝食を
 景勝地を訪れることだけが旅行の目的ではない。多くの人にとって、食事も旅の楽しみのひとつだろう。毎日3食どこで何を食べるか、出発前から念入りに計画を立てる人もいる。しかし残念ながら朝食だけは選択肢がほとんどないのが現状だ。
 ここラスベガスでの朝食は、食べ放題のバフェィか、法令で定められたカフェくらいで、あとはファーストフードで簡単に済ませるか、料金の割にはあまり期待できないルームサービスで妥協するしかない。つまり、行ってみたくなるようなお洒落な高級レストランは、そのほとんどがディナータイムもしくはランチタイムの営業。もちろんこの傾向はラスベガスに限ったことではないが、「朝食も手を抜きたくない」という人にとっては残念な現実だ。

 そんな人たちにとって朗報なのが、パリスホテルにある Mon Ami Gabi。(写真、クリックで拡大)
 ストリップ大通りの歩道に面したお洒落な立地条件にあるためか、旅行ガイドブックなどにもしばしば登場する露出度の高い有名フレンチレストランだ。
 この店が数ヶ月前から朝の時間帯も営業を始めた。ちなみに店の名称 Mon Ami Gabi は、英語に訳すと My Friend Gabi で、Gabi はオーナーシェフ Gabino Sotelino 氏のファーストネーム。
 シカゴを拠点に活躍してきたシェフだが、料理のルーツは本格的なフレンチで、アメリカの料理にありがちな、味が濃すぎたり甘すぎたりしてガッカリするようなことはほとんどない。
 ということで、朝から本格的な雰囲気と味を楽しみたいという人にとっては数少ない絶好のダイニングなので、ぜひ足を運んでみるとよいだろう。ラスベガス特有の厳しい残暑も完全に終わり、これからの晩秋の季節こそ、この店自慢の屋外ダイニングを楽しむにはちょうどよいはずだ。

 行き方は歩道沿いに見えているのですぐにわかる。なお入口はパリスホテルの館内、つまりカジノ側にある。(写真右)
 朝食メニューの時間帯は朝7時から11時まで。8時ごろまでならば待たずに入れるが、9時ごろを境に一気に混んでくるので要注意。
 店内は、屋外の Patio セクション (パティオゥと発音しないと通じにくい)、屋外からたっぷり光が入る明るい Pavillion セクション、そして通常のダイニングルームの3つのセクションに分かれていて、雨、風、低温など天気が悪い場合を除き、この順番で席が埋っていく。

 混雑時は受付のスタッフに名前と人数と希望セクションを告げて、呼び出し用の無線機 (写真右) を受け取ることになる。あとは周辺にあるスロットマシンなどを回すなりして待っていればよい。順番が来るとその無線機が振動しながらピカピカと光る。
 なお今の時期、日中であれば暑くもなく寒くもなく快適だが、早朝はやや肌寒く、10時ごろになってやっと暖かくなる日もある。そのような場合は店側も心得ており、寒ければ野外ヒーターを焚き、日差しが強くなるとパラソルを開いてくれる。それでも直射日光が当たる席とそうでない席では体感温度がかなり異なるので、何か羽織れるものを持っていったほうがよいだろう。極端に寒そうな場合は、ガラス張りで明るいパビリオンセクションがおすすめだ。

 席に着き、まず最初にウェイターにきかれるのが飲み物。まわりを見渡すとオレンジジュースを飲んでいる人が目立つ。それはこの店自慢の絞りたて Fresh Squeezed Orange Juice ($3.95) で、右の写真のような容器から客の目の前でグラスに注いでくれる。これがなかなかうまい。
 コーヒーについてはレギュラーコーヒー (メニュー内では Gabi's House Blend、$3.75) はもちろんリフィル自由。カフェオレ、カプチーノ、カフェラテ ($4.25) はリフィル無しだが、1ドル増しで通常のコーヒーカップの3杯分という大きなボールサイズにしてもらうことができるので (写真右下。カジノチップのサイズと比べると、その大きさがわかる)、ミルク系のコーヒーが好きなら迷わずこれにしたい。

 食事のメニューはサラダやシリアルなど軽いものからハンバーガーやステーキまでいろいろあるが、ジャンルとしては大きく分けてワッフル、クレープ、パンケーキ、そして卵を中心とした朝食セットの4種類にまとまっている。それぞれにいくつかのチョイスがあり、たとえばワッフルであればストロベリー、ブルーベリー、チョコレートなど、パンケーキであればシナモン、アップル、レモンなどの中から好きなものを選ぶことができる。

 さてそのワッフル (写真右、$10.95)、外はカリッと中はフンワリした食感がなかなかよい。アメリカのワッフルとしては軽い感じで、サイズも極端に大きすぎず日本人向き。付いてくるホイップクリームの甘さや量もちょうどよい。
 クレープ (写真右下、$12.95) は可もなく不可もなくといったところで無難な味。ちなみに中身の選択肢はホウレンソウ、ハム、ベーコン、チーズなどで、ジャムなどの甘いモノはない。サイズは意外と小さいが、たりないということはないだろう。

 おどろかされたのは、メニュー内で Big Skinny Pancakes ($11.95) と紹介されているパンケーキ。通常アメリカでパンケーキといえば、日本のホットケーキなどと同じようなものを想像するが、ここのものはクレープのように非常に薄く焼き上げたものを層状に何枚も重ねて作られており (右下の写真はその断面)、なおかつそれが皿からはみ出すほど大きい。まさに Big & Skinny で、名前に偽りはない。甘みもほどよく味に深みがあるので、ぜひ試していただきたい一品だ。なお、この写真はアップルにした場合のものだが、メニュー内には掲載されていないもののストロベリーで作ってもらうこともできる。

 アメリカにおけるオーソドックスな朝食の代表格といえば卵料理。この店ではそれが非常に豊富で、スクランブルドエッグ、ポーチドエッグ、目玉焼きの他に、卵の白身で作ったオムレツ、エッグベネディクト、さらにエッグフロレンティーンなど、10種類の中から選ぶことができる。セットとして付いてくるのはポテトとトースト。トーストはもちろん各種パンの種類を指定できる。ちなみに右下の写真はエッグベネディクト ($14.95)。

 最後に景色についてだが、ストリップ大通りを隔てた向かい側は、噴水ショーで有名なベラージオホテルだ。原則として噴水ショーは午後から行われることになっているので朝食時には見ることができないが、試運転や噴水結婚式などがあるためか、けっこう頻繁に打ち上げられている。かなりの確率で見られるはずだ。
 そして頭上はエッフェル塔。近すぎてその美しい姿は見にくいが、雰囲気としては非常に楽しい。ちなみにそのエッフェル塔内にも同じシェフ Gabino Sotelino 氏が監修するフレンチレストランがある。朝食で味が気に入ったら、ディナータイムにもその店を利用してみるといいかもしれない。


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