週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2009年 09月 30日号
ベラージオで予告展示、「シティーセンターは全体が美術館」
 半年程度の間隔で展示作品を入れ替えているベラージオホテルのアートギャラリー (写真右)で、9月18日、新たなテーマによる展示が始まった。
 ただ今回ばかりはいつもの展示とは趣を異にしており、そこにはゴッホもセザンヌも、そしてピカソもウォーホルも見ることができない。あるのはわずかな数の前衛的な作品と、図面や模型などだ。
 展示のタイトルは "12 +7: Artists & Architects of CityCenter"。これでは何のことだかわかりにくいが、実態にそって表現するならば、「シティーセンターに芸術を提供する 12人のアーティストと、7人の建築家」 ということになる。

 「シティーセンター」 とは、ベラージオホテルとモンテカルロホテルの間で進められている大規模な再開発で、完成すればホテル、カジノ、コンドミニアム、シアター、ショッピング街、レストラン街などで構成される複合施設が出現する (右の写真はその一部)。
 この種のプロジェクトとしては全米最大規模とされ、総工費は実に約80億ドルというから半端ではない。12月の開業を目指して現在も工事が続けられている。
 そのシティーセンター内の各ビルのロビーなどに彫刻やオブジェ、それに芸術的な建築構造物などが姿を現すことになっており、少々大げさにいえば、シティーセンター全体が美術館になるといった様相だ。今回のベラージオでの展示会は、それら作品の本番デビュー前の事前予告と考えればよいだろう。

 ちなみに一部の小さな作品(写真右) を除き、大規模な作品の多くはすでにシティーセンター内のそれぞれの最終的な設置場所で取り付け作業が進められており、ベラージオのアートギャラリーにそれら現物はない。
 つまり今回の展示は作品そのものよりも、「作品の制作過程」 や 「人物の紹介」 といった部分に重点が置かれており、それをあらかじめ承知しておかないと入館してガッカリすることになりかねない。(右: Tony Cragg, Constructor 2007, Bronze)
 ならば、「今わざわざ見に行かなくても、12月の開業を待てばいいではないか」 といった意見も聞こえてきそうだが、それはたしかにその通りで、今回の展示はあくまでもシティーセンターの完成を待てない人のためのものと考えるべきだろう。「シティーセンターは見たいが、もうしばらくラスベガスには来ない」 という人は足を運んでみる価値があるかもしれない。
 開館時間は日、月、火、木が午前10時から午後6時、水、金、土が午前10時から午後7時まで。入館料は一般15ドル、学生10ドル、65才以上のシニア12ドル、ネバダ州住民12ドル、12才以下は無料。
 展示作品もしくは人物紹介の対象となっている人物や団体は以下の通り。香川県出身の石芸術の第一人者、和泉正敏氏の名前も見ることができる。その玄武岩による作品はシティーセンター内のマンダリンホテルに飾られる予定。

アーティスト: Tony Cragg、 Isa Genzken、 Antony Gormley、 Jenny Holzer、 Masatoshi Izumi、 Francois Xavier Lalanne、 Maya Lin、 Richard Long、 Claes Oldenburg & Coosje Van Bruggen、 Nancy Rubins、 Frank Stella、 Peter Wegner。

建築家: Foster + Partners、 Helmut Jahn、 Kohn Pedersen Fox、 Pelli Clarke Pelli、 Rafael Vinoly、 Rockwell Group、 Studio Daniel Libeskind。



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