週刊ラスベガスニュース バックナンバー   2009年 04月 08日号
コストコビジネスセンターは一般個人客には不向き
 今週は、会員制倉庫型ディスカウントストア Costco のメンバー以外の人にはほとんど無用の情報になってしまうが、このたび 「コストコビジネスセンター」 (写真右) が全米第7号店としてラスベガスにオープンしたのでそれに関する話題をお届けしたい。
(アメリカでの発音は 「コスコ」 だが、日本では 「コストコ」 で法人登記されているので、以下コストコに統一)

 日本でもコストコの会員が増えてきているのか、近年アメリカ旅行のついでにその地域の店舗に足を運ぶ人が少なくないようだ。
 ちなみにコストコのメンバーシップは国境を越えて有効なので、日本でメンバーになればアメリカでもイギリスでも利用できる。
 現在店舗数はアメリカ、カナダ、メキシコ、プエルトリコの北米に約500店、そのほかイギリス21、日本8、韓国6、台湾5で、北米が圧倒的に多いことになるが、その北米でもまだ10店にも満たない貴重な存在なのがコストコビジネスセンターだ。
 コンセプトはその名称から想像できるとおり、商売をしている人たちのための商品に特化した店と考えてなんら差し支えないが、既存の一般個人会員も利用できる。
 そんなビジネスセンターのラスベガス店誕生の話題をこのサイトで先日取り上げたところ (2月24日の「スポットニュース」)、一読者から、「ぜひ行ってみたいが通常のコストコとのちがいは」 という質問が寄せられた。

 通常のコストコは基本的にその規模も内容もほぼ世界共通なので、すでに日本で利用している人にとっては、「アメリカもまったく同じ」 と考えてよいわけだが、コストコビジネスセンターについてはたしかにわかりにくい。
 結論から先に言ってしまうと、パッと見た限りでは通常のコストコとほとんど同じだが、よく見ると異なる部分がかなりあり、一般の個人会員は行ってもあまり楽しめないのではないか、というのが現時点での印象だ。

 店舗サイズは一般のコストコとまったく同じ。それもそのはず、今回オープンしたラスベガスのビジネスセンターは、今まで存在していた通常店を改造したもので、他の地域のビジネスセンターもほとんどが同じ方法で誕生している。
 まず一般消費者にとっての最大のちがいは、今回の取材を案内してくれた現場責任者のエドさんによると、ビジネスセンターにはビールやワインなどのアルコール類、およびアパレルの部門が存在していないこと、そしてさらにフロア面積的には薄型テレビなどの家電コーナーがほとんどないことも大きな違いといってよいだろう。
 また、既存店ではそれなりの面積を占有している書籍のコーナーもなく、さらにレジの近くでホットドッグやピザを売るファーストフードのコーナーもない。
 このファーストフードのコーナーは日本でもアメリカでも非常に人気で、いつも多くの人たちでにぎわう活気あるコーナーなだけに、これがないと全体として非常に静かな印象を受ける。ちなみにそのスペースは、名刺、封筒、広告チラシなどの印刷物の注文を受けるセクションになっており、人影はまばらだ。

 では、一般店に存在するアルコール、アパレル、書籍、家電などのセクションがないぶん、ビジネスセンターには何があるのか。
 それはポテトチップやビーフジャーキーなどの各種スナック類と、コーラ、ジュースなどのソフトドリンク類だ。これらの商品は従来店にも存在するが、このビジネスセンターでの品揃えは半端ではない。たとえばビーフジャーキーの陳列棚の長さは18メートルもあり (写真右上。見えているのは全体の約半分)、それだけで日本の小さなコンビニぐらいの規模がありそうだ。

 ソフトドリンクも通常店舗の数倍の面積が割り当てられており (写真右)、スナック類と合わせてこれらの商品を見ていると、主なターゲットが小規模の酒場やドーナツ店など、カジュアルな飲食業であることがうかがえる。
 またそれを裏付けるかのように、飲食店などで必要な業務用の食器やキッチン用品も数多く売られている。

 飲食業以外としては、弁護士事務所、不動産業、小さな医療機関や歯科医院などのいわゆるスモールビジネスと呼ばれる小規模な事業所も顧客の対象としていることがうかがえ、文房具や使い捨てゴム手袋などの陳列が目立つ。
 ちなみにその手袋は、サイズや材質などが非常に豊富で、先ほどのビーフジャーキーに勝るとも劣らぬすさまじい量が置かれている (右の写真はすべて使い捨て手袋)。

 話が前後するが、飲食店を相手にしているのであればアルコール類を置かない理由はないはずだが、現場の説明によると、アメリカにおけるアルコールの物流は他の商品に比べて多少特殊な事情があるため、多くの飲食店は既存のアルコール物流業者からの配達に頼る傾向にあるらしい。
 そのようなわけで保守的なアルコールの物流業界にまで風穴をあけるつもりはないようだが、このビジネスセンターは一般の食材の流通や、オフィスディポやオフィスマックスに代表される事務用品の流通業者などに真っ向から対抗しようとしていることは間違いないところだ。(右上は5ガロン、約19リットル入りの業務用キッコーマン醤油)

 長くなってしまったが、そのようなわけで、一般の消費者が行って楽しめるような品揃えではないが、日本で飲食店などを経営している人たちにとってはそれなりに有益な買い物ができるかもしれない。それでも日本に持ち帰る手間などを考えると、やはりこの店は日本からの訪問者にとっては現実的ではないだろう。
 レンタカーなどでの行き方をとりあえず説明しておくと (高速道路を使わずに行く方法)、ストリップ地区のホテル街から北へ向かって走り、ストラトスフィアタワーを過ぎたらまもなく遭遇するチャールストンという道を左 (西)。約1kmほど先に見える高速道路との立体交差をくぐってすぐのところにあるマーチンルーサーキングという道路で右折 (北)。そこから約1km先の左側。
 なお営業時間は、通常のコストコと異なり日曜日は休みなので注意が必要だ。月〜金が 8:00am〜6:00pm、土が9:30am〜6:00pm。


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