週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2009年 07月 08日号
ランス公演再開で、市長が 「ランスバートンの日」 を制定
Lance Day Oscar Goodman Lance Burton President  「7月7日はランスバートンの日」。このたびラスベガス市長が正式に制定した。
 右の写真は、先週の火曜日にモンテカルロホテルで行われたそのセレモニーのときの様子で、左からオスカーグッドマン市長、マジシャン・ランスバートン氏、モンテカルロホテル社長のアントンニコデマス氏。(クリックで拡大表示。証書の部分をクリックするとそこだけが拡大)

 なにゆえ7月7日が 「ランスバートンの日」なのか。まずは、ここ数ヶ月の曲折について説明しておきたい。
 ランスバートン氏はケンタッキー州出身の人気マジシャンで今年49才。10代のころから頭角を現し、80年代初頭には早くもラスベガスで活躍。
 トロピカーナホテル、ハシエンダホテル(現在のマンダレイベイホテルの場所に1996年まで存在) で実績を積み、1996年に新規開業のモンテカルロホテルと13年契約を結ぶ。そして今年に至るまでの過去13年間、週2回の休演日以外は同ホテルで毎日マジックショーを演じてきた。

 その契約が今年6月で切れるとあって、半年ほど前からランスバートン氏の去就がいろいろ噂されてきた。
 「30年近いラスベガス生活に飽きたランスは故郷のケンタッキーに帰りたがっている」、「いや、最近豪邸を建てたばかりだからケンタッキーに帰るはずはない」、「モンテカルロはマンネリを打破するためにランスとの契約を打ち切り新たなエンターテーナーを探そうとしている」、「いや、世界不況のこの時期、モンテカルロにそんな余裕はない。劇場の改造などが伴う新たなショーを企画できる状況にないのでランスと契約延長するはず」

 次から次へと噂は出てくるものの、あと1ヶ月で契約切れとなる5月になってもモンテカルロ側からはなんの発表もない。
 そんな矢先の5月7日、なんとランスバートン自身が公演中に右足首をひねって骨折してしまうというアクシデントに遭遇 (左の写真は6月30日の記者会見のときの様子)。全治5週間で翌日から公演はキャンセルに。
 それでも13年契約の最後の1ヶ月が残っているため、その分は満期日の6月20日がすぎても必ずやるとのことで公演再開の時期が一度は発表されたが、ケガの回復が芳しくなかったのか再開予定日はどんどんうしろにずれるばかり。
 「このまま再開されることなく公演打ち切りになるのではないか」、「いま発表されないようなら契約延長はないだろう」 といった噂が日増しに強まる中、6月30日、ついに電撃的に記者会見がモンテカルロホテルで行われた。

 急きょ現場に足を運んだ地元メディアが見守るなか、アントンニコデマス氏が 「2015年まで新たに6年契約を結ぶことで合意に至った」 と発表。さらに、今までの契約として残っていた最後の1ヶ月分の公演は自然消滅とし、新たな契約の初日として7月7日から公演を始めることも明らかにした。なごやかな雰囲気の中、続いてランスと市長がスピーチをし、そのあと質疑応答に。
 それによると、契約金などは明らかにされなかったが、ケンタッキーに帰ることは選択肢の一つとしてランスの頭の中にあったようだ。また、モンテカルロ側にも契約延長には賛否両論あり、最後までもめたようだが、周囲からの後押しなどもあり、最終的には今回の結論に達したとのこと。
 契約延長に至った背景には、ラスベガス市側からの強いラブコールもあったようだ。市長などのスピーチによると、ラスベガスを代表するセレブリティーを失いたくないという強い思いが街全体にあり、その声はランスにも伝わり、そんな経緯の中で市民の望みがかなったことから、新たな出発点となる7月7日を 「ランスバートンの日」 として制定することにしたという。

 さっそくその記念すべき7月7日の公演を観てきた。
 本人から足のケガのことや契約延長に関するスピーチがあるだろうと思いきや、なにごともなかったかのように従来通りのマジックが始まった。観客の多くはケガのことを知らないはずなので、あえて触れる必要はないということか。
 それはともかく、ケガのことを知っている者にとっては意識して右足を見てしまうせいか、まだどことなく痛々しい。それでも特に大きな滞りもなく、スムーズかつ華麗な動きでマジックは終盤まで進んだ。
 そして最後の場面でやはりスピーチが入った。二カ月前にここでケガをしたこと、手術の内容、本日が休養後最初の公演であること、今後も引き続き公演を続けることなどを観客に伝えると、場内は大きな拍手と歓声の渦に。
 ちなみにマジックそのものの内容は、従来の公演とほぼ同じで特に大きなちがいは見られなかった。途中で登場するコミカルなジャグラー、マイケルグッドウ氏も健在だ。
 ということで、ランスバートンファンにとっては、よほどのことがない限りあと6年間はショーを楽しめることが確定したので、一連の騒動はハッピーエンドという形で落着したことになる。

 公演日は今までと同じで火曜日から土曜日までの毎日。日曜日と月曜日は休演。
 ただ、今までは10時の部もあったが、世界不況で需要が低迷しているため、しばらくは7時の部だけの公演になるとのこと。
 場所はモンテカルロホテルのカジノフロアにあるランスバートンシアター。ストリップ大通りからホテル内に入ってすぐ左側。チケット売り場もその劇場前にある。
 チケット料金は、1階席の前半分(現場では Main と呼ばれているセクション) および後ろ半分 (同、Mezzanine) が $72.55、2階席 (同 Balcony) が $66.50。



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